第1話・新しい日常?
世界的に有名な戦闘系ゲーム。
WORLD MASTER。
プレイ人口は推定、億単位とされている。
そんな、日本の人口よりも遥かに上を行くプレイヤーの数を誇るゲーム。
それが、WORLD MASTER。
略してWORUMAS。
そんなワルマスにハマっていた少女が居た。
それこそが、私。
朝比奈 梛祇だった…
私は、ゲームの世界ならば、友達が居る。
主に、3人。
一人目は…
世界で唯一、私が男でも気を許せる相手。
飛竜だ。
私生活や本名等、謎が多い祓魔師である。
とても不器用で無口なタイプではあるが、何だかんだで気が利くし優しい。
そして、二人目は…
面倒見が良くてサポートを得意とする親友。
篠崎 玲奈。
姉っぽく、人を良く見ている神祇官だ。
私とは幼馴染であり、私の良き理解者だ。
最後に、三人目は…
私の…というかギルドの妹のような存在。
山波 みみ。
気弱で何故かプレイしてきた期間のわりに、レベルが低いので、少しばかり弱いけれど…
時に、強くも優しい、見習いの森呪遣いである。
よく、玲奈と仲良くしている所を目にするが、それはまるで姉妹のように見える。
そんな私達四人はいつものように、私がリーダーのギルドの家。
ギルドホームに来ていた…
『今日の収穫は?っと…
お、結構増えてきてるじゃん!ミミ!頑張ったね!』
一人の女が木造のギルドホームの玄関近く…つまり、リビングの真ん中にある、木製の大きな机に荷物を置き、女より小柄な別の女に向かってそう言う。
『あ…ありがとうございます…嬉しい…』
女に褒められ嬉しそうな顔をする気弱なドルイドこそ…
本名、山波 みみ…プレイヤーネーム“ミミ”だった。
一方、そんなミミを褒める女、カンナギは…
本名、篠崎 玲奈…プレイヤーネーム“エリーゼ”だ。
『…』
そんなところを邪魔しないようにと静かに、隣に今日得たアイテムを置いた男は…
本名不明の、プレイヤーネーム“飛竜”だった。
『あんたは…?』と、飛竜に言われて、私は今回の敵を討伐した時に得た、報酬を置いた。
『…お前程ではなかったな』
と、私は呟く。
今回は飛竜より、少しだけ少なかった。
別に競っているわけでもないし、これといってプライドが高いわけでもない私でも、ギルドのリーダーとしてはやはり、少しは気にする。
『…あんたなりには頑張ってたでしょ…?
ドロップの量なんて、運だし…
倒してた量は負けた…』
『そうか?』
私は、興味が無さそうに見えるように、必死で自然に見えるようにと、意識しながら顔をそらす。
これは、慰めているつもりなのか?
こいつはいつもこんな感じに、本当に回りくどい方法でしか優しく出来ないが、とても優しい。
ちなみに、私のプレーヤーネームは…
『スカーレット~!
明日のための作戦会議の司会始めてー』
さらっと言われたが、スカーレットだ。
何となく…ではないけど。
まぁ、気に入っている。
まぁ、その話は後日伝えるとして…
いつの間にかさらっと今日の報酬をエリーゼに集められ、ギルドの倉庫に入れられる。
同じパーティーの皆が着席したのを確認して、明日の作戦会議を始める。
『では、作戦会議を始める
明日は、ベリーズカントリー・リバー付近を散策しようと思う
意見や質問は?』
『…』』』
沈黙が数秒間流れる。
これは、意義無しの合図。
ベリーズカントリー・リバーとは、最近、中堅のエネミーが発生している地域だ。
ベリーズカントリーと言う、村の村人に悪影響を及ぼしかねないので、中堅エネミー達を駆除するのだ。
『では、作戦の説明を始める』
『作戦会議終了
じゃあ、夜ご飯食べるか』
私がそう言うと…
『待ってましたー!!
さっ!料理担当の力の見せ所だー!!』
と、料理担当のエリーゼがキッチンへと向かう。
ここのギルドはギルドのリーダー。
このギルドはギルドマスターの私を中心に、何種類かのパーティーに別れている。
このギルドのメンバーの人数だと、大規模なクエストやダンジョンの十種類程有る内、五段階目位までは攻略できる程の人数だ。
このゲームは、1つのパーティーは、4~6人で組める。
私のギルドのメンバーは、総数、約60人。
皆、仲良し同士で組んでいたパーティーを私がギルドを作りたいと言ったときに、ポスターやエリーゼの凄まじい人脈により人を集めたのが、このギルドに入っている人が、此処に集まったきっかけである。
一応、私達のギルドは、仲良しのパーティーごとに班分けをしている。
その方が気が合う仲間との共同ということになるので、連携がとりやすいのだ。
そして、その班ごとに班長を決める。
私達以外の班の人達はは、私とその班の班長が連絡を取り合ったりして、繋がっている。
新入りは、最初は私達のようなベテランに色々と教わり、その後に連携がとりやすそうな班を、人数を考えながら、そーゆーのが得意なエリーゼが何とかしてくれるというか、振り分けてくれる。
担当分けも必要だ。
仕事が多過ぎては、リーダーとして臨機応変に対応する時間さえも無くなってしまう。
勿論、私が一番仕事は多いが、皆、仕事は有る。
私はこの班の班長と、ギルドマスターと、金銭管理の3つの兼任。
エリーゼは他の班にも居る、料理担当と連携して料理をする、料理担当。
ミミは、掃除と裁縫等による修復担当。
飛竜は、武器の修繕や管理担当。
他にも班ごとに様々な担当が存在する。
それらをうまく利用して、この、ギルド…
unstable・storyは成り立っている。
命名したのは…確か、飛竜。
『不安定…何が起こるか分からない
ゲームだってそうだろ?』と、珍しくはっきりとした声で言っていた気がする。
しかし、何日過ごしてもどうしても落ち着かない。
そう、これは現実だ。
リアルだ、リアル過ぎる程に。
そう…
“ゲームの世界に生きているのだ”
もう少し噛み砕くと、ゲームの世界に来てしまった。
異世界過ぎる、ゲームの世界に、地球から放り出されて来たのだ。
理由は不明。
そう、私達はゲームをある意味リスタートしたのだ。
現実と言う世界で…
そう、ここに出てきたのは…
あの日だった。
ということで、やっと本編と言うか本題に入りました。
次からもバンバン本編を出していくので、宜しくお願い致します。
後、誤字などが有りましたら、なんなりとお申し付けください。
御指摘に気付き次第、即刻に確認と修正を致します。
そして、良ければ次話も宜しくお願い致します。