#38宴②
仕事が忙しすぎて執筆が遅れてしまいました…。お待たせしてしまった方すみません!
あと、WBC始まりましたね!普段野球とかスポーツは見ないのですが、世界大会になると競技問わず無性に大援したくなります笑
頑張れ!日本!!
3人で雑談していると銀音が戻ってきた。なんだか疲れているように見える。何かあったんだろうか?
「顔色悪いけど体調悪い?」
「いえ…美味しく楽しく食事をしていたのですが、雄連中が群がってきて美しいだの休日は何をしているかだの、質問攻めにあいまして…下品な視線ばかりでしたので危うく殴り倒す所でした。冷静さを保てているうちにタクミ様の所へ逃げてきました」
よく見ると冒険者や一般市民に紛れて、身なりのいい人達が結構いた。貴族と言うよりは商人や職人って感じかな?酒場では近寄って来なかったから気にしてなかったけど、一定以上の富裕層になると臆せず声をかけてくるみたいだな。
「ありゃりゃそれは災難だったね。こっちに食べ物や飲み物はあるから好きな物を食べたらいいよ」
「そうします。そう言えば先程面白い話を耳にしました。なんでも、ミノタウロスの角には作物の成長を促進させる効果があるらしいです」
「あーそれは俺も聞いたことあるな。確かミノタウロスの角を粉末にして少量振りかけるだけでかなりの効果があるとか。コウダさんが農家としてやっていくならミノタウロスの角は取っといた方がいいかもな」
「ミノタウロスは角だけじゃなく、全てが素材や食料として使える無駄のない魔物らしい。表皮は柔軟性と適度な強度を併せ持っていて、旅商人の鞄から鎧の裏地なんかにも使われている。だが、本来はこんな土地に出現するはずのない魔物だから討伐したミノタウロスの素材は高値で取引されるだろう」
へぇーそうなのか。じゃあ折角だし俺が討伐した2体の角は買取させずに引き取ろうかな。その分買取額は減るだろうけどまぁ良いだろう。あと、ブラックウルフや俺たちの分で肉も引き取ることにしよう。でも、角を粉末にして撒くだけで本当に効果が出るか不安だし、コンポストのイーラミナさんに話を聞きに行ってみよう。
今後の段取りを考えていると小舞台にアルフォンス様が上がってきた。
「ケーンブーズに住む全ての民達よ。我が領地にて過去に類を見ない強力な魔物の襲撃があった。既に知っている者も居るとは思うが、その魔物の名はミノタウロス。1個体で討伐難易度B-ランクの魔物だ。それが4体。そして先程冒険者ギルド、ギルド長メビウスの鑑定で分かったことだが、ミノタウロスの上位種討伐難易度A-のブラックミノタウロスも1体居たのが確認されたーーー」
あの強い個体は見た目通りブラックミノタウロスって魔物だったのか。しかも討伐難易度A-ってめちゃ強いじゃないか。そりゃBランクパーティーでは太刀打ちできないわけだ。多分俺と銀音、ブラックウルフ達のパーティーでもやばかったかも…。
「だが冒険者と我が騎士団の協力で全て討伐された!討伐隊に参加した皆を労い、また、過去最大の危機を退けたことを祝ってこの会を開いた。皆大いに楽しみ、今この時があることに感謝を!」
アルフォンス様の開会の挨拶が終わると拍手とともに俺たちへの感謝の言葉が飛び交った。なんかここまで感謝されると本当にすごいことを成し遂げた気持ちになるな。さっき聞いた話だが魔物にはランクがあって上からS,A,B···Fの六段階あり、その中でもプラスとマイナスがあって、基本的には同等ランク×2パーティーでの討伐が望ましいようだ。下のランクは1パーティーでも討伐は可能で、大体のパーティーは下位ランクのクエストを受けているらしい。まぁそもそもBランクの依頼…ましてやAランクなんてのはなかなか出ないようだが。それから考えたらそりゃ凄いことか。
