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ギルドマスターは今日もギルドを運営します! ~今日のお仕事はなんですか?  作者: 藤瀬京祥


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300/808

300 ギルドマスターはカボチャと交渉します

pv&ブクマ&評価&感想&誤字報告、ありがとうございます!!


祝300話です!

 さすがに人数が少なく、それなりに所属期間の長いメンバー揃いのカニやん班。

 恭平さんの班よりも先に現着……っていうんだっけ?


 現場到着


「えっと、この人たちって……誰だっけ?」


 カニやんにしては珍しいボケね。

 さっきも話したじゃない、ギルド 【グリーン・ガーデン】 よ。

 聞いてなかったの?


「【グリーン・ガーデン(アンのところ)】 だな。

 ってかあいつら、相変わらずパ○ツ全開だな」


 てっきり鼻の下を伸ばしに伸ばしまくってるんじゃないかと思った柴さんだけど、腕組みをしてアンジェリカさんとフレデリカさんのパンツを見ている。

 そのつまらなそうな顔ったら……珍しい。

 なんだか興味なさそうなんだけど、どこか体の具合でも悪いの?


「だからさっき言っただろ?

 この二人のパ○ツは微妙すぎる。

 女王のケツやパ○ツならともかく……」


 見せません!


 絶対に見せないわよ、なに言ってるの?

 なにが楽しくて人にお尻やパンツを見せなきゃならないのよっ?


「じゃあ代わりに俺のケツでも見るか?」


 そう言って装備の解除に掛かるのは止めて頂戴。

 見たいなんて言ってないし、見たくもないし!

 だいたいお尻なら、そのまま後ろを向けばいいだけでしょ!

 装備を解除してどうするつもりよっ?


「はいはい、落ち着いて」


 仲裁に入るのはいいんだけれど、ここでカニやんが言う 「どうどう」 ってあれよね?

 馬をなだめる時に言うセリフ。


 わたしは馬かーっ!!


「間に合った」


 ここで恭平さん班が到着。

 全然余裕で間に合ってるから、とりあえず全員、呼吸を整えましょうか。

 一番の大所帯だけあって、一人欠けることなく引率するのは大変だったと思う。

 しかも無傷…とは言えないか。

 現場に到着早々、ゆりこさんが回復を始めた。


「えーっグレイちゃんがいるー!」

「うっそ!

 きゃー、今日も可愛いー!」

「もう、いるならいるって言ってよ!」

「やだあたしったら、またパ○ツ全開にしちゃった」

「染みつきパ○ツなんて見せるんじゃないわよ、あんたったら」

「それはあんたのパ○ツでしょ!」


 今回のイベント参加メンバーのみとはいえ、ギルド一つが集まれば、いくら戦闘に集中していても気づくわよね。

 そして始まった……というかこの二人、タフよね。

 これだけ喋りながら戦闘を続けても、まだ息一つ切らせてないんだもの。

 とりあえずパ○ツネタはそろそろやめてくれない?

 聞いているわたしが恥ずかしくなるのよ!


「あのなアン、デリカ、パンツは見せりゃいいってもんじゃねぇ」

「そう、見えそうで見えないところに意味がある。

 あと無駄なほどの出し惜しみな」


 …………不意に二人が静かになったと思ったら、脳筋コンビが始めるわけのわからない説教に耳を貸したから……って、これなに?

 しかも出し惜しみってなによっ?

 あくまでもわたしにパ○ツを出せって言うのっ?!


「出さなくていいし」

「見せるの間違いでしょ?

 脱ぎたきゃ勝手に脱げばいいけど」


 呆れるカニやんはともかく、クロエの言い方だと、まるでわたしが脱ぎたがってるみたいで嫌。


「大差ないでしょ」


 大いにある。

 まったく違うから。


「とりあえずあれ、【グリーン・ガーデン(むこう)】 のギルマスだろ?

