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第三章(2)

   第三章(2)



 ナオは警戒しながらゆっくりと大回りして蒼馬たちのところに来た。確かに、攻撃の意思を見せなければ大丈夫、らしい。

「で、あんたは何者なんだ? ただの保健の先生じゃないな」

「ただの保健の先生だよ? だけどそうね、たぶん、ナオちゃんの子孫か何か、かなぁ?」

「あん? なに言ってんだ」

「先生んちに昔から言い伝えみたいのがあってね。世界を災いから救う呪文があるって、小さい頃からパパに教わってたの」

 ナオと蒼馬は、信じられない、という目で先生を見た。

「先生――」

 先に口を開いたのは蒼馬だ。

「まだお父さんのことパパって呼んでるの?」

「いやいや蒼馬、この際それはどうでもいいだろう」

「でも…」

「いいから。で、あんたが聞いた呪文ってのは? 今から何千年も前の話だ、まともに伝わっているとは思えないが…」

「ええと、」

 そう言ったきり、先生は黙り込んでしまった。

「…」

「…」

「…」

「ええと、忘れちゃった」

 てへ、と舌を出して頭をコツンと叩く仕草は、いい大人がするものではない。それでも、この先生にはよく似合う。かなり腹立たしくはあるけれど。

「忘れたって…」

「でも、大丈夫!」

 すっくと立ち上がり、禍物と目が合って慌ててしゃがんだ。

「ちゃーんとブログに書いておいたの! 携帯で見れば…。あれ、圏外…?」

「まあ、ここいら一帯停電してるしね」

「どうすんだよ、作戦会議とか言ったのはあんただろう」

 ナオに詰め寄られて、先生はたじろいだ。

「だ、大丈夫。いま思い出すから。ええとええと、マグムヌ…マグムヌ…。うん!」

 思い出して、ぽん、と手のひらを叩く。幼く見えるけれど、いわゆる昭和アクションもそつなくこなす先生だ。先生は目を閉じ、人差し指を立てると、厳かに口を開いた。

「マグムヌツヌイサクバヌル、デーチナサクヌル」

 ぴく、とナオが片方の眉をつりあげる。

「ナナシソル、イシナツヌイヌク、マグムヌハナルシヌタグヌル」

 蒼馬はきょとんとしている。意味がわかるようなわからないような、不思議な響き。

「ハナツヌイホウヌルク、ハナルシニングルシ、ハナホウヌルクハナルシ。…どう?」

 言い終わると、先生は得意げにふんぞり返った。蒼馬が「初めて九九を間違えずに言えた子供みたいだ」と思ったのは内緒だ。

「保健の先生、あんた…」

「ふふん。見直した?」

「あんた、発音悪いなあ…」

「にゃにゃっ!? 仕方ないでしょっ、聞いて覚えた訳じゃないんだから!」

「先生、今のは?」

「これが、パ…お父さ…父から教わった言葉。この世界を救う呪文なのよ」

「すごいな…、どういう意味?」

「え?」

 先生のω型の口が、「知らないけど、それが何か?」と言っているようだ。

「先生…、意味は教わってないの?」

「う…、うん。でも、ナオちゃんにはわかるよね? ね?」

「まあ、なんとか。ええと、」

 ナオは注目されて、なんとなく恥ずかしくなって視線をそらした。

「禍物ツヌイは盛り、大地の匂い。ただしそれは、ツヌイではなく場所?で、禍物ハナルシだった。ツヌイの鼻に放り込んで?ハナルシがぐるぐる回して?最初はハナルシが掘った」

「…?」

 先生と蒼馬が首を捻る。ナオは不服そうに言った。

「さっき先生が言ったのはだいたいこんな感じだ。発音が悪すぎて意味がわからん」

「うにゃ…、じゃあ、先生ってひょっとして…、役立たずかなぁ?」

 泣かれそうになって、ナオが慌てて取り繕った。

「いや、大丈夫、大丈夫だ。だいたいわかったから。『禍物ツヌイは大地を裂く。ただしそれは禍物ハナルシに操られてのことだ。ツヌイを封じようとすればハナルシが逃がしてしまうから、まずハナルシを封印しなさい』だな」

「なによう、聞き取れてたんじゃん! ナオちゃん、いじわるだあ…!」

「このあたりにもう一体禍物が…ハナルシがいるってことか」

 もう一体、と聞いて、蒼馬は怯えるように辺りを見回した。ナオがその不安を取り除く。

「大丈夫、ハナルシは弱い禍物だ。それ自身は弱いから、本能的に攻撃することしかできないツヌイを操って災いを引き起こすんだな。で、暴れてるツヌイを先に封印しようとすると、その直前にハナルシが逃がしてしまう、と」

 ――そういえば、

 思い当たることが、ナオにはあった。このツヌイには、何度か遭遇している。封印しきれず逃がしてしまって、それは自分の力が足りないせいだと思っていた。

 ――しかし、ハナルシも何度か封印しているはずだが?

