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異世界でツンデレちゃんは恋に落ちた。~unstable・story~  作者: 十六夜零
1章ーGAME・RE:STARTー
9/60

第7話・指輪と誤魔化し

『『一体どうすれば』…』

私達は、同時に溜め息を吐いた。

『あ、そうだ!』

『ん?…どうかしたのか?…』

『ヴァインのサブ職業って、確か、鑑定士(アプレイザー)だったよな?』

そう、ワルマスというゲームにはアサシンやエクソシスト等の普通の職業の他に、サブ職業と言うものがあるのだ。

まぁ、その説明は後日するとして…

『あぁ、そうだな…』


『この指輪を鑑定してもらえば良いんじゃないか?』





彼女の言葉に、俺は、確かにと頷いた。

アプレイザーとは、その名の通り、道具等を鑑定する力を持つサブ職業だ。

『よし…じゃあ…此処に来たら頼もう…』

俺は、そう言いながらまた頷いた。

しかし、何だかこの指輪はどうも恥ずかしい。

何故かと言われれば勿論…


この指輪が“左手の薬指”にはめられているからだ。


そう、はめる指が選べないなんて、ゲームなら当たり前だが、左手の薬指何て言うのは驚くしかない。

いや、間違えた。

照れるしかないというかにやけるしかないというか…


(いっそ、外れなければ良いのに)


とか、思ってしまうわけで。

(女々しいかよ…)

と、自分でも情けなくなってしまう。

と言うかこれは不可抗力だ。

そうだ、これは俺が仕組んだわけでもなく、偶然左手の薬指だっただけである。


…今現在下心しかないのは否定できないが。


(あぁもう…そんな事を考えてるだけで…緊張してきた…)

こんな事態になれば、流石に意識してしまう物も有ると言うものだ。


(別に、け、結婚なんか…想像なんか…してはいない…と、思いたい…。)


とか思ってる時点で想像してしまったのだが。


『お帰り』


とか言うスカーレットを想像してしまったのだが。

なんならそのスカーレットは部屋着にエプロン姿であり、俺の荷物を持ってリビングに行ったかと思いきや…


『夜ご飯、もうすぐできるから待ってくれ』


とか言いながらキッチンへと消えてきて、手料理振る舞ってくれてるのだが。


『はぁ…』


思わず、何やってるんだとか、可愛いとかなんとか、色んな意味のこもった溜め息が出るのは仕方のない事である。


『どうかしたのか?』


すると、心配するような瞳で、彼女が俺の顔を覗き混んできた。

彼女に此処まで近付かれるまで気付かないとは…と、もう一度溜め息が出そうになったが、それは流石にグッとこらえて…


『ちょっと考え事をしていただけだ…』


と、誤魔化すのだった…

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