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第5話:氷機VS須賀麻里華・・・速度の女神

前線に近い地区にある駐屯地

ここを拠点として、各地へと出撃する


北の極にある管理塔コントロールタワー

現在、氷機の支配下にあり

基本的にその場所で生成された無数の氷機が

各都市へ侵攻をしてくる


その塔に一番近い都市だったりする


前回は侵攻拠点である敵基地を壊滅させた

氷機の基地は

突如、出現するために

基地壊滅専門の部隊が基本的に動くが

たまに、我々のような都市防衛の部隊も出撃する場合もある


今回は、都市への侵攻なので

近くで有力な部隊が選出される


まあ・・・ほぼ我々22部隊だが


『今回は、新加入の須賀麻里華の実力を試す意味もあってだな・・・私と麻里華の二人が前衛で出る』


『ライン隊長・・・よろしくお願いします!!』


先ほどラビリアから聞いた氷機部隊の個体数が20万だったから

比較的容易に戦うことができそうだ


『残りはレッド副隊長と共に後衛で待機しててくれ・・・以上だ!!』


100万とか1000万とか数が多い場合は総力戦となる

後は、別部隊と合同か

私は50万くらいまでかな??

ほぼ単独で戦ったほうが、力を解放しやすいというのもあって

無駄な制御を必要としない分

実力を発揮できる


他の部隊はどうなのかは、あまり気にしたことがないのでわからないが

私を含む22部隊のメンバーは

異常な強さを持っているからな

単独でも十分に戦える


味方との距離を気にすることなく

より実力を発揮しやすい戦いにするための処置とも言えるだろう


『麻里華の能力を近い場所でチェックするだけだから、お前は私に遠慮なく発揮してくれればいいぞ』


『はい・・・わかりました、基本的に戦いは好きではないですが愛理のためだと思って頑張ります!!』


この麻里華という存在は

特に愛理に関する意味合いでの行動に特化しているようで

関連することなら、渋々でも行動してくれる

戦いの好きな存在だったら・・・同行は拒否する


隊長なんてやっているが

私も戦いなどは、好きではない


『戦いの好きな存在なんて居るのか?? 私には考えられないぞ!!』


『そうですよね・・・目的があるから戦わないといけないと思います』


とりあえず、好戦的ではない事に少し安心した

女神の中には、戦いを憑かれたように行う怖い存在もいるらしい

そんな相手と一緒なんて、私には耐えられないと思ったから

弱い心を隠すように、今の私は気丈な隊長を演じているだけだと思われたくないし

そんな事を知っているのは、麻里子とエリアくらいだろう


『麻里華さんにも22部隊用のデバイスを装備してもらいます、これをお願いします』


『・・・これも愛理のデバイスそっくりですね』


この麻里華の言葉にラビリアが珍しく熱心な反応を示す

科学者としての愛理の事をとても尊敬しているらしく

出撃の直前まで麻里華と一緒に愛理談義をしていた


『すいません、つい熱くなってしまいました・・・』


『いえ、愛理の良さをわかるラビリアさんとは・・・続きを是非お願いしたいです~♪』


まあ、ラビリアと仲良くなるのは

ある意味でこの世界で必須な要因だと思うから

その点で言えば・・・麻里華(*^ー゜)b グッジョブ!!と思うぞ、はははっ


『さてと・・・時間だ、みんな行くぞ!!』


『隊長、移動手段はどうしますか??』


歩き出した私を引き止めるようにラビリアが目の前にいた!?

少しビックリしてしまい

返すまで若干だが遅れてしまって

更に追求されてしまう


『・・・あ、ああ、そうだな、ジャンプがいいか??』


『はっきりとして下さい、隊長としての威厳を保ちたいのでしょ!!』


普段から、私の事を心配してくれるラビリアは

どんな時でも、常に色々と考えてくれているみたいで

定期的に私の隊長としての在り方を提示してくれる


だから、今回も出動に関して

しっかりと指示する私を演出しようと・・・こっそり


アクセス:ラビリアシステム発動

対象者:ライン=ルビー


擬似テレパシー:ラビリア⇔ライン


ラビリア:(ライン、別の事考えていましたね??)

ライン:(・・・ああ、すまん 麻里子とのシステムの解除を行っていたからな)


ラビリア:(復元させるのですか!?)

ライン:(そうだが?? 妹との感動的な再会をさせたいだろ・・・)


ラビリア:(メインシステムの変更を勝手にされると、困るのは私なんですよ~!!)