「で、先生、近くってどこ? この展望室の中?」

「さあ? そこまでは…」

「とりあえずさ、探してみようよ」

「…そうだな。見つけたらすぐ知らせろ。蒼馬はあっち、あんたはあっち」

 先生は、むぅっとむくれた。

「あんたあんたって、仮にも先生なんだからそんな呼び方やめなさいっ」

「そうか、仮にも先生だったな、仮にも。じゃ、保健の先生はあっち」

 けれど、リスのように頬を膨らませたまま、先生は動こうとしない。

「…なんだよ」

「保健の先生、保健の先生って…。ひょっとして、先生の名前、知らないのかなぁ? そうだよね、保健の先生って、影薄いもんね…」

 先生の目が潤む。なんだか小さい子を泣かせてしまったような罪悪感に、ナオは慌てた。

「いや、だって、わたしは今日初めてここに来たんだ。知らなくて当たり前だろう。でも蒼馬なら知ってるよな?」

「ぼっ、僕? 僕はほら、ええと」

「やっぱり、知らないのかなぁ? ぐしゅ」

「僕は、そうだ、人の名前を覚えるのが苦手なんだ。シィさんの名前だって、ええとええと、きねつき…だっけ? ははは、ほら、覚えてない」

「〜っ、じゃあ、教えたげるから忘れないでね? 先生の名前はジリリリリ!」

「ジリリリリ? あ、そこの電話が鳴ってる。こんなときに…?」

「にゃあ〜っ! もうっ、なんで邪魔するのかなぁ!?」

「おい蒼馬、お前出てみろ」

「え、やだよ怖いもん」

 とは言ったものの、逆らえるわけがない。恐る恐る受話器を上げた。

「はい…。まよりタワー展望室でございます」

「意外としっかりした応対ね」

「この場にはそぐわないがな」

『ああ、蒼馬か。あたしだ』

「あ、きねつき…じゃない、シィさん?」

 シィの名前を聞いて、蒼馬の持つ受話器に保健の先生とナオが耳を近づけた。

 どちらからだろう、ふう、と花の香りが蒼馬の頬をくすぐる。

 ――ああ、なんか…、いい匂いだ…。

 ちら、と横目で見ると、すぐそこに先生の顔がある。驚くほど小さな顔、大きな目、少し尖らせたくちびる。蒼馬はどきどきしながらしばらくの間見つめていたけれど、ふいに先生と目があって、慌てて視線をそらした。

