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第9話:リベンジ、麻里華&トールの乱舞再び

『とりあえず、休憩して下さい!!』


六花は動こうとする私を制する

追加戦力があったといえ

連戦対処が難しい状態

一応、隊長である私が指揮をしないとな


『優秀な武人でもあるオペレーターを信じましょ~♪』


まったり倒れる順子

私と同等なくらいに疲労しているだろう

笑顔ではあるが、立ち上がれる余力も微妙みたいだな


『愛理と再会できたし、またトールさんと出ますよ!!』


『そうですわね・・・わたくしも出ますわ~ふふっ♪』


この二人に関しては

戦いの際に消費する宝石からのソウルが極端に少ないようで

比較的時間も短かった事もあって

相当量をまだ温存している感じだ


『悪いが頼めるか・・・ラビリアが完全復帰すれば、もう少し調整してくれるように頼むから』


あまり隠しても意味ないと思い

22部隊のメンバーには、ラビリアの正体を話してある

まあ、本人が知ったら泣くかもしれないが(一応、ラビリアには内緒な形で)


円滑な絆を築くのに、無駄な不信は不要だろう

ラビリアを説得する必要はあるが


彼女の本当の事に関しては

私とレッドと3名だけの秘密にしてある

これだけは、まだ他に漏洩させるわけにはいかず

流れで自然と把握されてしまうから

それまでは、ある程度の情報開示だと

無理な詮索もしてこなかったし

察してくれるだけの親密な部隊だからな・・・


『ここで、私がワガママを通しても無意味なんだろう・・・順子達と少し歓談してるわ』


『そうしてて下さい、自分もその方が安心できますから』


安堵したように私の顔をジッと見つめる六花

この手の場合には、恥ずかしさとかを発動させないのだな

普段、私が見つめるとすぐに背くのに~

なんて思っても仕方ないか


『実際、必要な話も多々ありますから・・・』


『だろうな、愛理も疲れているだろうからトールのアクアドームを定着してもらったから・・・その部屋に移動して休息しながらの会談としようじゃないか』


パッシブに近いスキルをトールにお願いして部屋へ使ってもらった

様々な用途のある水属性の補助スキルであるアクアドームだが

防御から回復まで、その使用者のレベルで自在に変化する

最上位まで上がっているトールが使用した場合は

全てが適用されるらしい

一番の利点は他属性でも悪影響しないことだな


『トールちゃん、ありがとう・・・お礼はエリアさんみたいな感じでいいのかな??』


『代理でしたよね・・・それでしたら、その通りでお願いしますわ』


何だが不思議な会話だな

順子とトールは、過去にレッドを巡り壮絶な殺し合いまでしているし

牽制はしているが、ここまで近しい関係は

かなり怖い気がする


『トール・・・無理しなくてもいいんだぞ、順子に対して遺恨相当残っているだろう??』


『そうですわね、今でも衝動を抑えるので精一杯ですから・・・でも、不思議とエリア姉様の代理だと思うと・・・別の感情がありますの、ふふふ♥』


やはりエリアを天球に送った影響が出始めているみたいだ

上手く転がってくれればいいな


『麻里華・・・私のデバイス貸してくれますか??』


『・・・ラビリアさんが調整したいからと、預けています』


そうだったな、ラビリアが麻里華を調べるのに情報を引き出そうとしていたから

まあ、世界を救った功労者だし・・・これくらいはサービスしてもいいだろう


『今、ラビリアは動けないから・・・代わりに私が返そう』


『・・・いいのですか、勝手にしても??』


『世界の恩人に対して、悪くは思わないだろう・・・それに私の判断で命令扱いすればいいし』


『わかりました、麻里華にはこれを着けて戦って欲しいから・・・』


部隊用でラビリアのデバイスを装備していた麻里華だったが

微調整して愛理が元のデバイスを手渡す


『リンクはしていますから、部隊チャットでもネットワークでも使用可能だと思います』


『青いフレームは知的に見えて素敵だな・・・』


愛理と順子と麻里華の眼鏡を見て、ふと思って呟いていたが

特に眼鏡に関しては、それほどに興味があるわけではない

一応、アパレルブランドをプロデュースしているから

ファッション系で言えば、アイテムとして重要な位置にはある

眼鏡は顔の印象というか

その人自体の印象となる場合が多いから

比較的難しいセレクトを求められる


今度、ラビリアと共同で眼鏡も作ってみようかな

レッドも喜んでくれるかもしれないし


『愛理ありがとう、頑張ってくるよ!!』


軽い抱擁をしている

