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ギルドマスターは今日もギルドを運営します! ~今日のお仕事はなんですか?  作者: 藤瀬京祥


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602/808

602 ギルドマスターは怪しい場所に誘います

PV&ブクマ&評価&感想&誤字報告、ありがとうございます!!

 ステータスを振ろう!


 このクエストはSTR、INT、DEXの三種類がある。

 そしてそれぞれに導入(チュートリアル)があって、実はちょっと時間が掛かる。

 初期装備でもある斬撃武器でさえおさらいのような形で、やはり導入(チュートリアル)に似たことをさせられる。

 指示されるタスクとしては、まず 『武器屋に行き、店主に話し掛けましょう』 から始まる。

 この指示に従ってNPC武器屋に行き店主であるNPCに話し掛けると、武器の装備の仕方から使い方についての説明が始まる。

 それこそ持ち方がどうとか敵との距離がどうとか、結構細かく色々な説明がされる。

 そして試しに一体倒してみましょうと言われるけれど、これは導入(チュートリアル)タスクの一つで、討伐数には含まれない。

 ただこの時、実は武器の試し斬りをすることが出来る。


 片手剣や短剣、両手剣の他に大小様々な斧など、プレイヤーの任意で一つを選び、【ナゴヤドーム】 の外に出て実際にNPCを落としてみることが出来る。

 ちなみに大剣は、現在はこのお試しも出来なくなっているらしい。

 そして再びNPC武器屋に戻り、店主NPCと話す。

 この時 『その武器を購入しますか?』 とNPCに訊かれるので、選択肢の中から 『ほかの武器を試したい』 を選ぶことで、何体でも試し斬りを出来るし、何度でもこのやり取りを繰り返すことが出来る。

 最終的には購入するか、すでに持っている武器でいいという選択肢を選んで終了。

 もちろんなにも近接武器を持っていなければこの選択肢は出ない。

 そしてこのタスクを終了した時点で、以後も店内での試着は出来るけれど試し斬りは出来なくなる。


 次にNPC店主はステータスポイントの振り方や注意点をレクチャー。

 実際にステータスポイントを規定値まで振れば、ようやく次のタスクに進むことが出来る。

 ただここからも面倒で、まずは指定された武器……STRだと近接武器であれば種類は問わず。

 選んだ武器を装備してNPCを三体倒す。

 するとNPC長官に報告に行くよう指示が出てくる。

 次が五体。

 やはりNPC長官に報告に行って、ようやくラストの十体を倒して終了。

 当然のことながら、NPC長官に報告してクリアとなる。


 STRクエストの注意点は、必ず近接武器を用いて倒すこと。

 【ナゴヤドーム】 周辺の敵がいくら雑魚ばかりでも、素手……つまり打撃での撃破は討伐数に計上(カウント)されないので注意が必要となる。

 なによりもこの三つのクエストの難点は、一つずつしか進められないこと。

 例えばそれぞれの導入(チュートリアル)を終え、それぞれ指定されるやり方で指定数の敵を撃破。

 三つ分の報告をまとめて三体、五体、十体とNPC長官に報告するという方法は出来ない。

 これだと三回NPC長官室に行けば済むけれど、実際は、進行中のクエストが終了しなければ次の導入(チュートリアル)が始まらないという仕掛け(ギミック)がバッチリ施されている。

 それこそDEXを選択すると、やはり一番最初のタスクはNPC武器屋に行くこと。

 そしてNPC店主に話し掛けること。

 でもこれがSTRを進行しているとSTRクエスト用のタスクしか表示されず、DEXクエストを進行することが出来ないっていうね。


 ちなみにDEXクエストはSTRクエストとほぼ同じ。

 でも選ぶ武器が銃で、取扱説明がもう少し長くなる。

 銃の構え方や撃ち方、照準の合わせ方はもちろん、弾丸の種類による射程や威力の違い。

 ほかに再装填時間(クールタイム)があることなどが説明される。

 あとはほぼSTRクエストと同じタスクで、注意点はやはり、銃で撃破した数だけが計上(カウント)されるということ。

 そして近接武器ほど簡単にはクリア出来ないという違いがある。


 難しいのよっ!


