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チートスキルで世界樹ガチャを引きまくれ!  作者: 山田マイク
第2章 『ガビビ族の世界樹』編
31/137

30 ガビビ族の世界樹


  ◆


 3日後。

 早朝。


 俺たちは、ガビビ族の護る世界樹の前へとやってきた。

 苔むした木々。

 伸び放題の蔦。

 そんなうっそうとした森の中にある、ひときわ大きな木。

 

 モンビーレがいなくなり、動物たちも戻ってきている。

 枝の上では赤い鳥が鳴き、樹幹の鹿が腰を下ろして休んでいた。

 天祐世界樹は、そんな彼らを見守るように鎮座している。


「わ……あ」

 

 俺は思わず声を漏らした。


 なんて大きいんだ。

 ダーダリアン国の世界樹よりもさらに一回りも大きい。


 その威容は――やはり、身震いするほどの迫力があった。

 

 村人の話では、この世界樹は一度に3つしか出さないと言う。

 その代わり、ひと月に一度ほどの頻度で魔石が出てくるとのことだ。


「さあ、SSの魔石を頼むわよ。苦労したんだから」

 と、マキが言った。


「いや、そんな期待されても困るよ」

 俺は首を振った。


「駄目。絶対SS。黒い魔石やつ。それ以外は許さないから」

 マキは腰に手を当て、俺をねめつけた。


 どうやら、ここでの生活に相当ストレスがあったようだ。


「無茶言っちゃいけないってば」

 と、コトトが言った。

「世界樹によっては、絶対にSSがでないものもあるからさ」


「そうなの?」

 マキが不満そうに言う。


「うん」

 コトトが頷いた。

「ユウスケの能力は多分、一発で一番いい奴を引けるから、もしもそれでSSが出なかったら――もう諦めていいと思う」


「……なによそれー」

 マキは下唇を出して不満顔を作る。

「こんだけ頑張って、SS無し?」


「仕方ないだろう。駄々をこねるな」

 アビゲイルが諫める。


「さ、それではどうぞ」

 村長に促され、俺は『チート=スキル』を発動させてから、世界樹の穴に手を突っ込んだ。


 前やった時と同じように――手がじんわりと暖かくなって来た。

 

 やがて、手に魔石の感触が現れる。


 さあ――どうだ。

 俺は恐る恐る手を引いた。


 出てきたのは――青色の魔石だった。

 この色のレア度は「S」である。


「あっ!!」

 マキが口をとがらせた。

「何やってんのよ! ハズレじゃん!」


「ハズレじゃないってば!」

 コトトがすかさず大声を出す。

「Sの魔石だって、超貴重品なんだから! ああっ、すごい! うっとりしちゃう! 早く鑑定したい! 見せて見せて!」


 俺はほい、と言って、コトトに魔石を渡した。

 彼女はすぐにル-ぺを使って鑑定を始めた。


「そんなこと言ったってさ、私たちの目当てはSSなんだから」

 マキが不満そうに言う。

 

「諦めろ」

 アビゲイルがぴしゃりという。

「というより、この能力は凄まじいぞ。やはりこの旅には、ユウスケは絶対にかかせん存在だな」


「そんなすごい奴には見えないけどね」

 マキははあ、と息を吐いた。

「でも、どうやら、長い旅になりそうねー」


「どうだ? コトト」

 アビゲイルが問うた。


 んー、とコトトは生返事をし、しばらくして「はい」と頷いた。

「これ、特殊系の魔法ですね」


「特殊系?」

 アビゲイルが眉を寄せた。


「レア度Sの特殊系魔石か。そいつはまた珍しいな」

「ええ――おそらく、これは『透明バニシュ』だと思います」


「バニシュ?」

 アビゲイルは少し声を大きくした。

「それはどのような効力を持っているのだ?」


「身につけて発動させるだけで、透明になれるんです」

「透明に?」

「はい。気配も消えます」


 ほお、とアビゲイルは顎に手を当てた。

「そのような不思議な魔石があるのだな」


「めちゃくちゃ……レアなものです」

 コトトは興奮気味に、んふー、と鼻から息を出した。

「も、ものすごい一品です! わざわざここまでやって来た甲斐がありましたね!」


「はえー」

 と、マキ。

「そいつはいいもん引いたわね」

 やるじゃん、とマキは俺の背中をたたいた。


「サンキュー」

 俺は苦笑した。


 ったく、すぐに掌を返しやがって。

 まあ、悪い気はしないけど。


「私が保管する」

 そういって、アビゲイルはマキから魔石を受け取った。

「では、ガビビの民に礼を言ってから、山を下りるか」


「はい」

「了解です」

「はー……やっとオサラバできる」


 口々に言いながら、俺たちは歩き出した。



 ◆


 ガビビ族の世界樹で入手した魔石


 レア度 S 特殊系魔石 『透明バニシュ



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