ここまでされて、順子はどのように思っているのだろうか

預かったみたいな発言をしていたが

ほぼ、生き別れみたいな状態だったようだし

愛理に対して、相当の特別な感情を抱いているのは確かだし

・・・彩を呼べば、急展開かもしれない


なんだろう、私もサディスティックば部分があるのだな

どちらかといえば、逆な気がしていたが

まあ、そんなことはどうでもいい


麻里華とトールが出撃のために部屋を出て行った


アクアドームよりも強力な急速な治癒のスキルを

帰還した際にレッドとラビリアの眠るカプセルに施してもらい

トールは補助専門だっただけに

急に戦闘要員にされて・・・不満はないのだろうかと

少し不安もあるが、それは時間が・・・


ああ、私で時間を作ればいいのか

そうだな・・・この戦闘の帰還でトールと対峙してしっかりと話を聞こう


『戦闘は六花に頼んであるから、緊急事態以外はスルーで構わないぞ』


『流石に、招集されても無駄足な可能性もあるわよ・・・あたし達』


そうだろうな

いくら女神でも、急激なソウル消費をしてしまうと

回復までの時間がかかる

この時間に関しては、概念的な要素ではないから

停止等の作用では回復されない


『まずは、この会談の出席者を揃えないといけないな・・・少し待ってろ』


退室した麻里華とトール以外

私と順子と愛理が今、部屋に居るが

彩はまだ呼べない理由があって、もう少し後の話となる

でも、今後の展開の話をする際に私よりも使える叡智が必要となってくる

本来は、参謀的なラビリアが好ましいが

レッドと共に眠りにあるから


『3名以外に誰を呼ぶのですか??』


『愛理は知っている存在だと思うが・・・な、麻里子』


天球へ行った理由は複数あって

彼女の定着する宝石を持ち帰る事もミッションとして行っていた


『ラインさん、麻里子の宝石見つけてくれましたか・・・ふふふ、これで完全版で復帰できますわ』


『ほぼメインがこの宝石探しだとか、順子と愛理には言えなかったから苦労したぞ』


順子は何気に初見だったようで

不思議そうに麻里子を見つめている

双子だからな、妹と本当にそっくりで

面白いくらいだ


『麻里子!! あなた、ラインさんの中で潜伏していたのですか・・・』


『ええ、リーアさんに倒されてしまった後で復活した場所がラインさんの世界だったのよ』


この話は直接本人から聞いているから

私は知っているが

退場した後、必ず同じ場所に戻れるとは限らず

“世界空間都市”と呼ばれる、全ての魂が安息する地があり

女神が戦闘力を失うと、宝石と分離して精神というか魂のような状態で

世界空間都市へ招集される

その都市を管理するのがツイールで

あいつを本当は連れてきたかったんだよな・・・


この電脳異空間アナザースペースの入口も世界空間都市にあり

その管理もしていて

私との関係もそれなりにあるが

もっと色々と仲良くなりたいと思っているから

今度、再挑戦しよう


基礎値以上まで回復して

復帰するが、元の場所が復元可能ではないと

ランダムで別の世界になってしまう


『天球が活動停止状態でしたので、戻れませんでした・・・(ノД`)シクシク』


『ここの居る、順子という女神の責任だからな・・・私は、寛大だから許すが、麻里子はどうだろうな』


ふふふ、順子よ

私の仕掛けたギミックをどう回避させるかな

少しだけ、試させてもらうよ


『活動停止・・・それは、順子の責任ではありません!!』


『いいのよ、理由なんて・・・実際に出たのは、あたしだからね・・・麻里子さん責任はあたしにあるの、愛理とは仲良しなんですよね?? だったら、絶対に怒らないで欲しい』


お互いでかばい合いか

これは、にわかな友情ではない感じだな

麻里子もこの手の話は・・・確か弱かったと思うが


『ううん、別に責任とかはいいの・・・麻里子は理由を知りたかっただけなのです』


お、気丈に耐えているな

麻里子を試す風になってしまったか


『ラビリアが復帰するまでは、代理で私のサポートを実体でお願いすることにする』


実体と言っても、データだが

温もりも感触も普通にあるから

ほぼ実体だと言ってもいいだろう

それに、順子も愛理もデータ化していない状態でこちらに来ているから

それは麻里華も麻里子もそうなるのだが・・・

麻里子に関しては

一度、私を介して世界と同化したから

データ化した扱いになっている


『改めてよろしくお願いします、須賀麻里子です~♪』


彼女の独特なペースが色々と個人差もあるだろうが

私は好きだぞ・・・気兼ねしなくていいし

ラビリアみたいにツンデレな気質もないし

(まあ、ツンデレは嫌いではないが・・・)