 ほんっと、当たらないんだから。

 ちゃんと言われたとおりにしてるのよ?

 なのに全然当たらないの。

 わたしがこのクエストをした時はまだセブン君が 【素敵なお茶会(ギルド)】 にいて、それはそれは丁寧に教えて貰った。

 でも全然当たらなくて、I(インスタンス)D(ダンジョン)を一周するくらい時間が掛かったと思う。

 この難しさを美沙さんに話していると……


『グレイさん、そんなもんじゃクリア出来なかったでしょ?

 まさか忘れたとはいわせないよ』


 ………………


 そ、そうね、そうだったかも。

 えっと……二日? ……三日だったかしら?

 まぁそのぐらい掛かったような気がする。

 クロエも 【素敵なお茶会(ギルド)】 結成時のメンバーだから当然当時を知っていて、セブン君と一緒に教えてくれたというより、散々罵られました。

 ええ、そのことはよく覚えています。

 散々下手くそ呼ばわりしてくれたわよ。


『呼ばわりじゃなくて、実際下手くそじゃない』


 いや、まぁそうなんだけど……けど……うぅぅぅ……。

 ちなみに午後から美沙さんのDEXクエストに付き合ってあげてとお願いしたら、ものの見事に断られました。


『え? どうして僕なの?』


 うん、まぁそこはクロエだからね。

 金髪の美少年は我が儘だから。

 美沙さんもそのことはトール君に聞いて知っていたのか、あるいは一ヶ月も経たずにそのことに自力で気づいたのか。


「大丈夫、やり方がわかればなんとかなると思います」


 クロエに振ったことを後悔するわたしを、フォローしてくれるというか、慰めてくれるというか。

 でもDEXクエストはSTRクエストほど簡単ではない……というか無茶苦茶難しい。

 さすがにクリアに三日も四日もかかるのは珍しいと思うけど、最後の十体目を倒すまで数時間かかることも珍しくはないといわれるほど。

 範囲攻撃がない上にレベル上げも難しく、さらに的に当てるのが難しいとくれば銃士(ガンナー)人口が少ないのも当然の結果といわざるを得ない。

 そのぐらい難しいから、せめてアドバイスだけでも……と思っていたら、意外な二人から申し出があった。


『クロエほど上手くは教えられませんけど、俺でよければ』


 くるくるが先に口を開くと、ぽぽが 『サンプルくらいにはなれると思う』 と続く。

 え? いいのっ?


『ひょっとしてそれ、僕に訊いてる?』


 うん、訊いてる。


『だから、どうして僕に訊くの?

 二人がなにをして遊ぶかなんて自由なんだから、いちいち僕にお伺いしないで』


 いつものクロエといえばいつものクロエだけど、ちょっとだけ……本当にちょーっとだけくるくるとぽぽの二人を突き放しているように感じてしまい、心配になる。

 でも訊くなと言われて訊けなくて、悩んでいたら、代わりに美沙さんが二人に答えてくれる。


「じゃあお願いしまーす!」

『うん、お願いされました』

『あ、えっと、どうしたらいい?』

『とりあえず先にINTを済ませるって言ってるから、そっちが終わったらもう一回呼んでもらえばいいんじゃないかな?』

『あ、そうだね。

 じゃあ美沙さん、あとでまたね』

「わっかりましたー!」


 しまった……


 クロエの怪しい挙動に振り回され、折角手伝いを申し出てくれた二人に返事をし忘れるなんて。

 その、ごめんね、くるくる、ぽぽ。


『グレイさんが謝る理由がわからないんですが?』

『どうかしたの?』


 そうじゃなくて……


『僕に忖度して二人のことをうっかり忘れちゃったんでしょ』

『クロエも、わかってるならそんな言い方しなくてもいいのに』

『でもクロエだし……』

『問題があるのは僕じゃなくてグレイさん』


 ひょっとして……三人でいる時はこんな感じなのかしら?

