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第4話:女神ラインの誕生・・・世界の頂点と次元の覇者

『姉の麻里子と最初に出会ったのは、この世界に来る前の・・・まだ、私が女神ではなかった頃だ』


ここから、私の回想に少しだけ付き合ってくれ・・・


この世界、電脳異空間アナザースペースは常に何かしらのゲームが行われており

そのゲームのプレイヤーとして別の世界よりチャレンジャーがやって来る

私もその中の1人だったりする


しかも、この世界はあくまでも仮想であるが

実際の世界と同じ時間軸で、生死も必ずある


今回はデータ世界となっているので

死については可能性が低いはずですが、氷機の存在によってゲーム性が増していて

消去という状態で、それが死と同じ扱いとなる


これは、私も説明しているが

完全に把握しているわけではなくて

詳しい話をラビリアに確認したが・・・よくわかっていない


完全覚醒さえすれば、私の本来の姿で

完璧な演算を行えるのにな・・・


それで、前の世界の私と麻里子の出会いを話そう


今とは違い、科学者としてラビリアに近い感じで宝石の研究を行っていた

その宝石の研究には私の他に同僚が2名いた


一人は、今もそばで一緒に戦うエリアだ

彼女も科学者として、私と同じ研究チームの一員として働いていた

そして、もう一人が

記憶を失っていた、須賀麻里子という女神だった

その世界では、女神の存在はまだ把握していなかったため

特殊能力者として扱われていた


だから・・・う~ん、まあ私も完全体の姿であれば

ラビリアなんて、あいつに悪いな

そうだな・・・ラビリアに聞くことなく、私だけで全てを話すことが可能だ


時間の問題だと思うんだけどな・・・


まあ、それは置いといて

続きを話そう


私とエリアと麻里子の3名で宝石の能力について研究を行っていて

当時やっと、属性についての解明がなされ

宝石による属性がそれぞれの効果を引き出して

ソウルと呼ばれる特殊な技能を発揮することがわかって

更にその宝石を永久機関として稼働させるための段階へ

世の中は進もうとしていた


その中心的プロジェクトが【シックスカラー】と呼ばれる計画だった


最も高い出力を放出していた属性宝石を用いて

秘密裏に人との融合を行う実験がなされ

その検体が6名


六色の赤・青・緑・黄・白・黒

六属性の火・水・風・土・光・闇と連動していて

宝石もルビー・サファイア・エメラルド・トパーズ・パール・ターコイズと六種


この計画は順調に進行していて

滞ることもなく、異常も発生せず

怖いくらいに上手くいっていた


しかし、どこの世界でも女神という存在が

生態系を破壊していくのだろう


幻想の風の中で既に、基本生態系など皆無なのかもしれない

それでも、現状が正しいと藻掻くのが人類なんだと私は思っている


『この計画を完全な形で成功させたいと思うのですが・・・お二人はどのようにお考えですか??』


麻里子からの私とエリアに対する質問だった

この答えが・・・いや、既に決まっていた事なんだろう

即決で二人の答えは『成功させたい』だったから


そして、更に打診された麻里子の提案も不思議と違和感も抵抗もなく受け入れてしまったし

抗えないしがらみというのか、決まっていたことわりというのか

多少のイレギュラーな部分もあったが

計画の成功のための行動をすることになった


電脳異空間アナザースペースという別の世界が存在するのですが、ここよりも科学力は天地ほどの差があって・・・しかし、一度踏み入れると簡単には出ることはできません』


『う~ん、それは怖いですね・・・エリアさんはどう思われますか??』


『既に危険な状況ですわ~今更、怖いとかラインが臆病すぎですわ!!』


この時点で、戦士でも女神でもない単なる科学者でしたから

それに内気で温厚な性格だった私は

躊躇をしていました


『この世界に介入するには、女神になる必要があります・・・ラインさんとエリアさんも女神としての素質は十分だと思われますから』


『女神ですか・・・それは、一体どのような仕組みなんですか??』