『麻里子さん、よろしくね・・・沢渡順子よ』


『麻里子・・・麻里華の存在は把握しているのよね??』


『ええ、それは勿論ですわ・・・実体となったから、戦闘から帰還したら抱きしめてみるつもりよ』


抱擁は精神的な癒しの効果があるらしいからな

私も率先して活用しているぞ

特にレッドに対してだが

トールにも六花にもラビリアにも・・・一応、エリアにもするが


『この4名で今後のあり方を話そうと思うが、具体案などあればまずは聞くぞ』


順子と愛理に対する質問だったが

麻里子がこれに発言をする


『麻里子は女神のアイドル化を強く推進したいのです!!』


いきなり何を言い出すのか

女神のアイドル化って、どういう事だ??


『麻里子は本気でそれを実現させたいのですね・・・私も協力はしますよ』


『アイドル・・・あたしもなれるかな~??』


順子は素質ありそうだと思うが

麻里子がそんな野望を抱いていたとは、驚きだった

でも、私の師匠あたりが率先してくれそうだな

今度会う機会があれば、打診してみようか


『麻里子の野望は理解した、反対はしないが・・・今は別件でお願いしたい』


『ラインさんは、あたしか愛理ちゃんの意見を聞きたかったみたいだね』


順子は私の意図を把握しているみたいだったが

特に意見を述べる気はないみたいだった

方向性が同じだから、今更な感じだろうか


『・・・封印を解除してしまいましたから、言われたように順子と共にラインさんも私を守ってくれますか??』


『ああ、それはそのつもりだったから変更する気はないが・・・何か不満とかあるのか??』


質問を質問で返してしまった

私は、よくやってしまう

自分が軽く見えるから、ラビリアに注意されていた

やはり、ラビリアじゃないと上手く稼働しないみたいだな・・・私は


『ラインさんは、もう少し慎重にするべきですね・・・ラビリアさんを頼りすぎな部分がありますから』


『そうだな・・・あいつの存在は私を大きく支えてくれているから』


麻里子はずっと私を中から見ていたから

よくわかるのだろうな・・・


『ラインさん、具体案よりも・・・あなたの隊長としての意見を述べてくれますか??』


愛理が少し苛立ちを見せる

トップとして、曖昧だからだろうか

順子はその点でしっかりと動くのだろうか


『私が中途半端だから、不満なようだな・・・すまない、基本的に使えない隊長だから』


『愛理ちゃんダメだよ~ラインさんだって、あたしと同じなんだから・・・色々と思考させているのよ』


順子が私をフォローする形で愛理に苦言している

こんな流れでは、ダメだな

本当に使えないな・・・私は


『ごめんなさいラインさん、私こそ自分の意見をしっかりと述べていないのに・・・』


『そもそも、この4名で会議する意味あるの?? 麻里子は歓談を本気で希望しますよ!!』


『麻里子さんの言う通りかもしれないわよ・・・これって部隊全員でしないと無意味じゃない??』


ラビリアと違う切り口で私をサポートしてくれる麻里子

初見で私がリーダー気質だと

ニコニコしながら宝石が見つかるまでの間

システムとして稼働する事を選択して

その時には、本当に補助だけだったからな・・・


『ねぇ、だったらアイドル計画の話をしましょうよ・・・あたし、凄く興味あるの~♪』


『本当ですか!! 順子さんはカリスマ的なセンターを是非担って欲しいかも』


順子と麻里子がアイドル談義で盛り上がりだす

出遅れた、私と愛理は・・・


『愛理はアイドルに興味あるのか?? 私は正直あまり詳しくないのだが・・・』


『すいません、私も麻里子から教わった程度で詳しいとか好きとかは・・・』


興味はありそうだが、まだ完全な感じではないみたいだな

中途半端に麻里子から教わっただけで

魅力に関してはこれから、だったのかもしれない


『では、アイドルに関しては二人に任せて・・・私と何について話そうか??』


『・・・ラインさんの身体について詳しく知りたいです!!』


そう来たか

華奢な身体だから

病弱な状態で女神になった感じだろうか

宝石の兼ね合いもあるが

基本的に、女神は天性の素質が不可欠らしい

希に後天的な場合もあるみたいだが


次元刀の後継者になっている時点で

先天性と考えるのが妥当か


『よし、交換条件だ・・・愛理は次元刀の話を私にしてくれれば、身体に関して話そう』