 だいたい三人で樹海に行く時なんかはパーティチャットに切り替えているらしく、全く様子がわからない。

 普段の何気ない会話なんて気に留めていなかったから気づかなかっただけかもしれないけど、意外なくらい穏やかというか、対等というか。

 今回の二人の申し出も、特にクロエに事前伺いをしたわけでもなく。

 特にくるくるは、トール君の時にもお願いしていたからね。

 たぶん今回も……と思っていたらしい。

 そのことがあってぽぽも、次は自分が付き合おうと考えていたらしい。

 性格的にくるくるに先を越されたけれど。


「じゃあ午後から二人でお願いね」

『わかりました』

『頑張ります』


 ほかに来る人がいれば……と思ったけれど、さすがに今さらこのレベルのクエストを残しているメンバーはもういなかった。

 とりあえず時間も押しているし、次はINTに行きましょうか。

 わたしに促された美沙さんの足は、自然とNPC武器屋に向かおうとする。

 それを、わたしが声を掛けるより早く、恭平さんが指さしで美沙さんに知らせる。


「え? そっち? また武器屋に行くんじゃないんですか?」

「武器屋はSTRとDEXだけ」


 そう恭平さんが苦笑いを浮かべながら話すと、あとを現役魔法使いのカニやんが受ける。


「武器屋でどうやって魔法スキルを開眼すんねん?」

「んー……杖を授けてもらうとか?」

「なんかそういう物語(はなし)があったような気がする。

 でも残念。

 杖は武器屋じゃ売ってません」

『マジっすかー!』


 ここでJBが割り込んでくる理由がわかりません。

 まさかと思うけど、今の今まで知らなかったとか?


『知らなかったっす。

 ってかどこで売ってるんすか?』

「どこって、だから魔術師の(やかた)


 カニやんとJBがインカムを通じて会話を交わす脇で、恭平さんが美沙さんに 「正しくは占いの館だから」 と、訂正という名の補足をする。


『あそこって、魔法の開眼しか用がないと思ってたんすけど?』

「ファイアーボール以外の初期スキル取得もあそこだし。

 固有スキルもあるって聞いたことがあるけど、俺はあそこでもらったことはないかな。

 なんのスキルだろ?」

『知らなかった』


 まぁJBは剣士(アタッカー)だからね。

 たぶんこのクエストを終わらせたあと、あの胡散臭い館に足を運ぶことはなかったに違いない。

 ほかにも早い段階で剣士(アタッカー)を選んだプレイヤーは、このクエストのために数回足を運んだだけで、以後、【ナゴヤドーム】 内にそんな場所があったことも覚えていないかもしれない。

 わたしたち魔法使いでも、そんなにしょっちゅう足を運ぶ場所でもないし。


 でも好きな人はよく通っているらしい。

 魔術師の館は通称で、正しくは占いの館。

 占いコンテンツとのコラボで、星座占いとかタロット占い、四柱推命占いとかがあって、一部無料。

 基本は課金で占ってもらえる。

 ほら、女の人って好きじゃない。

 期間限定で人気占い師の出張コラボもあって……そうね、女の人に人気の場所かもしれない。

 ガッツリ女の子というか、そういうことに興味があるJKもガッツリ食いついてきた。


「なんですか、それ?」


 なにと言われても、占いは占い。

 ほかに説明のしようがないから、とりあえず行ってみましょう。

 ほら、百聞は一見にしかずっていうじゃない。

 あれこれ口で言うより実際に見てもらったほうが早いわ。

 占いの館があるのは 【ナゴヤドーム】 の地下。

 地下闘技場のように場末感が漂う場所に、ひっそりとその館は建っていた。

そろそろ恋にバナナの花が枯れてきそう・・・(汗

い、いや、次こそ!

次こそ書きます!!

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