ジオクロニクルの存在は、薄らと認識はしていましたが

女神に関して、ほぼ皆無に近い感じでした

だから、私とエリアが女神となる話は麻里子に言われても

よくわかりませんでした


『いいじゃない、私もラインも美の女神に当てはまるんじゃないですの~麻里子さん、具体的な話を聞かせてもらえますか??』


『はい・・・勿論、そのつもりです。 世界を作ったリーアという女神を倒すために麻里子は必死になって仲間を探してきました・・・でも、尽く阻まれてしまいまして』


どんどん引き出される、麻里子のダークな部分だったが

引き込まれるように私もエリアも彼女に加担するようになっていった

境遇に対しての怨みや憎しみは特に麻里子のような形ではなかった

しかし、あまりいい人生でもなかった


実際、女神はリーアを含めて頂点を目指すための存在でもあり

単純な戦闘力だけで争うわけではなくて

能力次第で色々と変わってくる

圧倒的なパワーがあれば、勝てる場合もあるが

あくまでも女神同士は能力合戦となる


『無理強いはしませんが、麻里子に加担してもらえるなら幸いですわ・・・』


『頭打ちしている研究を打破できそうですし、エリアも一緒なら私も頑張れると思います』


『嬉しいこと言ってくれますわね・・・私もラインとなら、どこまでもですわ~』


女神への覚醒に関しては、色々と表現に問題があって

ここでは伝えられないのが残念だが

別の事象では鮮明に説明しているから

その時になった際のお楽しみにしててくれ・・・


『女神となった場合、最も大きな障害となるのは“次元と空間の魔女”と言われる存在ですわ』


初めてジオクロニクルを自分で閲覧した時に見た項目は

この“次元と空間の魔女”についてだった


『“沢渡順子”・・・?? 天球の守護者ですか、若干ですけど私に近い気がしますね』


『私やラインに負けないくらいの山ですわ~これは、登頂しがいがありますわね、うふふ♥』


エリアは当時から

女体登山を趣味としていて

私を含めた、巨や爆を付けるクラスの胸を特に好み

前から後ろからじっくりと登山する

一度、エリアに聞いた事があって

大きい胸専門なのかどうかと


『私の好みの山なら登頂対象ですわ~ふふふ♥』


エリア次第らしい

しかし、麻里子は狙っていたみたいだけど

失敗したみたいで

悔しがっていた


現22部隊のメンバーは全員登頂済みだからな

トールはどちらかというと嬉しそうだった

ラビリアや六花は、かなり抵抗してた

仲良くなるためのスキンシップの仕方なんだろうけど

違った形の方法でもいいんじゃないかって思うが

エリアなりの思惑があるのだろう


『私が麻里子を羽交い締めにすれば、可能なのでは??』


『ラインさん・・・本気で怒りますわよ、麻里子も限界はあるのです!!』


この時の麻里子は怖かった

冗談ではなくて、死の危険を感じた

結局エリアも後悔してたけど

しなくてよかったと思ってるだろうな


『私が麻里子さんと対等に出来るだけの存在になりましたら、登頂を狙いますわ~♥』


『ふふふ、女神としての対峙でしたら麻里子も翻弄されても構いませんわよ!!』


より、女神としての存在意義を主張している

私以上にエリアは女神に慣れるのが早いというか

即、行動しているのは尊敬に値できると思うんだが

他はな・・・微妙だったりするのが残念だ


『その情熱は、方向性間違ってませんか?? エリアも麻里子さんも目的は??』


この私の言葉に、エリアも麻里子も不思議そうにしてて

間違っているのが私じゃないかって

置いていかれているように

心細く、思わず泣いてしまって

そんな様子を二人が戸惑う感じにしているのが

今思うと、面白かったな


『何で、泣くんですの?? ライン・・・』


『女神になった反動で感情が特化している分、少しの振り幅で極まってしまうからですわね』


特に恋愛感情が異常な反応を示すらしい

詳しい事情は・・・まだ話せないが

私にも好きな異性は居るんだぞ

まあ、バレバレだとは思うが

それは察してくれると、助かる


『・・・ごめんなさい、心配させてしまったみたいですね』


なんて言ってしまったから