『・・・わかりました、次元刀の話をします』


と、私と愛理はお互いの知りたい情報交換をする話を

麻里子と順子は、アイドル計画の遂行を練り

麻里華とトールの戦いと

自分たちの回復を待つことにした


アイドル談義は、かなり盛り上がり

麻里子が順子をこちらでアイドルデビューさせると言い出すくらいに

ははは・・・これは、やはり師匠に相談というか

後で実際に麻里子と順子を紹介してみよう


で、私と愛理の方は

興味のあると私の身体を触りだす愛理

ラビリア同様に科学者である気質なんだろうか

でも、どことなく違うのは・・・順子に似た感じで触ってくることだ

愛理も女性を好むのだろうな

しかし、本題は別にあって

実は・・・システムに関して

私の出力が不十分ではないかと、疑問に思っているみたいで

まあ、確かに完全版ではないから

レッドとの関係もあるし

それと、世界ネットワークとのリンクに問題があるのではないかと

ラビリアが復帰したら、相談したいらしい


と、歓談というよりも

本格的な談義へと発展して

あっという間な時間を過ごす事になった


だから、ということでもないが

折角だし

麻里華とトールの勇姿もしっかりと見ておこうじゃないか

なんてな、思ったから

少し悪いが愛理との会話の最中に六花に伝言を・・・


テレパシー:ライン⇔六花(直通)

ライン:(六花、最中にすまん・・・今から、お前をメインで戦いを伝えてくれ??)


六花:(隊長殿・・・自分がメインにですか!?)

ライン:(ああ、それとここではラインでいいからな・・・お前の脳内なんだから)


六花:(は、はい!! すいません、ライン殿)

ライン:(殿は、まあいいか・・・じゃあ、頼んだぞ)


六花:(はい、ライン殿もしっかりと休息して下さい)


自分が優位にできる脳内でも緊張するのか

そんなに私のことが気になっているみたいだな


あいつもレッドが好きだと思ったが

同性に対してしか反応しない・・・わけでもないよな

たまに素敵な殿方とお話してみたいとか言ってたし

レッドと一緒にお風呂入るかって誘ったら、顔を真っ赤にして断ってたからな


火属性に恋しやすいのかもしれん

私とレッドと・・・順子にもあるのかもしれないな


あいつも武人だが、乙女だし

幼馴染が好きだとか噂もあるが

詳しい事は、プライバシーもあるから

無理に聞かないようにしている


さてと、愛理との話を再開させるからな

六花~よろしく頼むぞ~!!


・・・・・・・・・


わかりました~!!

相変わらずの無茶な要望でしたが

“大好きな”隊長殿の頼みです

自分がしっかりと代役を務めます!!


戦況は・・・

今は、麻里華殿とトール殿が氷機の部隊に向けて移動中です


六花:「二人共、現在は特に異常はありません・・・そのまま進行して下さい」


麻里華:「わかりました」

トール:「こちらもわかりましたわ・・・うふふ」


覚醒されたトール殿は

正直に言って、怖い気がします

無邪気さはそのまま記憶喪失時と同様ですが

妖艶さと狂気さ合わせた感じで

味方であるが、敵と相違ない気がしてしまうのです


トール:「あ・・・ラインさんの代役、頑張って下さいね六花さん~!!」


六花:「トール殿!? 何故それを??」


トール:「うふふ、いいじゃないですか・・・何となく、ラインさんならそのようにするかと思いまして」


六花:「自分を試しましたね・・・トール殿、貴女の事を嫌いになりますからね!!」


トール:「あらっ、それは困りました・・・帰還しましたら正式に謝罪させてもらいますわ~♥」


妙に律儀な部分は、好感ありますが

謝罪をされても簡単には気持ちが変わりませんよ


六花:「本気で挑まないと氷機も自分も攻略できませんと、思って下さいよ!!」


トール:「お優しいですわね・・・情けをかけるなんて」


第三者の立ち会いの元でお願いしましょう

自分とトール殿と二人きりでは

確実に争いになりそうです

エリア殿が最適ですが・・・

どうして、このタイミングで居ないのでしょうか


自分も次元を移動できる技法が欲しいです・・・


弱い部分を見せては、武人として威厳がありませんね

申し訳ありませんでした

しっかりと隊長殿の代役として務めを果たすと約束しましたから

最後までやりきります!!


