表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チートスキルで世界樹ガチャを引きまくれ!  作者: 山田マイク
第2章 『ガビビ族の世界樹』編
21/137

20 森の中の聖域 2


 ◆


「……今、そこからなんかの泣き声したわね」

 と、マキがこちらを見ながら言った。


「うん。した」

 と、コトト。


「ポチの声のようだったが」

アビゲイル。


「ポチ? まさか」

 と、コトトがちょっと笑う。

「あの魔獣は、ユウスケにべったりなんだから、一匹でそんなとこいいるわけがないですよ」


「……なるほどね」

 マキが言う。


「どうしたの?」

 コトトが聞く。


「ペットがいるところには、飼い主ありってこと」

 マキが言い、温泉からざばりと上がった。

 

 ま、まずい。

 俺は慌てた。

 今すぐ逃げないと――。


 だが――近くに隠れる場所はない。

 今さら茂みに戻るわけにもいかないし――。


(すまん、ポチ! おとりになってくれ!)

 俺はとっさに、ポチをマキのほうへと投げだした。


 ポチはふよふよと浮遊してマキの方へと向かった。


「あら」

 マキがそう言って、ポチを見上げた。


ポチはキューン、と可愛らしい鳴き声をあげながら、空中でホバリングした。

小さな羽でも、浮くことが出来るらしい。


「あら、あんた、一人なの?」

ポチを抱っこしながら、マキが言う。

「あのドスケベそうな男は一緒じゃないの?」


 誰がドスケベだ。


 しかし、うまく気を引けたな。

 俺はその隙に逃げ出した。


 ◆


「ほんっとに、見てないのね?」

 帰って来たマキが、俺に向かって言った。


「見てないよ」

 俺はしらばっくれた。


「でも、ポチは温泉の近くにいたんだけど」 

「知らないって。つか、俺もポチを探してたんだから」


「……あくまでしらをきるのね」

 マキははあ、と息を吐いた。


 苦しい言い訳だが、物的証拠は何もない。

 状況証拠だけならなんとか言い逃れられるはずだ。


マキは不満げな顔をしながら、ポチを擦った。

するとーー。


(すまん、ポチ! おとりになってくれ!)


 いきなり、俺の声がした。

 

「あれ?」

 マキが首を捻った。

「今、この子から、ユウスケの声がしたような――」


 マキはもう一度、胸に抱いているポチを色々と撫でまわした。

 すると――右耳の後ろを触った時、


(すまん、ポチ! おとりになってくれ!)

 また、俺の声がした。


「……どうやら、録音機能があるようだな」

 マキの背後から、アビゲイルが顔出して言った。


「ろ、録音機能!? なにその近代的な機能! この世界観にあってないっしょ!」

 俺は思わず、大声を出した。


「メタなこと言ってる場合じゃないでしょ」

 マキが満面の笑みで俺に迫る。

「ねえ、知ってる? 軍では、上官へのセクハラは極刑なのよ」


「い、いや、それは知りませんけど――」


 俺は逃げようと踵を返した。

 すると――。


 目の前に、アビゲイル大佐がいた。

 手には、剣を持っている。

「どうやら、仕置きが必要のようだな」

 

 ダーダリアンの国王様。

 すいません。

 どうやら、俺の旅はここで終わりそうです。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