61【番外】 サブマスの内緒話
pv&ブクマ&評価、ありがとうございます!
久々の 【番外】 です。
【番外】 なのに凄く長いです・・・すいません。
【番外】 なので二話に分けるのもどうかと思いまして、そのまま載せました。
カニやんの暗躍をお楽しみいただけたらと思います。
不破がいる。
色物ギルド 【特許庁】 の不破は、主催者ノーキーさんじゃなくて蝶々夫人ことマダム・バタフライの補佐みたいな奴。
なんで主催者じゃなくてサブマスの補佐? って最初は思ったけど【特許庁】 自体が結構特殊なギルドだった。
とにかく奴ら、目立つことに命賭けてるような奴らばっかりで、見てる分には面白いけれど、絶対に俺には入れないカテゴリーばかりが集まってる。
その中で不破は比較的ましとかグレイさんは言ってるけど、あの人、お人好しだから。
基本的に悪くはいわないんだよな、他人を。
確かに話は普通に出来るけど、あの格好がな。
グレイさんの白髪も、なんで白? って思ったけどさ。
だって人間、歳取れば禿げるか白髪だろ?
なのに若いのに白を選ぶとか、どういうセンスだよ? って思ったけど、まぁあの人はあれで綺麗だからいいけど、不破の紫っていうのはどうよ?
俺の感覚で言わせてもらえば、紫色の髪ってヒョウ柄の服着た大阪のおばちゃん(昭和版)の典型なんだよ。
なんでか知らないけど白髪を紫に染めるんだよ、大阪のおばちゃんたちは。
そんでもってヒョウ柄の服が好きなんだよ。
アレもわからないセンスだけど、不破のセンスもわからん。
紫にしたすっげぇ独創的な髪型に、ちょっと上半身の露出が高い鎧。
いつも不破を見てグレイさんが恥ずかしそうに顔を赤くするのがちょっと面白いんだけど、男の俺は不破を見ても全然面白くない。
それどころかその鎧のどこに実用性があるのか、さっぱりわからん。
女剣士が使ってるビキニアーマーと一緒、アレのどこに意味があるんだよ?
ああいうのはグレイさん並みにスタイルのいい女じゃないと、逆に興ざめレベルじゃん。
これ、声に出して言ったらクロウさんに殺されるけどな。
【特許庁】 は 【鷹の目】 みたいな廃課金ギルドじゃないけど、そこそこ課金が多いから、不破のあの鎧も課金カスタマイズの可能性は十分にある。
理解は出来ないけどな
ま、好みは人それぞれ。
俺にそれを着ろって言われない限りスルーで。
グレイさんで思い出したけれど、あれだけ露出が高けりゃすね毛なんて……見えないか、ズボン穿いてる。
しかもすね当てとか膝当てとか、軽装のわりに結構ゴテゴテ付いてるな。
アレを脱がすのは面倒か。
不破の性格から考えれば脱いでって頼めば素直に脱ぎそうだけど、グレイさんに頼めるわけないもんな。
喪女だし
あの人、あんな顔持ってるくせにちっとも有効利用しようと思わないんだよな。
ちょーっとにっこり笑っておねだりすりゃ、たいがいの男はコロリと逝くだろうに。
それこそ親衛隊とか作って女王様にでもなれるところなのに、性格天然すぎて美人の無駄遣いしてやんの。
やっぱクロウさんに脱いでもらうかな。
俺は絶対ごめんだし。
でも男性プレイヤーなら誰でも知ってる設定だけど、女性プレイヤーにはない設定ってのは意外だった。
そういやクロウさんに頼まなくても、ノーキーさんは喜んで脱ぐんじゃね?