ライン:(そんなに怒るなって・・・最終段階が少し早まるだけじゃないか)


ラビリア:(・・・仕方ないですね、あなたの無茶は今に始まった事でもありませんから)

ライン:(本当にすまないと思っている)


ラビリア:(そう思うなら、しっかりして下さい!!)

ライン:(気持ちの問題じゃないか・・・すぐ直るなら苦労はしないぞ)


ラビリア:(そうですね、素直なあなたが一番魅力的なんですよ・・・レッドさんにも)

ライン:(!?)


思わずラビリアの胸ぐらを掴んでしまった

会話を知らない周りは、一瞬戸惑い時が止まった気がした


繋がりのある状態で女神同等の能力を見せるラビリアは

どうやら、本当の私の気持ちを察知したようで

複数に跨る次元を超えた気持ちを私が抱いていることを


『・・・すまん、ラビリア』


『いえ、何を間違えたのか知りませんが気をつけて下さいね』


冷静なラビリアに助けられる感じで

茶化してくれたから、悲しそうな表情のレッドも安心してくれたみたい


『急にラビリアさんを掴んだから、驚きましたが・・・お母さん疲れているんですか??』


『・・・レッド、今お母さんって呼んだよね!! 私の事』


どうしよう~

記憶と気持ちを戻した今でも母親である部分が強いからだろう

普段、あまり言わないレッドの私をお母さんと呼ぶのは

咄嗟にレッドを抱きしめるのに時間はいらなかった


『お母さん?? 胸苦しいです・・・ううう』


『もっと私を堪能してくれていいんだぞ・・・レッド~♥』


時間を忘れるくらいの抱擁をしてしまった

敵襲が都市に迫っているのに・・・

私は、欲望に抗えないようだ


『中断してしまいましたが・・・氷機の殲滅を最優先して下さい』


『・・・すまん、レッド続きは勝利報酬として待っててくれ』


私は何を言い出したのか

完全に色ボケじゃないか・・・

とは言え、女神に覚醒した心は

自我の欲望に対して、異常な反応をする

しかも、それが力に変わるから


『ふふふ、私の中のルビーが輝きだしたか・・・麻里華、私とジャンプをしようじゃないか~!!』


『テンションの高さが凄いですね、息子に欲情する母親なんて・・・背徳感が源になっているの??』


恥ずかしい事を言い出すなよ・・・

私だって、まだ上手く制御できないんだぞ

でも、私の対象がレッドであるのは間違いないから


『ライン隊長・・・急いで下さい』


急かすラビリア

リアルタイムで氷機の動向を把握しているから

余計に心配なんだろう


『よし、麻里華いいか??』


『はい、よろしくお願いします・・・』


施設の屋上に移動して

ラビリアの指示の元、氷機の侵攻する都市近くへとジャンプを準備する


『デバイスに座標を固定するようにしました、微調整は自動で行われます』


『ラビリアありがとう・・・』


ジャンパーという技法をこれから行うのだが

本来は光属性のシャイニングと闇属性のオーラバスターを

パラレル照射させる特殊な攻撃方法があり

この作用は、お互いが並行で干渉しあって

空間を湾曲させるくらいの強力な威力を放出することができる

神の盾とも言える、聖域を空間ごと消失させるために使用されていたらしい


このパラレルの干渉を使った擬似的な方法


実際に攻撃にも使えるが

空間の湾曲作用を使い、より早い移動をする手段として利用することにした

今では、比較的普通に利用しているが

難易度は最上級だろうな

ラビリアシステムの調整が優秀だから

容易に移動手段として使っている


『麻里華のメインは風だったよな・・・ジェットストリームが主砲か??』


『あ、はい そうですね』


私の火属性の主砲であるフレイムキャノンと一緒にジャンパーを発現させる

麻里華は初めてみたいだったが

スキルに関して慣れていれば、特に問題なく行うことが可能だろう


『私が麻里華にタイミングを合わせるから、お前の感覚で使ってくれて構わないぞ』


『わかりました・・・頑張ります』


少し緊張しているみたいだな

まあ、仕方ないか・・・私も初めてジャンプする際は泣きそうなくらいだったし

自分のペースでできる方が若干でも楽だと思うから


私と麻里華が目標座標の方を向いている

横目で私をチラチラ見てくるから