皆好き好きに飲み食いし、気がついたら23時を回っていた。酒の強さには自信があった俺でも流石に目が回ってきている。冒険者の皆は、潰れてる人も居るがまだまだ元気いっぱいだ。意外だったのは早々にダゼルさんは潰れて、酔うとウィリアムさんはめちゃくちゃお喋りになる事だな。クール系はどこへやら、盛り上げ上手だし、話を聞いてると凄く慎重で他人思い、俺に冷たく当たってしまったのも、Bランク冒険者としてミノタウロスのヤバさを知ってるからこその対応だったようだ。最後の方はちょっと目を潤ませて、助けられて逆に自分の慢心に気がつけたとお礼を言われたよ。アルフォンス様はいつの間にか居なくなっていて、メビウスさんは未だに1番元気だ。酒豪という文字はこの人の為にあるのかもしれない…。
「銀音。結構周りも減ってきてるし、泥酔してる人も出てきたから俺達もそろそろお暇しよう」
「もう帰ってしまうんですか!こんなに楽しくて気持ちがいいのに!しかも、お金とやらも使わないんですよね!?勿体ないですよ!お酒最高!」
「こらこら、銀音さん?君も相当酔ってるでしょ?いつもの冷静さが無くなってますよ?この前飲んだのが確か初めてのお酒だったよね?これ以上飲んじゃうと多分明日地獄を見るよ」
「時刻を見る?お酒で時刻は見れませんよー!何言ってるんですかタクミ様!アハハハ!」
「こりゃダメだ…」
銀音も相当酔っ払ってるし、メビウスさんに一言かけてから帰るかな。
帰る旨と明日以降ギルドを訪ねる相談をするため、メビウスさんのもとに向かう。
「おう!コウダ!楽しんでるか!!!ーーー苗字呼びはなんか、他人ぽくて俺は嫌いだから今日からはタクミと呼ばせてもらうぜ!」
「楽しんでますよ!ありがとうございます。どちらでも良いですよ!」
「ありがとよ!それで?なんか話があってきたんだろ?」
「はい。銀音が結構酔ってて、俺もそろそろいい感じなんで帰ろうかと。あと、メビウスさんの都合のいい時に鑑定スキルを教えていただきたくて、その相談です」
「じゃあ明日にでも来てくれ。タクミと嬢ちゃんのギルド登録と報酬の支払いもしなきゃなんないからな。でも、いいのか?ただ酒だしもったいねーんじゃねーか?俺はまだまだ行けるぜ?」
「まぁー勿体ない感じする~~~、んですが、気持ちいいくらいで帰って明日は当たり前の状態が望ましいと思うんで、今回はこの辺で失礼しますね!」
「タクミの言う通りだな。飲みすぎて翌日何も出来なかったら勿体ないからな。じゃあ明日は可能なら10時頃にギルドに来てくれるか?その時なら俺も対応できるからな」
10時か。俺は構わないが、今のメビウスさんの感じを見ると、まだまだ飲みそうだよな。こんだけ飲んで明日普通に仕事してるとかどんな化け物だよ。
「了解です。よろしくお願いします!じゃあもう少ししてから帰りますね!」
俺はその場を後にする。何故かと言うと場の雰囲気が盛り上がりすぎで、そのままそこに居たら巻き込まれそうだからだ。銀音の元に戻り帰る旨を伝える。
「もう帰るぞー。明日はギルドと使ったチェーンソーを整備してモーズさんのところに持ってかなきゃだからな。俺はこれ以上飲んだら記憶飛ばしそうだ」
「なんかこの後二次会に行くとか聞きましたよ!タクミ様は行かないんですか!?」
「こらこら。15時くらいから飲んでるのにここでもう4次会くらいまでは飲んでるよ…」
「タクミ様は飲みたくないのですか?私とも飲みたくない?」
「銀音と飲みたくない訳では無いけど、飲み過ぎも体に悪いし明日もあるから帰ろう?明日も多分飲み会だよ?」
「明日も飲めるのですか!?じゃあ帰ります!早く寝て、早起きして、朝から飲みます!」
「そういう意味じゃないよ…とりあえず帰ろう」
俺は銀音を半ば強制的に連れ出し、アルフォンス様が手配してくれている宿へと向かった。なんか酒の飲み方といい、良い方といい、農機整備の職場の先輩に似てて少し懐かしくなったな。あんまり酒強くないのに不思議といつまでも飲んでて、一番最後まで残るんだよな。そして翌日はほぼ覚えてないと…。でも、アルコールチェックはスルーしてるんだよな。どんな魔法を使ってたのか。適量飲酒は大事だね。
宿屋に着いた時には俺も結構酔いが回っていて、銀音至っては虫の息だった。引きずるように部屋まで連れて行き、何故か相部屋のシングルベッドへと寝かしつけ、俺も倒れ込むようにもう1つのベッドへとダイブした。
「明日はギリギリまで寝て、その後冒険者ギルドへ行こうっと…」
俺はそのまま気絶した。