これもクロウさんに殺される案件だけど。
口が裂けても絶対に言えない話だけど。
ノーキーさんといい不破といい、あれだな。
いい例えが浮かんだわ。
ホスト系
顔がいいのは認めるし……あ、話が終わったな。
やば、こっち見た。
俺が不破を見ていたのは、そもそも見つけたのは偶然だったんだけど、そのあとも立ち止まってまでわざわざ見ていたのは、不破と話していた相手が気になったから。
あいつらと違って俺は目立たない格好だから気づかれないと思ってたんだけど、ちょっと甘かったかもしれない。
話し相手と別れた不破は、声を掛けながらこっちに向かってきた。
「やあ、カニやん」
やっぱ派手なデザインスーツとか着たら、マジホストだよな、こいつ。
しかもむっちゃ似合うって。
「どうも、不破さん」
「気になる?」
唐突に本題を斬り込んで来やがったよ、こいつ。
大胆不敵っていうかなんていうか。
とりあえず 「なにが?」 ってとぼけてみたんだけど、ずいぶん前から俺がいたことに気づいていたらしい。
やれやれ、だ。
「わかってるくせに、わかりやすくとぼけてくれるなぁ。
グレイさんを除いた 【素敵なお茶会】 の幹部はなかなか本音を見せないからさ、油断がならない」
「そりゃどうも」
これは絶対に褒め言葉じゃない。
むしろ宣戦布告?
いっとくけど俺、このあいだのイベントであんたんところの主催者に落とされてるから。
内心クソッたれって思ってるんで。
ま、ノーキーさんはグレイさんに落とされてるけど。
「今の 【暴虐の徒】 のライカでしょ?
スカウトですか?」
「大胆だよな、ギルドに所属しているプレイヤーを、所属しているって知っていて勧誘するなんて」
「しかも主催者自ら勧誘に足を運ぶとか、不破さん、VIP待遇じゃないですか?」
「うーん、それは……」
言い掛けた不破は何かに気づき、首を巡らせて周囲を見る。
俺もつい釣られちゃって見回してみれば、蝶々夫人に首根っこを掴まれて引き摺られているノーキーさんを発見してしまった。
この人、存在が頭をよぎると登場するよな。
さっきイベントで落とされた時のことを思い出したのが運の尽きだったか。
「あらカニやん、久しぶりね。
なんであんたまでいるの?」
蝶々夫人も結構不躾な人で、遠慮というものがあんまりないんだよね。
ま、この人はアレだから。
なんでグレイさん、この人がアレなの、忘れてるんだろ?
ほんと、不思議。
「いえ、通りすがりです。
【特許庁】 幹部のお集まりの邪魔をするつもりはないんで、退散しますよ」
居続けてもろくなことにならないのは自明の理。
だったらとっとと退散するまで……と思ったんだけど、不破に引き留められる。
「まだ話の途中じゃないか」
「いや、俺、そんな空気読めない奴じゃないんで」
「だって気になるだろ? ライカの話」
気になるのは気になるんだよ、確かに。
ここに、蝶々夫人はともかく、ノーキーさんさえいなけりゃ、逆に居座って続きを聞きたいところなんだけど、いるんだよな、ノーキーさん。
しかも蝶々夫人の奴、わざわざ引き摺って連れてきやがって。
なんちゅう迷惑!
「聞かせちゃっていい話なの?」
「例の、引き抜きの話です。
今、俺がライカに勧誘されているのを見られちゃったんで」
「ああ、そう。
じゃそっちの話も聞かせてもらいましょ」
あっさりとOKを出した蝶々夫人だが、やっぱただで聞かせるつもりはないようで。
抜け目がないっていうか、なんていうか。
「実は 【特許庁】 で勧誘を受けたのは俺だけじゃないんだよ」
「ひょっとして串カツさん?」
なんとなく浮かんだ名前だったんだけど、見事にビンゴ。
不破はもちろん、蝶々夫人もニヤリと笑いやがる。
「つまりイベントのランカーを集めてるってことですかね?」
「そうじゃないかと思ってる」
「だったらどうして俺に声を掛けない!」
空気を読まずに大声で割り込んでくるのはもちろんノーキーの野郎。
声がデカいんだよ、まったく。
即座に蝶々夫人にどつかれ、静かにさせられる。
こいつ、本当に学習しないよな。
いくら 【暴虐の徒】 の主催者ライカが火力のあるランカーを集めているとしても、さすがに他のギルドの主催者には声を掛けられないだろう。
ましてやノーキーさんなんて、まともに話なんて出来ないしな。
「俺、イベント四位だぜ。
今回もグレイには勝てなかったけど、ポイントじゃクロウとノギに勝てなかったけど、ラスト二人まで残ったんだぜ」
それは知ってますっていうか、あんた、その前に俺を落としたことは覚えてないのかよ?