そろそろ、お二人が氷機部隊と接触します


トール:「六花さん~!? 氷機を目視いたしましたわ~!!」


麻里華:「同じくです・・・データを送りました」


トール殿と麻里華殿から

目視によるスキャンされた氷機のデータが送信されました

詳しい事はラビリア殿でないとわかりませんが

過去のデータを照合して

一致する氷機だった場合は

問題なく指示できるのですが

不適合の新手の時の対処が問題なんです


六花:「過去のデータに照合不一致です、新手の氷機と思われます」


麻里華:「とりあえず攻撃とかは、まずいですか??」


トール:「わたくしが、直接情報を奪取しますわ・・・六花さんの大役ですもの、失敗はさせません!!」


覚醒後のトール殿は、自分を特に意識して行動しているように思えます

エリア殿と普段は3名で一緒に過ごしているのですが

当初は、エリア殿と仲良くされていましたから

少し場違いではと、度々二人きりになってもらっていました


短い時間ですが

どうも、自分への視線を異常に感じるのです

気のせいだと思いたいですけど


トール:「気のせいでは、ありませんわ~六花さん!? わたくし、あなたの事を意識しておりますの」


言葉を発せませんでした

完全に、思っている事を理解した上で

こちらへ話をしていますよね??


女神の能力に

相手の心を見れるものがあると隊長殿より聞きました

それを使って、自分の中を読んでいるのでしょうか??


トール殿へ

勝手には、困ります

もう・・・読まれているなら、把握されていると思います

どのようにしたいのかを

自分へはっきりと伝えてくれませんか??


しかし、交戦中です


必ず、勝ちを挙げて

帰還する事を命じます・・・いいでしょうか!?


と、心で念じました

見ているなら

読んで、何かしらの対応をしてくると思います


トール:「六花さんと仲良くなりたいだけなのです・・・命令は必ず守りますわ!!」


麻里華:「何!? 勝手にテレパシーで対話しないでよ・・・麻里華を除外した感じじゃないの~!!」


トール:「どうしても、六花さんと仲直りしたかったのですわ~わたくしが一方的に悪かったと謝罪」


チャットの途中で

トール殿の声が途絶えました


どうやら、一時的なネットワーク障害のようです

ラビリア殿が離脱しているからでしょうか

不安定になっているみたいです


テレパシー:トール&麻里華⇔六花


麻里華:(通信障害で、チャットがエラーになってるから・・・女神の特権よ!?)

トール:(六花さんも女神になれれば、色々と便利ですわよ~♪)


六花:(確かに便利ですが・・・何か嫌です・・・しかし、不具合時は好都合ですね)


麻里華:(トールさんの結果で、どうやら氷機が妨害電波らしき波動を出しているらしいわ)


妨害電波!?

やはりラビリア殿の制御が弱まっているからですかね

うう~ん、早く復帰して下さい


トール:(折角、完全解放ワールドパージ状態ですもの・・・日頃の衝動を発散させてもらいますわ)


何だろう、物凄くやる気なトール殿ですが

中途半端な戦闘だったからでしょうか??

愛理殿の刀による、方舟の一刀両断で幕切れしてしまいましたし


しかし、日頃の衝動とは・・・

そんなに苦労しているのですかトール殿


トール:(徐々に記憶が戻ってきて・・・過去の衝動が呼び覚まされているようですわ)


正直、自分も過去の記憶は無い

この世界へ途中の際

門番である女神ツイールという存在により

記憶を消された状態で送り込まれるから


でも、ギミックによる断片の解放がなされる

それは、女神へと覚醒した場合です


トール殿は、今その状態なのでしょう

苦しいのですかね


でしたら・・・逆に自分が謝罪しなくてはなりません

衝動的な発言でいちいち苛立っていては

短気な存在ではないですか~!?