ニッコリと笑顔を見せつけてやったぞ


『ジェットストリーム スタンバイ・・・』


これは戦いを前にいい機会だ

麻里華の戦闘力をスキャンしてみよう

まあ、ラビリアも測定しているだろうが

個人的な興味だから、別にいいよな


戦闘力測定:対象者・須賀麻里華 スキャン


短時間での主砲使用なので、一気に数値が増大している

4000万・・・

5000万・・・

6000万・・・

7000万・・・

8000万・・・


1億・・・2億、3億


自分もだが、女神の戦闘力の増大は

面白いな

さてと、麻里華・・・お前の実力を見せてもらおうか


20億も軽く超えていったな、ふふふ


『よし、私も行くぞ~!! フレイムキャノン オープン』


スタンバイ=充填開始して戦闘力を増大させる

オープン=充填完了で照射完了で即発動可能状態


100億未満なら、スタンバイの必要もなく戦闘力を調整できる

麻里華が80億まで上げてほぼ安定してきたみたいだから

私も80億に合わせてみた


『ラインさんの能力ですか・・・厄介な、いえ素晴らしいですね』


『まあ、聞かなかった事にしておこうか・・・数値が安定したら、いつでも照射してもいいぞ』


麻里華が緑色に

エメラルドの輝きだろう

私のルビーの赤とのコントラストが鮮やかに空を彩っている


『ジェットストリーム オープン』


麻里華の準備も完了したようだ

さてと、前線に突入するぞ~!!


『ジャンパー発動後、すぐに移動だからな・・・遅れるなよ!! 麻里華放っていいぞ~』


『わかりました、行きますね・・・シュート~!!』


『よし、私もシュート~!!』


麻里華のジェットストリームの照射とほぼ同時に

私もフレイムキャノンを照射させる

同じ方向の空間に向けて


『完全体に覚醒していれば、空間転移で簡単に移動できるのだがな・・・もう少しの辛抱だ』


『複数の同時移動は、こちらでは不可能みたいなので・・・すいません』


女神に覚醒しているのは、私と麻里華だけだから

エリアやトールあたりが次あたり覚醒してくれると思う

そうすれば、一気に戦力が上がるだろう

六花やラビリアは特殊な状態なので未知な部分があるし

レッドに関しては、基本男性だから女神にはなれない


『ライン隊長、先に行っています・・・スキル固定させて追走してきて下さい』


『ああ・・・気をつけてな』


ジャンパー使用者は最後に乗らないといけない

照射してから1分以上しないとスキル固定が出来ないから

若干、遅れるのは仕方ない


『ラインさん・・・あ、隊長 固定可能みたいです』


『よし、スキル固定して我々も追いつくぞ!!』


麻里華と私の放った主砲の放出状態を使用者不在のまま可能とする仕様に切り替えて

ジャンパーに飛び乗った


『いつ乗っても、これは慣れないな・・・』


『そうなんですか!? ライン隊長は思ったよりも乙女ですよね??』


思わず手を出してしまいそうになったが

下手に動くと怖いから、我慢した

しかし、乙女とか言われると凄く恥ずかしいな

でも・・・小心者と言われるよりは、少しはマシかもしれない


『そろそろ、到着するかな・・・』


目的地付近

既に先行しているメンバーは準備を開始してくれているみたいで

私と麻里華を受け入れるようになっているだろう


『トールのアクアドームが見えてきたか・・・あそこに突っ込むぞ!!』


『はい、わかりました』


麻里華の腕を掴み

一緒にダイブ


ジャンパーには制動システムは存在しない

発動して一定方向に加速するのみ

だから、目的地に都市がある際は使うスキルを考えなくてはならない


今回は、問題ない平地だったから

より加速できるようにした

緊急性がある場合は、選んでいられないだろうけどな


『ライン~わたくしへ飛び込んでいらっしゃ~い~♥』


うわっ!!

エリアが私の着地予定地点で待機していた

これは、予想していなかった

しかも態勢を変えるのは危険だし、仕方ない


『エリア~!! 謀ったな・・・』


『誰に落ちたいですか、即答でお願いします??』


ん!?

麻里華、どうしたのだろうか


『難しいだろうが、レッドに飛び込みたいが・・・』


『・・・ですか、チェンジします』


おっ??