散々俺に冷や水浴びせられたの、覚えてないのかよ?
あれだけ吹っ飛ばしてやったのに、ほんと覚えてないとか、どんな頭してるんだよ。
「カニやんのいいたいこともわかるけど、ノーキーに言っても無駄よ。
こいつは常に前しか見てないから」
日頃、不仲に見える蝶々夫人とノーキーさんだけど、実は意外に仲がいい?
あー……なんかグレイさんがそんなことを言ってたっけ?
ヒールの踵で足踏みつけながらもノーキーさんのことを庇っているような気もする。
ほんと、この二人の関係も面倒臭い。
不破は知ってたんだっけ?
いや、知ってるよな。
でなけりゃ付き合ってられないもんな。
「ノーキーさんが強いのはみんな知ってますけど、さすがに主催者は引き抜けないでしょ。
下手すりゃギルドが解散しちゃいますから」
「そうなんだよなぁ~」
ああ、そうだよ、馬鹿なこと言って話の邪魔してんじゃねーよ。
ちょっと黙ってろ、この元祖脳筋。
「ランカーの串カツさんに声を掛けて、今度は不破さん。
これは 【素敵なお茶会】 もヤバいですかね」
「あら、まだ聞いてないの?」
「でも心当たりはあるんだろう?」
「まぁ柴やんとか、ムーさんあたりはヤバそうですね」
柴やんとムーさんもランカーだからな、脳筋だけど。
自分で考えるのは苦手な二人だけど、ああ見えてグレイさんの指示に、的確に従えるだけの火力は持っている。
典型的な脳筋だ。
「なに言ってるのよ、自分はどうなの?」
「カニやんも立派なランカーだろ?」
お褒めにあずかって悪いんだけど、あんたらは根本的な勘違いをしていると思う。
それは何かといえば……
「いや、俺、魔法使いだし」
【暴虐の徒】 は剣士だけを集めたギルドだから、魔法使いの俺はお呼びじゃないんだよ。
同じ理由で、ライカはもちろん、不破さんよりも順位が高く、古くからランカーとして名の通っているクロエとセブンもお呼びじゃない。
あの二人は銃士だからな。
セブンにいたっては 【鷹の目】 の主催者でもあるし。
そう考えると 【素敵なお茶会】 で一番狙われそうなのはクロウさん。
今回のイベントでも三位だし、古くから名の通ったランカーの一人でもある。
でも、例え声が掛かったとしても退会の可能性は皆無。
グレイさんが引退でもしなけりゃ、あの人がそんなことを考えるとは思えないから。
いや、グレイさんが引退したらあの人も引退するか、たぶん。
だからあの人に関しちゃなんにも心配ないんだけど、問題は勧誘の場にグレイさんがいた場合だよな。
メンタル弱いから
ほんと、どんだけ弱いんだよって突っ込みたくなるくらい弱い。
それこそクロウさんがギルドを辞めるとか、噂を聞いただけでも泣き出しそうな気がする。
まぁ宥め役はクロウさんに任せておけばいいんだけど……そんなことを考えて頭を悩ませる俺に、ちょっと違う視点から不破が攻めてくる。
「【素敵なお茶会】 はノギさんに疎まれるくらい仲良しギルドだけど、心配したほうがいいんじゃない?」
「なにを?」
メンバーの引き抜きの心配じゃないよな?