 横殴り交渉したら?」


 メンバーの回復を終える頃を見計らい切り出す恭平さん。

 その恭平さんを見てフレデリカさんが声を上げる。


「こいつ、シシリーの腰巾着!」


 その声の大きさに反して恭平さんは冷静で、「元ね」 とひっそり訂正を入れておく。

 少しうんざりした様子から察するに、わたしたちの知らないところでも色々と言われているのかもしれない。

 しまった。

 キンキーのことは気に掛けていたけれど、恭平さんやアキヒトさんのことはすっかり忘れていた。

 もちろん二人ともわたしより歳上……なのかしら?

 ちょっと上っぽい気もするし、あまり色々言うのもちょっとね。

 気には掛けつつ、二人から相談があるまでなにも言わないほうがいいのかな。


 難しい


 ちなみにアンジェリカさんたちとシシリーさんの関係というか因縁は、例のタイムトライアル。

 当時剣士(アタッカー)だったシシリーさんの記録を抜いて因縁を付けられた剣士(アタッカー)の一人がフレデリカさんで、ナゴヤジョーの出発ロビーでずいぶんと派手に揉めたらしい。

 それはまた古い怨念ですこと。


「女の執念は根深いのよ」


 それを言うのはアンジェリカさんだけれど、アンジェリカさんは攻撃型魔法使い(ソーサラー)だから今のシシリーさんと因縁があるような気がする。

 だとしたら 【シシリーの花園】 の副主催者をしていた恭平さんとも、ちょっと確執みたいなものもあるわよね。

 ひょっとしてその頃にも面識があったとか?

 ちょっと恭平さん?


「実はある」

「あるもあるわよ、この根暗野郎!」


 申し訳なさそうな恭平さんを蹴り倒す勢いのアンジェリカさん。

 その後ろから魔女が来るじゃない、ちょっと!

 とりあえず攻撃目標(タゲ)をわたしに変えるわ。

 効かないのを承知で魔女に魔法攻撃を仕掛けようとしたら、アンジェリカさんを避け、後ろからくる魔女に斬り掛かろうとする恭平さ……あ、待って待って恭平さんは駄目だ!


 遅かったか


 気がつくのが一瞬遅れたため、アンジェリカさんを狙って放たれたと思われる魔法攻撃を食らう恭平さん。

 アンジェリカさんを庇ったと言えば聞こえもいいけれど、悪いのはそのあと。

 だって恭平さんは攻撃魔法を反射する常時発動(パッシブ)スキル 【震える鏡】 を持っているじゃない。

 うん、ここまでは問題なし。

 だから恭平さん自身は魔法攻撃を受けても被ダメは(ゼロ)だけれど、PKが出来ない一般エリアにあって唯一PKが出来てしまう不具合、それが魔法反射。

 もちろんわたしに向けて反射してくれれば 【愚者の籠】 でバッチリ吸収してあげたんだけれど、そもそも恭平さん自身が 【震える鏡】 の所持を忘れがち。

 たぶんこれが一番の問題ね。

 だから気づかなくて……例え気づいていたとしても、後ろにいるわたしに向けて反射するっていうのはかなり難しいか。


 難題


 もちろん魔女に向けて反射しても全然問題なくて……魔法攻撃無効だからね。

 それが反射であったとしても、無効は無効なの。

 だから全然問題なし! ……なんだけれど、よりによってアンジェリカさんのカバーに入ろうとしていたフレデリカさんに当ててしまうとか。


 ナイスコントロール!


 ……じゃなくて、これは当てようとして当てたのかしら?

 ちょっとかつての陰キャな恭平さんを思い出して疑っちゃった。

 でも違うと思う。

 反射した瞬間、恭平さんの顔が 「しまった!」 となって、フレデリカさんに直撃した直後、両手を合わせて謝っていた。

 気持ちはわかるけれど、それはあとにしてくれない?

