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「アタシがあーちゃん! 火の大精霊だ! ずっとお前と話してみたくて、ずっーと精霊王様にここに来るようお願いしてたんだ! これから沢山話そうな!」


「くーちゃん。水の大精霊。好き。だから全部守る。バンリ好き」


「僭越ながら自己紹介をさせていただきます。僕の名はひーちゃん。木の大精霊になります。まだ至らない点が多々あるかとは存じますが、何卒宜しくお願い致します、我が(あるじ)


「あ、あの……ええと……すみません。……しーちゃん、と名付けていただきました。一応……金の大精霊……です……。あの……追い出されないように頑張りますので……お願い……いたします」


 あーちゃんは腕組しながら仁王立ち。くーちゃんはずっとわたしの腕に抱きつきながら。みーちゃんはキリっと姿勢よく。しーちゃんは、物陰を探すも何もなく、片手で目線を隠しながらそれぞれ挨拶してくれた。


 あーちゃんの見た目は12~13歳くらいの少女。

 燃えるような赤髪を腰ほどまで伸ばし目の色も髪と同じ赤。

 異常なほど顔立ちが整っていて、同性なのに真っすぐ見てられない程の美少女。

 あと数年成長すれば、間違いなく傾国の美女と成り得るだろう。

 どうしてかわたしの高校時代の制服を着てる。


 くーちゃんは二十歳前後の顔立ちで、市松人形をそのまま現実世界に引っ張ってきたような容姿。

 背中まで綺麗に揃えられた黒髪に対して、目は吸い込まれそうな青色。

 あーちゃんとはまた別の次元の美しさを誇っている。

 何故か着ている黒と青を基調とした着物が、ビックリするほど似合う。


 みーちゃんは、4人の中で唯一の男性。だけどあーちゃん同様12~13歳くらいの子供。

 眉にかかるくらいの深緑髪を右半分下ろして、もう半分はオールバックのように後ろに纏めている。

 目の色は髪色より明るいエメラルドグリーン。

 背恰好は無視して、一番社会人に相応しい雰囲気を醸し出している。

 身体は小さいけど頭脳は大人? あれ、これ言っちゃイケない気がする。

 燕尾服? なんで? 執事? 執事なの?

 

 しーちゃんは、くーちゃん同様二十歳前後の見た目。顔は手で隠しちゃってるけど、滲み出る可愛さは隠せない。あーちゃん、くーちゃんとはまた違うタイプの美人で、言葉にするならイジめたくなるタイプの美人。勿論わたしはイジめない許さない。

 髪は綺麗な白色で、頭の後ろで纏めあげられているので、正確な長さはわからない。目は琥珀色。

 メイド服を着ているけど、胸元がバックリ開いている。隠すのは顔でいいの? 本当に?


 各々の自己紹介が終わったところで、質問タイム。

 今まではくーちゃんの空中文字に頼りっ放しだったけど、ようやく全員と会話ができるようになったので一問一答形式で、これまでの疑問点を解消することにした。


 Q、さっきの本当に精霊王?

 A、本物。司ってるのは土。

 

 Q、精霊王の言ってたお願いは本気?

 A、本気。


 Q、わたしにずっとMPを増やすように言ってたのは精霊王を喚び出して貰う為?

 A、そう。ホントは今の3倍の魔力が必要だったけど、精霊王が頑張って来てくれた。 


 Q、次の大精霊が育つのはどのくらいかかる?

 A、わたしたちみたいに魔力を貰えないと……千年くらい?


 Q、せっ……そんな年数、生きてられないんだけど?

 A、どうにでもなる。


 Q、具体的には?

 A、もうバンリは不老不死になった。


 Q、……わたしの許可は?

 A、任意で付け外しできるけど、先に死なれたら悲しいから絶対外さない。


 Q、(もうそれ、呪い……)それ、くーちゃんがやったってことでいいんだよね?

 A、そう。水の大精霊の加護。他の3人も今付けた。


 Q、……ちなみに、効果は?

 A、火。美貌、魔力、感知能力の向上。

   木。成長能力の向上。

   金。肉体能力の向上。バンリの力を引き継いだ元気な赤ちゃんが沢山産める。魔道具の性能強化。

   土。地面から10メートル離れていない時、全部の攻撃を大地に肩代わりさせる。動いてると効果が落ちる時がある。


 Q、つ、ち……。……精霊王の加護も付いてるってこと?

 A、付けて帰っていった。


 Q、えっと。肩代わりできないくらい強い攻撃の時は?

 A、この星が壊れるくらいの攻撃までは大丈夫。


 Q、……それって実質無敵じゃない?

 A、そうかも。


 Q、(不老不死があるのに無敵って必要?)……外の世界にいる精霊って捕まってるの?

 A、捕まってる。精霊の力を何百年も吸い取られ続けている。


 Q、なにそれ……。それで? 精霊王が、今いる大精霊を回収した後、くーちゃんたちは世界の為に何かする必要あるの?

 A、いるだけで大丈夫。あと、今捕まってるのは上位精霊。


 Q、大精霊と上位精霊って何か違うの?

 A、持ってる力が違う。上位精霊100体で大精霊1体に勝てない。上位精霊は捕まってるけど、同じ方法じゃ絶対に大精霊は捕まらない。


 Q、今、くーちゃんたち大精霊より弱い精霊でも世界はやっていけてるんだよね? なら、次の精霊も上位精霊でいいんじゃない?

 A、そうするとまた捕まる。


 Q、あれ? そういえば上位精霊は、わたしみたいな人がいなくても顕現できてるんだよね? じゃあどうして、上位精霊より格上であるくーちゃんたちは、わたしが死ぬと顕現できなくなるの?

 A、元々上位精霊も召喚されて顕現した。今は召喚した人は死んだけど、無理矢理捕まってるから送還されてない。


 Q、最悪だね。

 A、それでも世界は滅ぼせないから精霊王様も困ってた。だからバンリがわたしたちを召喚して、上位精霊にしてくれた時はすごく喜んでた。


 Q、(成程ね)その上位精霊が消えた後って、くーちゃんたちを1度でも送還しちゃったらマズい?

 A、短時間なら多分大丈夫。でも、なるべくして欲しくない。


 Q、遠くに離れちゃったくーちゃんを近くに喚び出したい時とかは?

 A、さっきのは訂正。どんどんやって。


 Q、(可愛い)ちなみに、くーちゃんって強いの?

 A、わからない。でも、まだ(大精霊に)なったばかりだからそこまで強くないと思う。もっと(MP)ご飯頂戴?


 Q、くーちゃんの着物もそうだけど、どうしてみんな、この世界になさそうな服着てるの?

 A、あーちゃんが、バンリの記憶を読み取った。怒るならあーちゃん。


 Q、(あーちゃん……)ということは? ひょとしてもう一人の万里のことも知ってる?

 A、知ってる。


 Q、……そう。そういえば、名前、すごく可愛い感じにしちゃったけど、変えた方がいいよね? 

 A、大丈夫。気に入っている。


 Q、……今まで言ってなかったけど、実は今呼んでる名前は略称でね? 本当の名前は別に――

 A、「そうなの!?」「さ、流石は我が主!」「え……あの……」 


 ……みーちゃんの必死ぶりが伝わるよ。……そうだよね。……どうしよう。


面白い。先の展開が気になる、と思ってくれた方、ブックマークをお願い致します。

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