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異世界でツンデレちゃんは恋に落ちた。~unstable・story~  作者: 十六夜零
1章ーGAME・RE:STARTー
5/60

第3話・イベント後の飲み会とその帰り

こうして、大会もイベントも無事(?)終了した。

結果は飛竜と私的には散々。

しかし、そんな私達そっちのけで、エリーゼは近くの飲み屋へと、なんとそのままの格好で引きずり込んだ。

流石にこの格好では恥ずかしい…とか思っていたのだが…

意外にもその店には、コスプレをしているイベントに来ていた人が、何人も来店していた。

なので不自然どころか、自然な感じでお酒を飲み始められた。

そして、大会で優勝し、顔が少しばかり知れてしまった二人は、お酒を数杯、知らない人に奢られてしまう始末だった。

エリーゼも完全にイベントテンションでゴクゴクと飲み進め、お酒を私達に勧めてくる。

『うぇーい!!…飲むぞー!!…』

と、おかしなテンションでミミにもどんどん飲ませようとしたが、ミミは極端なレベルにお酒に弱く、数杯で『お願いです!…エリーゼさん!…私!…お酒が!…』と、断っていた。

流石に、イベントテンションで頭等が少々おかしくなっていても、無理にそんな人に勧めるような人間ではなかったエリーゼだったが、代わりにと言わんばかりに、私と飛竜にお酒を勧めてきたのだった…





すると、でろでろに酔っぱらってしまうのは致し方ないわけで…






『ひりゅうも家、こっちなのかぁ?』

『…ぁあ、そうだ……』

現在、私達…つまり、私と飛竜は、家が同じ方向だということを確認したわけだが…

互いにふらふらとしていて、肩を組んで支え合って、やっと帰れる程だった。

ちなみにエリーゼとミミは…


『私、方向逆だし、友達が車出迎えに来てくれるらしいから、それで帰るわー』


『わ…私も…その…御迎えが来ますので…そち…そちらで…』


と、言っていた。

こんだけべろべろに酔わせておきながら、わりとけろっとしているエリーゼがどうも憎たらしく感じる…べきなのだろうが、生憎、今はそんな思考回路が働く程、シラフに近い訳じゃない。

むしろ真逆であり、思考はどこかふわふわとしている。

とにかく、そのままエリーゼは駅前へ、ミミはその場で待機となった。






俺は先程、やはりスカーレットは酔ってもスカーレットだなと思った。

何故かと言えば、エリーゼの言葉への返事の内容が鈍感さが全開だったからである。


『じゃ、若いモンの邪魔はしないようにさっさと駅行くわ~』

と、エリーゼがわざとらしくにやにやと俺を見た。

要するに、彼女と俺をくっつけようという事なのだろう。

まぁ、別に嫌われてはないようだが、この調子じゃ、普通に考えて家に帰るのが精一杯であり、頑張ってアプローチなんて余力は生憎残っちゃいない。

とかなんとか思っていると…


『いや、このなかでいちばんわかいのはみみだぞぉ?

ていうかじゃまってなんだぁ?』


とかなんとか、ふわふわとした喋りではあったが、スカーレットはハッキリと言った。

いや、酔っててもスカーレットはスカーレットなんだな。

なんて、頭の隅の方でうっすらと変に感心してしまった。


まぁ、そんな所も好きなのだが。


『…なんか…ごめんね、うん』

と、エリーゼが俺に合掌してきて逆に落ち込んだのは無かったことにしよう。

さてさて、そんなわけで、いつの間にか俺の家の前に着いていた。

『ここがひりゅーのうちなのかぁ?』

と、ふわふわとした口調でスカーレットが問いかけてきた。

『あぁ…そうだぞぉ…』

『じゃあ、また…にゃっ!?』

『うぉっ!?』

スカーレットが俺の肩に回していた手を外しながら、別れの挨拶を告げようとした瞬間、スカーレットは大きく転んだ。

俺が咄嗟に手を差し出し、抱き締めてなんとか防いだのだが。

『あ、あり、が、と…』

ちょっと彼女の顔が先程より赤かった気がしたが、彼女の可愛さに免じて、酒がちょっと今更回ったという事にしてあげよう。

『いや…気にするな…』

本当の所、互いに驚いて一瞬酔いが覚めたのだが…

『じゃあ、こんどこしょ、こんどこそ、かえりゅ…るな…』

酒で舌が回らず、噛みまくったおかげで更に彼女は照れたのだが…

俺は、良いことを思い付いてしまった。


『なぁ…おれのいえにとまれよ』


『えっ…いい…のかぁ?…』


と言うことで、彼女を家に招き入れ、今晩だけ泊めることにしたのだった…

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