余計に心配させてしまった

素直に話すのも問題あるってことだな、これ以降慎重になったのを覚えている


『ラインは、まず心を強くすることを優先ですわね・・・麻里子さんに伝授してもらって』


『う~ん・・・麻里子よりもエリアさんのほうが適役な気もしますわ』


ナチュラルに近い距離でスキンシップ可能なエリアに麻里子を見て

さっきのエリアの言葉が頭の中で再生されて

どうしてだか、衝動的に行動していました

私って、こんなにも性的に積極的なキャラだったんだ


『・・・(*´艸`)キャッ!! エリアさん何をするのですか~!?』


『ちょっと~ライン!! わたくしを差し置いて、何をなさってるのですか~!?』


エリアと麻里子が対面で話をしていて

麻里子の左後ろ辺りでしゃがんでいた私

立ち上がった瞬間に麻里子の背後に移動して

両手はそのまま麻里子の両胸を鷲掴みにしていた

自然な流れで掴んだ手は愛撫を行っていた


『( ゜д゜)はっ!! 私は何をしているのですか!? ごめんなさい麻里子さん・・・』


『あら・・・ラインさんでしたか、エリアさんと勘違いでした~うふふ♥』


『麻里子さん~!! わたくし、まだ何もしてませんわ~!?』


『エリアさんが、登山するなんて話をしてましたから・・・』


『エリア・・・ごめんなさい』


これは・・・かなり危険な衝動だった

本能的に私が破廉恥エッチな行動をすることが、嗜好なんだという事

理性が強く働いていて、ずっと抑えてきたたがが壊れたのだろうか

自制心というのが薄れていくのが目に見えて把握できて

それと同時に自分がそんな破廉恥エッチな行動を率先していこうとなっていて

エリア以上にスキンシップを好むようになるなんて、思わなかったからな・・・


『ラインさんは、時間が解決してくれそうですが・・・本能で麻里子のお胸を揉むのは控えて下さいね』


『・・・私こんなに破廉恥エッチだったのですね、麻里子さんどうにかできませんかね??』


『うう~ラインずるいですわ・・・わたくしも麻里子さんに登頂したいですわ~!!』


私は自重しようと思っているのに

エリアはしきりに嫉妬してくるので

意識しすぎて、どうしても麻里子の胸を求めてしまう

これは、エリアに対して起こらない衝動を考えると

麻里子を恋愛対象として私は思っているのだろう


『エリアも速度的には麻里子さん以上あるのだから、咄嗟に行えばいいじゃない』


一体、私は何を言っているのだろう

もう・・・おかしくなっているのかもしれない

チャンスは色々幾度とあったが

エリアは結局、麻里子の胸を触ることはこの世界ではなかった


そんな反動が今になって、起きているのかもしれない

私にはあまりしないが、他のメンバーに挨拶のような感じで触っている


・・・ ・・・


思い切り話が脱線してしまったな

申し訳ない

私の説明は、どうしてもこうなってしまうから

ラビリアのようなスマートな感じに出来ればいいのだけど


私もエリアも麻里子もだが

女神の力量が胸の大きさに比例しているのかもしれない


その意味で言うと

本当の頂点がジオクロニクルに記載される中では

“テスロー=ネズルス”さん

彼女が最大値らしいな、一度実際に会ってその胸を堪能してみたい


ああ・・・これが私の本能なんだろうな

閲覧している資料は

見ているように映像が存在していて

触れそうなくらいの質感・・・もう、これ以上やめておこうか


私がエリア以上に変だと思われる


さっき出てきた、魔女と称される“沢渡順子”も私と同等な大きさだし

今度出会う機会があった際に相手を知るためにも

感触を試すだけだ・・・


『ラインさん・・・麻里子は、嗜好に関して深く追求しませんが・・・自重できるようには、お力添えしたいですわ、エリアさんにも強制的に協力してもらいますから』


う~ん・・・私から言いにくいですが

麻里子も他人に介入しすぎな気がするぞ

でも、この時は凄く嬉しかった

まだ女神としての自分を制御できなかったから


『ラインとは腐れ縁だと思ってますわ・・・女神となり死の概念がなくなって、永遠に連れ添う存在となって・・・わたくしは、わたくしは・・・』


あれ・・・??