急に場所が入れ替わる

麻里華がエリアに飛び込み

私はレッドに飛び込んでいた


『もう~何ですの~!! あなたは、人の恋路を邪魔するのですか・・・』


『それは、あなたのことではありませんか・・・あれを見れば』


とエリアと麻里華は、私とレッドの抱擁シーンを見つめている

小柄であるが、私を軽く抱き上げるだけの力を持つレッド

だから、飛び込んできた私を優しく力強く受け止めてくれた


『レッド、すまんな・・・母を受けてくれて感謝するぞ』


『お母さんが怪我したら、色々と困るじゃないですか・・・僕も悲しみますから』


慌てていたが、しっかりと支えてくれたレッド

こんな素晴らしい息子を誇りに思うしかない


『いつまでレッドさんに抱かれているつもりなんですか~!!』


あ・・・忘れていた

私はあくまでも、まだレッドの母であり

恋人でも妻でもない(現段階では、まだ思い出せていない)から

ラビリアに怒鳴られて、慌てて移動した


『すまん、恋人を借りてしまったな・・・ラビリアに返すから、安心しろ』


強引にレッドをラビリアに突き出した

あくまでも、息子の恋路を応援する母親なんだぞ


『・・・お母さん、何するのですか!?』


『ライン・・・強引な事しないで下さい』


完全に照れ隠しじゃないか・・・

私もレッドに対して、母性ではなくて愛情を持っている部分があるみたいで

それは・・・まだ戻っていない記憶に大きく関わるから


とは言っても、ほぼ99%くらいは復元されている


だからこそ、これは隠さないといけない

絶対にだ!!