 ――この至近距離で上目遣いって…、きっ、危険だ…。

 どきどきどき。

『おい聞いてるのか蒼馬!』

「…え? ああ、ぜんぜん聞いてなかった。ゴメン」

 激怒するシィの罵詈雑言がやむまで、三人は受話器から離れるしかなかった。

「で、なんで電話が通じるの?」

『そりゃあ、非常用の電話だもん、停電してても使えなきゃ意味ないだろう。で、』

 ごそ、と受話器を持ちかえる音がする。

『さっき気づいたんだけど、事務所に変なヤツがいるんだよ』

「変なヤツって?」

『ずっとしゃがみっぱなしで、ブツブツ何か言ってるんだ。呼びかけても答えないし、気持ち悪いんだけど』

「それ! ハナルシじゃないかなぁ?」

 先生がさらに顔を近づけて、蒼馬の脈拍が早くなる。

 ナオは少しムッとして、受話器を奪うように引っ張った。

「シィ、そいつの背中、蹴飛ばしてみろ」

『え、いやそれは人としてどうかと』

「いいから。禍物に憑かれてるとしたら、早く追い出した方がその人のためだ」

『そ…そうか? じゃあ…ちょっと待ってろ』

 受話器から保留音が流れた。

 安っぽい電子オルゴールの音に三人は聞き入る。

 やがて、てんてろりろりん…というメロディーが頭にこびりついた頃、不意に保留音が途切れた。

『あー、今、その人の近くに移動した。蹴るぞ?』

「ああ」

『あの、蹴りますけどね、あの、ナオモドキってやつがそう言ってるんで。あたしは悪くないですからね?』

「いいから早くしろ」

『せーの…、うらあっ!』

 どすっ、という鈍い音に続いて、がらがっしゃんと様々な物が落ちて散らばる。

「そんなに思いきり蹴らなくてもいいんだよ! 軽くでいいんだ軽くで!」

『そういうことは先に言え! …ん?』

「どうした」

『きゃ〜!』

 喜びの悲鳴、とでも言うのだろうか、普段のシィからは想像もできないような声が聞こえてきた。

『口からなんか出てきた! 黄色くて丸くてフワフワで、あっ、弾んでる弾んでる! ぷよぷよしてるぞこいつ! あ、目がある目が! ちっちゃい目だ、こっち見てるぞ! ああもう、かわいいなあかわいいなあ!』

「あー、やっぱりあれか」

『ん? 知ってるのか? ああっ、今鳴いたぞこいつ! キュウだってキュウ! おい聞こえるか? キュウって鳴いて首かしげたぞ!』

「あー、うん、まあ、ハナルシっていう禍物だけど、単体じゃ何もできないヤツだから危険はないだろ」

 禍物のかわいさにメロメロな感じのシィに対して、ナオは冷静そのものだ。

『ああもうああもう、おいナオモドキ、これ触って大丈夫かな? このフワフワの毛、触ってみたいんだけど』

「やめとけ。いちおう禍物なんだ」

『そうか…。ざーんねん』

 見かけによらず、シィは猫だの犬だの、動物が好きだ。小さければ小さいほど、フワフワならフワフワなほどかわいい、というのが彼女の持論だ。

「で、シィ、護符はまだあるか? さっき渡したやつ」

『ああ、まだ使ってない。だいいち、ホントに使えるのか? これ』

 パステルカラーで、アニメのキャラクターがちりばめられていて、丸っこい文字の呪文が書かれている護符。

 ナオ自身、実際に使ってみるまでは不安だったのだから、シィが疑うのも無理はない。ナオは、シィの失礼な物言いに腹を立てることはなかった。

「それで封印用の護符を作る。お前が封印しろ」

『なに? 封印って、素人でもできるの?』

「弱い禍物なら護符の力だけで十分だ。そうじゃなかったら、神社で護符を授かる意味がないだろ? ダメもとでやってみろ、ダメだったらわたしが下りて行くから」

 とは言ったものの、あの階段を下りて、また登ってくると思うとウンザリする。うまくいってほしいものだ。

『ふーん。おもしろそう。で、どうすんの?』

「護符の呪文に、封印、と書き加える」

 シィはその続きを待ったけれど、ナオが口を開く気配はない。

『…それだけ?』

 怪訝そうに確認するシィの口調は当然のものだったけれど、ナオが口を尖らせたのも当然だ。

「それだけだよ。お前に渡してあったのは、いわば汎用の護符だ。そのままなら万能の護身符だけど、特定の用途を書き込めばその効果が強くなる。封印専用の護符に比べれば弱いけど、ハナルシには十分だろ」

 なるほどね、とシィはつぶやく。完全に理解できたわけではないから、あまり大きな声にはならなかった。

『書くもの書くもの…ああ、ひどい散らかりようだな。いったい誰がこんなことを』

「お前がさっきやらかしたんだろう」

 ナオが軽く頬を緩ませる。受話器から漏れ聞こえるシィの言葉は明らかにナオとの掛け合いを期待していたし、ナオは自然にそれに応じた。本人たちはどう思うかわからないけれど、傍目に見たらいいコンビだ。

