第15話・Practice・Start
『取り敢えず、用意は出来たから向かうか?』
と、私は飛竜に声をかける。
『俺も用意は出来た…向かおう…』
と、俺は座っていたリビングにある木製の椅子から立ち上がり、先程まで磨いていた剣をしまう。
俺は武器の修繕担当でもあるので、それなりにこの数日で慣れてきている。
後、エクソシストだから、本当は杖を使うのだが、コスプレ大会の報酬で貰えた武器を使用する事にしたのだ。
それがこの剣。
Fixer:Cast a darkshadow・swordだ。
どうやらこの剣はシリーズ物らしく、彼女が渡されたとある鎌も、似たようなデザインであり、名前の最初に“Fixer:”が付いている。
そして、この剣は魔力を込めると、禍々しい色の霧のような、靄のような、いや、残光?のような物が流れ出て、その状態で敵を斬ると、電流のごとく発光し、敵にダメージを与えるのだ。
『キイィ…』
そして、ドアを開けた。
そこでふと私は気付く。
(又、二人っきりなのか…)
他愛もない話をして、平静を装っている彼も又、同じような事を思ったのは、鈍感な彼女は“まだ”気付いていない。
『着いたな…』
『あぁ』
そして、俺達はアトランデ第一洞窟の入り口に着いた。
『行くぞ』
『あぁ…』
俺達は職業柄元々夜目が利くので、そのまま進む。
すると…
『ギィ!!』
人間のものとは到底思えない、濁音のような、奇声のような鳴き声が聞こえた。
『…』
俺は無言で合図をする。
この声は…コウモリ型の低レベルモンスターの鳴き声だ。
Scary・Bat・Monster。
それは、低レベルだけど、甘く見れない、侮れない小型モンスターだ。
小型なので、攻撃は当たりにくく、そして、集団で襲い掛かってくる。
そして、一番の厄介な所は…
『ギィ!!ギィ!!ギィー!!』
『バサバサバサバサ!!』
多数のコウモリ型のモンスターが更に援軍を呼ぶ。
それこそ、一匹じゃ勝てないと踏んだように、怯えながら仲間を呼ぶ様に見える。
名前の由来はその辺りだろうか。
つまりは、きりがないんじゃないかと思う程に援軍を呼ぶのが、最大の難所だ。
そうこれは、闇の中での高速移動と高速連続攻撃の練習である。
『3…2…1…0っ!』
彼女が合図をすると、俺は高速連続切りつけを始める。
その攻撃の方向へと、彼女は敵を引き付けるように、高速移動する。
二人の息はぴったりだった。
二人して合わせ合い、自由に行動し合っていた。
それはどちらにも偏らず、完璧な連携を成していた。
次々とコウモリ型のモンスターを倒していく。
誰がどう見ても彼らは…
完璧なコンビだった。
これからはたまに、
後書きにその後や小話を挟むようにしていきたいと思っています。
なので、早速。
ー仲良しギルド、夜月の日常ー
『リーダー!
今日こそは私が勝つんや!』
そう張り切るのは、夜月のギルドに所属する…
『ララ…流石にそれは無理なんじゃないか…?』
ララである。
『いや!今日こそはや!』
そう胸を張りながら叫ぶが、ララの可愛らしい外見や声では、どうも子供らしさを感じさせてしまう。
一応ララは大人ではあるが、夜月よりは若く、その年の差は五歳である。
『いや…無理だろ…なぁ…諦めてくれないか…?』
そう疲れた声で夜月が言うのには理由があった。
そう、ララが夜月に挑んでいるのはババ抜きだ。
そして、夜月がポーカーフェイスが上手いわけでもない筈なのに勝ち続けている。
だが、それには理由があった。
そう、ララが分かりやすすぎるのだ。
今だって…
『うぅ…』
と、夜月がジョーカー以外のトランプに手を出すと、悔しそうに呻き声をあげている。
そして、数分後…
『うわぁーん、また負けたぁー!!
まだ一度も勝ててないやんんんんんんんぅ!』
何度目かのララの泣き叫ぶ声は、ギルドホーム中に、むなしく響くのだった…