レッドに対する想いなんて言えない


『隊長殿、麻里華殿との出撃の準備が整っております』


『おっ、六花ありがとう・・・お前の分まで暴れてくるからな』


『そんな、好戦的な発言しないで下さい・・・そんなのではありませんから』


『・・・そうだったな、申し訳ない』


今の私の言い方だと

六花が戦いたくて仕方ないみたいじゃないか


『麻里華、よろしく頼むぞ・・・お前をメインで戦わせる予定だから』


『ラビリアさん、能力のスキャン自在に行っていいですよ~♪』


意図を把握しているみたいだな

ラビリアには好都合というべきか

麻里華の予定調和であるというのか

どちらにも探りがありそうだが


『遠慮するつもりはありません、隅々までね』


データ収集において、ラビリアは遠慮なんてしない

言われなくても勝手に行うつもりだろうし

いつの間に、私のデータも大量にあって

正直・・・もうラビリアに勝てる気がしないくらいに


『麻里華は、戦いで何かルールは設けているのか??』


『ルールですか、特にはありませんが・・・基本、全力で戦うだけです』


まあ、そうだろうな

戦士ではないみたいだし

女神と言っても、全て戦えるわけでもないから


『相手は機械だから、気兼ねすることもないから』


『機械ですか・・・システムが暴走しているのでしたっけ??』


最低限の情報はあるみたいで

詳しい内情は、流れで把握していくつもりなんだろう


『風属性は比較的ダメージは低いから、思っている以上の攻撃をするのがいいかと思います』


『六花さんも風属性なんですね・・・参考にさせてもらいます、ありがとう』


私のメインウエポンは火属性を存分に発揮できる

近距離と遠距離を可変できるデバイス

【ディメンションブレイド】

ジオクロニクルに記載されるソウルデバイスの中で最も強いとされる装備

【次元刀】

このレプリカをラビリアがデータを見ながら、作成した装備だ


“バスターモード”と“ブレイドモード”があって

バスターは長距離砲の補助に使用する

ブレイドは近距離攻撃で使用する


わかりやすく説明すると

大砲と大剣の双方になれる長物だと思ってくれ


それで、麻里華に使ってもらう装備は

六花の使っている

【トライデント】と【スカイブースター】の二種で

これは対で使用する装備であって

単独でもそれぞれ使うことはできるが

合わせて相乗される


見た目は槍と盾がわかりやすいかな


トライデントは水属性と風属性に使える三叉の槍

速度に特化する風属性

その速度を落とすことなく、より攻撃力を高めるようにしてある


スカイブースターは風属性用の補助装備で

盾のような形状をしているが

加速装置というか、飛行装置というか

乗物のイメージだと思ってくれ


高速移動による、聖域破壊を可能とした


対女神用の装備をラビリアが独自の理論で開発した

最高傑作じゃないかと思う装備だ


スカイブースターに乗り、トライデントで攻撃するのが基本スタイルになる


防衛にスカイブースターを使って

盾にすることも、一応可能だ


と、ラビリアからのカンペを読ませてもらった


私ではこの説明は不可能だと思うから

本人に代わり、私が伝えさせてもらったぞ


『ラビリア、ありがとう~♪』


『・・・いちいち、言わなくていいです』


何だ、私の手柄的な感じにさせたかったようだな

でも・・・これは、流石にバレバレじゃないか


『麻里華、一時的に六花とリンクさせておくから・・・情報を共有してもらってくれ』


『わかりました、六花さんよろしくお願いします』


短い時間で使い方を伝達するのに

最も簡単で確実な方法


ある程度熟練を持った使用者のデータをフィードバックさせた方が

無理なく伝わる


これがデータ化した世界の利点のひとつだったりする


『六花さんからのデータを引き継ぎました、使用法は一通り把握しました』


『そうか、では出撃するぞ!!』


飲み込みの早い、麻里華の能力は戦士向きだと思う

何をしていたかは知らないが

クレバーな女神になるのではないだろうか

演算能力は、私以上に高いかもしれないな

その点は羨ましいと思うぞ


Rain’s report:SPEC“ruby”

attack“wanderers from anotherspace”


戦闘記録を毎回残しているのだが

これが、英字表記のみで

私は別データより引用ペーストしているから

特に何を語っているのかは、不明だ


私の記録を開始する際の決まり文句だと思ってくれていい


直訳した意味合いでよければ、補足しておこう


私の戦闘記録:能力宝石“ルビー”

前線主要攻撃者“電脳異空間アナザースペース以外の存在”


こんな感じだろうか

単純に、私の能力で記載するから

私の宝石名と主に戦う人物を中心にするということだな


複数での作戦や、私が自分で動くなどで文言は変わるし

途中で戦況が変わって作戦が変更されたりすれば

その際に文言は追加される


記録装置的なところは、ラビリアの作った眼鏡型のデバイスで自動的に行われるから

後で補足は可能だし

改ざんも普通にしているようだから(ラビリアが意図的に)

無理に入れなくても、問題は少ない


でも、開始時間などにしっかりと正規のデータとして

私の中で記載されているかは

上層部がチェックするのでな・・・

面倒だが、作戦ごとで必ず私の中で記録している


自動記録だから、記憶とか要領が悪くても問題ないのは助かるかもしれん


今回、正式に入隊されてはいるが

辞令がまだで

実際には登録が後回しとされているために

一時的な部外者の参戦と記載している


こんな事例は女神の介入以外にはありえないからな

基本的には、特別な処置だと言えるだろう


『20万体なら、難しくはないと思うが・・・どうだ??』


『ノーマルだけなら、瞬殺でしょうね・・・ラインじゃなくても』


そう言えば、いつの間にかラビリアは・・・私を呼び捨てで

怒っているのかもしれないな

帰ってきたら、聞いてみるか


『雑魚ではないみたいだから、注意して下さい』


『はい、ありがとうございます・・・ラビリアさん気をつけます』


行動範囲に氷機の先行部隊が入ってきたみたいだな

まだ、目視では見えないが

私のゴーグルデバイスでは、氷機を捉えている


眼鏡が苦手だって言ったら

泣いてしまったから、ゴーグルデバイスと別に私的利用の眼鏡を作ってもらった

あいつは、何であそこまで眼鏡に執着するのだろうな

レッドも伝染するように眼鏡好きになってしまうし


世界構築ネットワークであるラビリアシステムも

眼鏡デバイスでリンクを統括しているし

私以外は、すべての存在が眼鏡を着用している事になる


やってきた麻里華は、元々眼鏡をしているから(今はラビリアのものを装着している)