まだまだ、心の未熟な武人としては恥ずべきところです


麻里華:(六花さんは、まだ自分の宝石を発見できていないのですね・・・トールさんは偶然みたいでしたけど、風同士ですから捜索のお手伝いとかできますよ・・・多分ですけど)


六花:(そうなのですか!? 自分は本当の宝石を・・・そうですか)


麻里華殿の興味深いお話でした

トール殿は、最初ガーネットを保有していて

水属性ですから、不一致なのです

これも、記憶と同じで

自分の正しい宝石を探す事も重要なんです


今、トパーズという土属性の宝石を保有しています

本来は、ペリドットかエメラルドのどちらかが自分の宝石らしいです

それを、ちゃんと自分の宝石であることが条件で

元の姿へと記憶と能力を取り戻せるようですね


トール殿は、どれだけの幸運をお持ちなのかはわかりませんが

世界解放ワールドパージの際

空間の振動により飛び込んできた宝石が自分の宝石だったらしいです

サファイア・・・の中でもかなり強力な宝石のようですね


トール:(わたくしも捜索でしたら、得意ですから・・・是非、お供させて下さい)


この時点では、これに対して返事ができませんでした

正直、まだトール殿は嫌いというより苦手な部類なんだと思います


六花:(勝利報告と共に帰還した際に、お返事します・・・)


麻里華:(トールさん、これは全力で勝ちにいくしかありませんよ??)

トール:(ええ、愛のために頑張りますわ~♥)


愛のために、とは!?

自分への愛という事でしょうか・・・

そんな、想いを受け入れるだけの存在ではありませんし

心の準備というものも、あるのでないでしょうか


トール:(そうですわね・・・無理にとは申しませんわ)


物凄く、やりにくいです

自分はこの先もこの部隊でトール殿と接していくのですが

不安しかありません・・・

前の部隊のように孤立してしまうかもしれません

隊長殿に相談しましょうか・・・ううん、それは出来ない


トール:(重荷なら、わたくしが去ればいいだけの話ですわ・・・)


六花:(何を言い出すのですか!? 恋路を簡単に諦めるのですか~!!)


もう本末転倒です

トール殿への想いに戸惑っているだけでしょうか??

拒絶している気がしても

いざ、身を引くとなると・・・自分はトール殿に気持ちがあるのでしょうか??

何か未練のような感覚を抱いてしまっているかのようで

ジレンマとでも言いましょうか

あまり経験のない状態です


これは、後でわかったことなのですが

この時点で、まだトール殿への気持ちが不安定だったから

そこへ揺さぶる形で自分に対しての自問自答をさせるように、仕向けたみたいです


・・・トール殿がですよ


恋路を語るには、まだ未熟すぎましたね

これこそ、隊長殿に教えを頂いた方がいいでしょうか


麻里華:(恋路を邪魔すると、どうとかあるみたいですけど・・・少し、う~ん相当ピンチかも!!)

トール:(先ほどとは違う、白い方舟が潜んでおりましたわ・・・擬態の能力があるようですね)


擬態!?

動物や昆虫などが、隠れるために周囲のアイテムなどに似せるものですよね??


白い方舟・・・ホーリーアークの事だと思われます

黒に次いで、白も投入していましたか

でも、フラッシュゲートの反応はありませんでした??

氷機は様々な機械の類を模した状態で登場します

ほぼ、擬似的な造形で実際の能力などは

ある程度コピーされている程度で

脅威ではありますが、物理兵器でも戦うことは可能ですが


ボスと呼ばれるクラスは、特別で

その能力が、本物と同様の威力だったりします


女神か記してきた世界年表ジオクロニクルと呼ばれる

過去の叡智や出来事が細部まで記載されて

その能力や固体などは

実際に視覚的な状態で閲覧者には把握される


隊長殿が氷機もそれが閲覧できる状態で

そこから、模してくるのだろうと


それでです、先ほどのボスクラスの氷機に関して

模している本物のデータがあるので

一応対処法などもあって

討伐は可能なのですが


あくまでも、倒せる技量を持っているか次第であり

無知無能では・・・負け戦です


黒い方舟よりは、難易度は低いですが

初見の二人では、ピンチと思われても仕方ありませんよね


六花:(世界年表ジオクロニクルの記載通りですから、十分お二人でも対処可能ですよ)


麻里華:(・・・だそうです、トールさん??)


トール:(ふふふ、ミョルニルさんの出番ですわ~六花さん・・・空間20%消しますわ!!)


20%消す??

トール殿は、何を言い出しているのですか!?

新規データに追記されているトール殿の装備ですが・・・

全長10mの巨大なハンマー


それで空間ごと方舟を叩き壊すつもりですか~!?

すぐにでも世界崩壊警報を発令しませんと・・・

早急に復元処置を可能とした状態へ移行します


緊急通信:世界崩壊警報発令!!


緊急通信:世界崩壊警報発令!!


思わず、通信で発してしまいました・・・

皆様、申し訳ございません

後で隊長殿に謝罪してもらわなければなりません・・・うううっ


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