『この護符にはピンクの蛍光ペンが似合うと思うんだけど、どうだろう?』

 パステルカラーで、アニメのキャラクターがちりばめられていて、丸っこい文字の呪文が書かれていて、その横にピンクの蛍光ペンで「封印」と書き加えられた護符。

 ――ピンクはさすがに…。いや、問題ない、はず。

「…好きにしろ」

『ええと、日本語でいいのか? 漢字で』

「ああ。大事なのは、念を込めて書くことだ。封印することを念じて書けば、何語でも問題ない。お前が普段使っている言葉の方が、念がこもりやすい」

『なるほど。ええと、』

 しばらくの間、声が途絶えた。

「シィ? 書けたか?」

『いや、あの、…封印の“ふう”って、どういう字だったっけ』

「お前…、ええと」

 シィを非難するような言い方をしたけれど、ナオも漢字には弱い。蒼馬が横から口を挟んだ。

「“土”が二つに“寸”だよ」

『あー、思い出した。“封”な。で、…封印の“いん”は?』

「ええと、こう、斜めに一本あって、そのまま下に…説明しにくいな」

「いいよ平仮名で。重要なのは念じることのほうだ」

『そうか、じゃあ…。いん、と。できた』

 ナオは、なるべく想像しないようにした。けれど、

 パステルカラーで、アニメのキャラクターがちりばめられていて、丸っこい文字の呪文が書かれていて、その横にピンクの蛍光ペンで「封いん」と書き加えられた護符。

 大事なのは念だ。見た目じゃない。けれど、

 ――いくらなんでも酷すぎる。

 ナオは、今日何度目かの溜息をついた。

『なあ、ナオモドキ』

「…なんだ」

『あたしは素人だから、見当違いかもしれないけど』

 少し遠慮がちに、間を置く。

『護符ってのは、白い和紙かなんかでできてて、墨で鋭く文字が書かれてて、なんかこう、神秘的な感じがするものだと思うんだ』

 相づちを待つけれど、ナオは何も言わない。

『これは、いくらなんでも酷すぎないか?』

 ナオは口を堅く閉ざしていた。うっかり口を開いたら、「ごもっとも」と言ってしまいそうだったから。せめて漢字で「封印」と書いてくれれば、とは思ったけれど、それで決定的に状況が好転することはないだろう。

 シィは、ナオの答えを諦めた。

『で、これをどうするんだ?』

「禍物に貼る。言っとくけど、テープとか糊とかはいらないからな」

『わかった。ちょっと待ってろ。これを…、ほら、こっちおいで。チッチッチッ。おいでおいで。お姉ちゃんがいいものあげるから。よーしよし。あ、指噛まれた』

「大丈夫か?」

『甘噛みだよ甘噛み。かわいいなあ、ノド鳴らしてるよ。で、このフダを貼るんだな。…ぺた、っと』

「どうだ?」

『うーん、邪魔そうに振り払おうとしてるけど、それ以外、特に変わった様子は…。あっ、悶えだした』

「効いたか?」

 黄色くて丸くてフワフワな禍物・ハナルシは、徐々に苦しみに飲み込まれる。身もだえしながら、黒いつぶらな瞳で、助けを求めるようにシィを見つめた。

『あっ、そんな目で…あん、見ないで、見ちゃダメ』

 蒼馬はなんとなく頬を赤くする。

 ハナルシの体が小刻みに震え始める。憐れみを乞うように、シィを見上げる。

 小動物にこんなふうに見上げられたら助けたくなってしまう。シィは必死でその欲求に抗った。

『いやッ! ああん、そんな…。ダメ、ダメッ!』

 三人は、息を殺して聞き入っている。

「そ…蒼馬君はこういうの聞いちゃダメじゃないかなぁ…」

「先生、へんなこと言わないでよ。…考えすぎだよ」

「しーっ、静かにしろ、いいところなんだから」

「いいところって…」

 いま護符を剥がせば、まだ間に合うかも知れない。ハナルシは、キュウ、キュウ、と震えながら悲しそうに鳴いて、シィの足もとにすり寄る。

「シィ、剥がすなよ。もう少しだ、剥がしたら負けだ」

『ダメ、そんな…、そんなところ…。ダメだったら。あん、ああん』

「シィさん、もう少しだからガマンしてね、シィさん」

『まだ? ねえ、まだなの?』

「シィさん、もう少し、もう少しだよ、シィさん」

『ああん、もうダメ、もうダメ』

「シィさん、シィさん、シィさん!」

『ダメッ、あ、ああっ』

「もうちょっと! もうちょっとだよシィさん! はあはあ」

「おい蒼馬、それやめろ。なんだか…」

「ご…ごめん。つい興奮して」

『ああっ、もう…! あ、消えた』

「うまくいったか。なんか、ガラス玉みたいなの落ちてないか?」

『ガラス玉? ああ、あった』

「それが封印された禍物だ。先生、あとで近所の神社に持って行ってくれ」

「了解ッ☆」

 片目を閉じ、舌を出して敬礼する先生をひっぱたいたナオを責めることは、誰にもできないだろう。

「あとはこっちのツヌイを封印すれば終わりか。…ハナルシほど簡単じゃないけどね」

『そうか、じゃあ…ナオモドキ、その…』

「なんだ」

『気を付けてな』

「…気持ち悪いな」

『なんだと? 人がせっかくおま』

 ナオは最後まで聞かず、がちゃっ、と乱暴に受話器を置いた。

「さて、」

 ゆっくりと立ち上がり、禍物ツヌイを睨みつける。

「次はあんただよ」


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