これはなにか他にありそうな物言いだ。
「前から 【素敵なお茶会】 にはヘマをやったら退会って噂があるけど、本当にそうなんじゃないかって話が一部に流れてる」
「どこまでが以前から流れてる噂で、どこからが新しい話なのかはあたしたちにもわからないんだけど」
なんじゃ、その面倒臭い構図は?
確かに脳筋オッサンコンビのせいで 【素敵なお茶会】 にはそういう噂がある。
だが実際には退会どころか、グレイさんは少しでも自分が楽しく遊びたいがため、日々営業に勤しみメンバーを増やそうとしている。
早々切るわけねーわ。
しかもそのおかげで主催者が面食いっていう噂もあるんだけど、どっちも気軽な加入申請の牽制に役立ってるんでわざと放っておいたんだが、どうやらそれがあだになったらしい。
しかも強制退会が噂じゃなくて事実じゃないかって話は、今回のイベント前後で流れ出したらしい。
たぶん、イベントのあとだな。
理由にも心当たりがある。
もちろんこの二人にも心当たりはあった。
「一人、辞めてるわよね?
魔法使いの女の子」
「どうやらあの子のネタを使って 【シシリーの花園】 が 【素敵なお茶会】 の評判を落とそうとしているみたいだよ」
予想のまんま過ぎて思わず溜息が出る。
ココちゃんがシシリーに利用されているだけなのか、あるいはシシリーの狙いを知っていてネタを提供したのか。
またあるいはココちゃんがシシリーに提案したことなのか。
もし、ココちゃんが主導的立場でこの噂を流したとしたら、もう絶対に彼女は 【素敵なお茶会】 に戻ってくることはない。
の~りんには悪いけど、この場合は確定だな。
グレイさんの希望にも背くことになるけれど、その考えそのものを変える方向に俺は全力を注ぐ。
彼女の考えそのものが変われば、決定に背くことにはならないからな。
いずれにせよ、シシリーや 【シシリーの花園】 はずいぶんと 【素敵なお茶会】 に敵意を持っているようだ。
いや 【素敵なお茶会】 というより灰色の魔女に、かもしれないけど。
第一回に続き第二回公式イベントも通常エリアでの観戦が可能で、ココちゃんが本当になにも出来ないまま銃士に落とされたのを見た観戦者は多い。
音声は聞こえないから彼女が救援要請を出したことも、それに対して 【素敵なお茶会】 が誰一人応えなかったことも知られてはいないだろうけれど、別にこれは問題じゃない。
何度もギルド内で話し合ったように、第二回イベントは個人戦だったんだからな。
でも一部のプレイヤーのあいだでは、火力のないココちゃんの出場がギルドの強制だったんじゃないかって噂が流れている。
これを流したのが 【シシリーの花園】 じゃないかってことなんだが……。
「逆に、火力無しのくせにイベントに出て 【素敵なお茶会】 の恥を晒したっていう批判も一部ではあるんだよ。
【素敵なお茶会】 は 【特許庁】 と違って支持者が多いから」
不破の話に、脇っていうか、蝶々夫人の足下でノーキーさんが 「そんなことはねぇー!」 って叫んでるんだけど、あんたがしょっちゅうところ構わず恥晒すから 【特許庁】 の株がだだ下がりしてるんだろうが。
少しはギルドの体面ってものを考えろ、このクズマス。
「そんな話を聞いたらさすがにギルドには居づらくなっちゃったかなとは思うんだけれど……実際はどうなの?」
ココちゃんに同情している振りをして、よその内情を探ろうとする蝶々夫人も結構狡猾。
その下心満載の顔、岩で殴りてぇーわ。
「むしろグレイさんは大反対。
俺たちも反対しましたよ。
それでも無理矢理イベント参加してあの結末じゃ、さすがに居づらくなったんでしょ?