 しかもそこに突っ立っていられるととっても邪魔なの。


「ヒール」


 恭平さんの反射した魔法攻撃を食らったフレデリカさんに、キンキー会心の回復が掛かる。

 【グリーン・ガーデン】 の魔型はアンジェリカさん一人で、しかも攻撃型魔法使い(ソーサラー)で、ギルドには回復を(にな)うメンバーはいない。

 それなのに回復魔法が飛んできたから一瞬びっくりしたみたいだったけれど、その正体を知って花が咲き誇るような笑みに変わる。


「やだ、可愛い回復型魔法使い(ヒーラー)じゃない!」


 フレデリカさんの機嫌が直ったのは良かったけれど、キンキーはあげないわよ。

 【素敵なお茶会(うち)】 の可愛い秘蔵っ子なんだから。


恭平(こいつ)のお詫びにこの子を頂戴」

「え? グレイさん?」


 大丈夫よ、キンキー。

 そんな怯えた表情をしなくてもとって食われたりしないし、キンキーの意思を無視してギルドを移籍なんてさせないから。


「俺が一週間くらい、【グリーン・ガーデン(むこう)】 で奉公する?」


 それも不可です。

 そんな理由でメンバーの貸し借りなんてしません。

 とりあえずその話は置いといて……恭平さんの反射のお詫びも含めてあとで話し合いましょう。

 今は魔女攻略優先にして、やっと話を最初に戻せる。


「先に発見した 【グリーン・ガーデン】 に優先権があるけれど……」

「横殴り?

 OK、OK」


 わたしが最後までいうのを待たず、軽い調子で了承してくるアンジェリカさん。

 でもそれも仕方のない話。

 【グリーン・ガーデン】 のメンバーは半数以上が落とされ、まだ周囲で死亡状態のまま待機しているメンバーもいるけれど、中には埒が明かないと思ってナゴヤドームに死に戻ったメンバーもいる。

 そのメンバーがここまで戻ってくるのにも時間が掛かるし、おそらくこの調子ではそのあいだに残りのメンバーも落とされる。

 死に戻りのメンバーが戻るまでのあいだに、現場に生存メンバーがいなくなれば優先権もなくなることを思えば、下手に意地を張っても意味がない……まぁそんなところかな。

 でもあっさりと聞き分けてくれたのは助かる。

 了承前だとわたしたちも本格的に攻撃できなくて、でも魔女はこの場にいるプレイヤーを無差別に攻撃してくる。

 承諾を得るのに時間が掛かれば掛かるほど、無駄に消耗していく。


「とりあえず俺は下がる」


 そうね、恭平さんは魔女の攻撃をことごとく反射しちゃうもの。

 これ以上の被害を出すわけにもいかない。

 後退する恭平さんには数人の剣士(アタッカー)を率いて、周囲にたむろするお化け退治をお願いするわ。

 隙あらば巨大カボチャが飛んできて視界を遮り、わたしたちを頭からバックリしようとする。

 失敗してそのままフワフワ飛んでいったかと思ったら、その背後からカラスが襲ってくるという連係プレイ。

 愉快な動きをする骸骨も殴りに来るし、白いお化けも容赦なくHPを吸収しに来る。

 しかもプレイヤーが一カ所に集まると、お化けたちも集まってくる習性があるらしい。

 【グリーン・ガーデン(アンジェリカさんたち)】 はその習性に混乱させられたっぽい。

 だったら分けて対処しましょう。


「魔法は効かないから、わたしとフレデリカもお化け退治するわ」

「ナンバー1ギルド 【素敵なお茶会】 のお手並み拝見」


 さりげなく圧を掛けられた。

 もちろん圧を掛けられようと掛けられまいと関係ない。

 【horror(このイ) night(ベント)】 は魔女メディアを倒すのが目的。

 ヴラドなんて何体倒しても意味がないのよ。

 でも問題が……と思ったら、いきなり銃声が轟く。

 もちろん撃ったのはクロエ。

 狙ったのは……魔女の眉間?

 うん、間違いなく眉間よね。

 黒々とした穴が開いて、煙の代わりにHPが流出してる。

 凄くわずかだけれど、間違いなくダメージが出ている。


 でもなんで眉間なの?

前書きからの続き→ ……なのにパ○ツネタとか、全然喜ばしくない(涙

しかも主人公かっ飛ばして、クロエが美味しいところをかっ攫う準備万端とか・・・。


グレイの活躍に期待して、どうぞ、今後ともよろしくお付き合いくださいませ。

                      2020/11/09 藤瀬京祥

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