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チートスキルで世界樹ガチャを引きまくれ!  作者: 山田マイク
第4章 『幻想大図書館の世界樹』編
61/137

60 早朝の出来事


 ◆


 次の日。

 俺は目を覚ました。


 体が少し痛い。

 やはり固いところで寝ると、眠りが浅いのかもしれない。


 窓の外はまだ暗い。

 壁掛け時計に目をやると、まだ早朝の5時前だ。


 ずいぶん早起きしてしまった。

 もうひと眠りしようと、俺は寝返りを打った。


「ん?」

 と、その時――。

 俺のすぐ横に、誰か寝ころんでいるのが分かった。


 俺は驚いて、目を丸くし、体を強張らせた。

 危うく声が出てしまいそうだった。

 布団の中に――誰かいる。


 俺はまず、昨夜の言葉から、すわコトトか!? と俺は思った。

 俺に気を使って、俺と同じ場所で寝たのかと頭をよぎった。


 だがそれは――アリスだった。


 どうしてアリスが?

 一瞬、頭が真っ白になる。


 アリスが、目の前ですーすーと寝息を立てている。

 その事実で、俺は体が固まった。


 アリスの寝顔は思わず見とれてしまいそうになるほど、とてもかわいらしかった。

 本当に整った顔をしている。

 

 薄くて形の良い唇。

 かわいらしい鼻。

 こぼれそうなほど大きな両目。

 あ、思ったよりまつげが長い。


「ん――」

 アリスはむにゃむにゃと口元を動かし、そして寝ぼけているのか――


 俺に抱き着いてきた。

 今度こそ、いよいよ体が硬直する。

 腕に――微かなふくらみの感触があった。


「ま、まずいって、アリスちゃん」

 俺は小声で言う。


 だが、アリスはさらにきつく俺に抱き着いて離さない。

 足までがっちりとホールドしている。


 免疫のない俺は、身動きが取れなくなった。

 こんな風に女の子に抱き締められたことなど1度もない。


「キューン!」


 と、その時。

 俺の横にあるバスケットの上で、ポチが鳴いた。

 その声で――コトトがむくりと体を起こす。


「うん……あれ? アリスは?」

 コトトはすぐに横に寝ているはずのアリスがいないことに気付く。

 そうしてきょろきょろとあたりを見回し――


 俺と目が合った。

 パジャマ姿のアリスと抱き合っている、俺と。


「なに……やってるのかな?」

 コトトは口元をひくひくさせた。


「い、いや、俺にもわからないんだけど――」

 俺は弁明した。


 だが――コトトの耳には届いていないようだった。


「くぉの」

 コトトはゆらり、と体を揺らした。

「ロリコンやろおおおおおお!」

 そういいながら、俺にドロップキックをお見舞いした。



「す、すす、すいませんでしたっ」


 翌朝。

 アリスはぶんと頭を下げた。


「わ、私、寝ぼけちゃって、とんでもないことをっ」

 顔中に汗をかいていて、こちらが申し訳なくなるくらい恐縮している。

「私、いつも床で寝ていたから、トイレから帰ったときに、いつもの癖で床に――」


「いいのよ」

 コトトは微笑んだ。

「アリスちゃんは悪くないんだから。悪いのはユウスケ」


「おい」

 と、俺は言った。

「どうして俺が悪いんだよ」

 体のあちこちが痛い。

 あのあと、俺はコトトにぽかぽかと叩かれた。


「なによ」

 コトトはじろりと俺を見た。

「じゃああんた、アリスちゃんが悪いっていうの?」

「い、いや、そういうわけじゃないけどさ」

「じゃあ、悪いのはやっぱりあんたじゃない」


 こうなったらもう黙ったほうがいい。

 俺ははあ、と息を吐いた。


「あんたさあ」

 と、マキが俺の耳にささやく。

「絶対、尻に敷かれるタイプだよね」


 俺は背を丸めて、うん、と頷いた。

 自分でも、そう思う。



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