私だけ仲間はずれみたいだけどな


『では、以後22部隊ネットワークでの専用通信を使用するから』


『既に調整は完了しています・・・半径2万範囲で通信可能です』


ラビリアの教育が素晴らしいから、六花の仕事は手早く的確で

本当に助かる


『六花・・・褒美を考えておけよ~♪』


『褒美ですか、隊長殿に労ってもらえれば・・・それでいいのですが』


『そうか、では労いを何かしてやろうな・・・じゃあ、行こうか麻里華??』


『え、あ、はい・・・わかりました』


変な会話を六花としてしまったから

麻里華が若干、戸惑っているな

これも、一緒に過ごせば慣れてくれるだろう


『私は、麻里華の後方支援を専門とするから・・・必要とあれば好きなように注文してくれ』


『まずか、デバイスの慣れるようにしてみます・・・危なかったら援護お願いしますね』


第22部隊:作戦開始


専用通信(22部隊):ライン以下、レッド、ラビリア、エリア、トール、六花、、、麻里華


ライン:「今回は、麻里華の初陣だ・・・みんな無事帰還を祈ってくれ!!」


レッド:「麻里華さん、お母さんを・・・あ、隊長を頼って完勝して下さい」


ラビリア:「コントロールクラス多数、ボスアラーム警戒して下さい」


ライン:「了解した、ボスは麻里華が無理そうなら、私が倒す!!」


麻里華:「ボスクラスは、戦闘力どのくらいですか??」


ラビリア:「過去の最大級は2兆です」


麻里華:「そうですか・・・ふふふ、隊長はサポートだけで問題ありませんよ」


レッド:「麻里華さんもジオクラスですね、お母さん楽勝だと思いますよ」


麻里華:「レッドさん!?」


『レッドは、シックスカラーの赤だ・・・全てを知っている』


『トップシークレットじゃないですか、それ!?』


『お前の出現で、私の覚醒が早まったようだし・・・それに6色が揃うぞ、もう少ししたらな』


『次元最強のシックスカラーの集結・・・恐ろしい現場に立会いそうですね』


『まあ、探している存在にもすぐに会えるから・・・』


『愛理に!? どういうことですか??』


『お前の預けた、沢渡順子に用事があってな・・・呼ぶか、行くかの予定がある』


この話は、戦闘の後でじっくりしようか

ジオクラスだとしても、単体で22万相手は苦労するだろうし

少しでも温存させたいからな、次戦以降にな


『まずは、目の前の敵を倒してからだ・・・いいか??』


『わかりました、モチベーションの高まる話に感謝します~♥』


女神同士で永遠の契りを交わした相手との再会

これだけの情報は、麻里華を好戦的にさせるだけに

十分すぎる要素だった

女神は、心が宝石で出来ているから

原動力である、その宝石を輝かせる事が重要となる


人を想う事に関して(恋愛絡みで)特に振り幅が異常になる


火属性ほどではないが

燃え上がるというか、吹き荒れる風が嵐となって


さてと・・・ラビリア、素敵なデータが収集できるだろう

期待してていいぞ


ライン:「速報値:ターゲット“麻里華”6000億」


ラビリア:「女神アラートを解除しました、ボス設定5兆に変更しておきます」


レッド:「深くは追求しないでおきます、自重・・・」


レッドは、本性を隠しきれなくなっているか

あいつも見た目14歳の少年だが

本来は・・・っと、まだ内緒だったか


ははは、これは面白くなってきた


私も麻里華に干渉を受けているようで

徐々に数値が上がってきている


周囲を巻き込むタイプか

これは、メンバーにとって重要な意味を見いだせるだろう


ラビリア:「速報値:ターゲット“ライン”5000億」


私には今、戦闘力の向上は不要なんだが

相乗で勝手に上がってしまっているから

ある意味で制御不能とも言える


麻里華:「攻撃範囲内に敵多数、交戦を開始します!!」


一体、どんな攻撃をしてくれるか

もう・・・楽しみでしかない

不謹慎とか気にするだけの理性は限界に近く

億を超える数値を保有すると、より本性で行動するように思考も変化してしまうし

そのあたりをラビリアシステムで世界中一括でコントロールできるようにはなっている


でも、ワンダラーな麻里華にその枷は通用しない

世界警報を解除しないと星を超える数値を突破しかねないかもしれないな


そんな麻里華もラビリアには、想定内だったようだ


ラビリア:「固定解除:世界警報任意」


ライン:「世界の管理者は便利だよな~氷機も自在だったりしてな」


ある意味、暴走はしているが

ラビリアの手の中での出来事に過ぎない

彼女自身が電脳異空間アナザースペースでゲームを楽しむプレイヤーだから

私を含めた、すべての存在は(麻里華以外)手駒でしかない


それを知ったから、別に何をできるわけでもないが

女神に関しては・・・それを超えるだけの能力を保有しているから

対等に対峙できる

だからこそ、早く完全な女神へと覚醒したかった


あくまでも、過程の話だから

実際は、本人へ確認してみないとわからない

でも、私はラビリアが黒幕だと思っている

ほぼ全てを知っている彼女の自作自演の惑星改造テラホーミングだと


『スピードポップ 発動 対象 須賀麻里華・・・』


風属性の加速スキル、自分を含めた対象者の重力コントロールを無視した

異次元の移動を可能とする

これは、最高時速のレコードも楽しめそうだな


『セット レディ~!!』


この加速に耐え切れるのか

第一宇宙速度をはるかに超える状態だぞ


加速だけで氷機を倒せるだろうな・・・

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