権限持ってる四人がイベントエリアにいるあいだにあの子はギルドを退会してるんで、強制退会は出来ません」
の~りんにすら同じことを疑われたんだ、外部の人間からはなおさらだよな。
でも、面倒臭いことになってるな、これは。
今更噂を放っておいたことがあだになるとは、予想外。
「グレイちゃんはそうよねぇ~。
でも、他のメンバーはどうなのかと思ったけど……」
「生憎とメンバーは主催者に従うんでね」
「どうなの、不破?
なにか考えはある?」
「あるも何も、そもそも 【シシリーの花園】 は例の噂を打ち消すのに必死ですからね。
【素敵なお茶会】 に関しても、利用されたに過ぎないってことでいいんじゃないですか?」
例の噂っていうのはスザクの件だと思う。
確かにメンバー六名が辞めてそのうち四名が引退とか、たいした醜聞だよな。
次の公式イベントはギルド対抗戦って噂があって、しかもこれが結構な有力候補。
イベントに備えてメンバーの補充を行いたい 【シシリーの花園】 にとっちゃ、醜聞は大きな痛手になっているはず。
実際、なかなか思うようにメンバーは増えていないんじゃないか?
あのシシリーって奴の交渉じゃ、増えるもんも増えなさそうな気もするけど。
「フリーならいざ知らず、ギルドに入っているプレイヤーを露骨に勧誘する 【暴虐の徒】 も結構な礼儀知らずだし、ここは別の噂を流して対抗しますか。
【暴虐の徒】 には三大ギルドが激怒してるって。
【シシリーの花園】 にはそのまんまを撒いて上げればいいんじゃないですかね?」
噂の上書きか。
不破って頭良いわ。
今、すっげぇ拍手してやりたい気分。
だが問題は一つある。
「【素敵なお茶会】 と 【特許庁】 はいいとして 【鷹の目】 が乗るか?
あそこのランカーはセブン君くらいだし、剣士や魔法使いにめぼしいプレイヤーはいないから声掛けなんてされていないだろうから」
「それは大丈夫よ、任せて」
やけに蝶々夫人が大きく出たなと思ったら……
「セブンちゃんはグレイちゃんに借りがあるから。
もう三つ四つくらい溜まってるんじゃなかったかしら?
ほら、おマメちゃんのこととか。
そろそろ一つくらい返したいだろうから、ね」
気持ちの悪いウィンクすんじゃねぇよ、この色情魔。
ついでにセブンとの交渉もやってくれると助かるんだけど?
【素敵なお茶会】 はグレイさんを動かせないから。
もちろん動かそうと思えばなんとか出来なくもないけど、そうすると嫌でもココちゃんの話も全部明かさなければならなくなる。
あの人、絶対落ち込むから。
だからこの話は、出来たらグレイさんに知られないうちに処理してしまいたい。
「そうね、グレイちゃんはこういう話は苦手よね」
「蝶々夫人さえよければ 【特許庁】 でやってもいいよ。
いつもうちのクズマス……じゃなくて主催者がグレイさんに迷惑掛けてるからさ」
たぶんグレイさんは不破のこういうところを 「ちゃんと話が出来る人」 って思ってるんだろうな。
実際わかってるし。
でも許可を出すのはノーキーさんじゃなくて蝶々夫人なんだ。
今もノーキーさんは蝶々夫人に踏まれたままなにか喚いてるんだけど、全っ然二人は相手にしないんだよ。
ひょっとしてどこのギルドも主催者ってこんなもん?
【素敵なお茶会】 もご多分に漏れず、だけど。
結局この話は 【特許庁】 にお任せってことになったんだけど、俺が漏らしたある言葉を不破は聞き逃してなくて、最後にそこを突っ込まれた。
「ところでカニやん、 剣士揃いの 【暴虐の徒】 からのお誘いはないけど、 【シシリーの花園】 からは誘われた?
さっき 【鷹の目】 にはめぼしい剣士も魔法使いもいないっていってたよね?」
侮れない奴。