エリア??

何だろう・・・??

この時のエリアにも、正直戸惑いがあったのだろう

強がってみせる態度に限界があって

私に心配させたくなかったのかと

衝動的に、また行動してしまった・・・


『エリア!! ごめん、私が絶対に強くなってあなたと頂点を目指すから・・・今だけは、一緒に泣かせて下さい・・・麻里子さんもごめんなさい』


『・・・麻里子も全力で加担してくれる二人を守りますわ、一番魅力の高いラインさんを中心にユニットを結成させましょう・・・エリアさんもそれで異論はありませんか??』


泣きながら私と抱き合うエリアは無言で頷いていた

この3名で、私が最も頂点を狙える存在らしいから

それは、時間を経てやっと意味を理解し始めていて

記憶が戻る度に、反動のように能力が開花していっている


その後、数分の間

私とエリアのすすり泣く声だけが部屋に微かに響き

もらい泣きするように麻里子も泣いていた


『女神の涙は世界に影響しますから・・・この誓いは絶対に叶いますわ!!』


珍しく強気な麻里子の眼差しだった気がした

新たに世界を守る女神となった私とエリアが

救うためもあって、ここから離れる事になる

そのために、一時的に世界を停止して閉鎖状態にしなくてはならない


『基本的に、自動処置なんですね・・・世界を守るためです、皆さん少しの間許して下さい』


『救える存在は、エゴであっても救いたいですわ・・・ラインも麻里子さんもよろしくですわ~!!』


『あちらでは、どのようになるかわかりませんが次元の管理者には話をしました』


次元の管理者

電脳異空間アナザースペースへの入口

“世界空間都市”という多次元干渉を可能とする

次元を管理する場所がある


ここから、手続きをして突入するのだが

ある程度の公平さを保つための処置として

入る際に記憶を一時的に封印されることになる

時間経過や様々なきっかけでその記憶は断片的だったり全てだったり戻るらしい


今、断片的に私は記憶を戻してきて

この回想を語れるくらいに復元している

多分・・・いや、確実にこの回想終了後に全ての記憶が戻ってくるだろう


エリアと麻里子との約束を果たすため

私が完全版の女神ラインとなる


ふふふ・・・今まで、過ごしてきた記憶も重複して残るみたいだから

色々と楽しめそうな気がする

ただ、大きな障害となる問題が発生してしまうが

それも含めて、楽しめると私は笑いが止まらなくなりそうだ


『麻里子さん・・・本気なのですね、その二人はレジェンドを凌駕できるだけの存在みたいですから』


『ツイールさん、麻里子はどうしてもリーアを消したいのです!!』


『その考え・・・変わらないのですね』


『麻里子の愛する存在を巻き込んだ罪は、万死に値します!! 絶対に許せませんわ!!』


麻里子の話している相手が

次元の管理者の“ツイール”さん

仇なす目標であるリーアと同等の存在らしい


『ツイールさん、よろしくお願いします・・・』


『う~ん・・・上位の女神は本当に霊峰ばかりですわね~♥ うふふ、楽しくなってきましたわ~♪』


この段階で、私は相当の苦労を経て自制心を高く保てるようになっていて

エリアを制するくらいになっていた


『ライン・・・何で邪魔するの!?』


『私だって、我慢してるから・・・あなたもですよ』


抑えているだけで

基本的な感情は変わっていない

むしろ、抑制している分

いつか爆発するかもしれない


『ラインさん・・・心使いに感謝します』


『いえ・・・今だけですから、止められるのは』


この時点でツイールさんは、私の発言の意図を理解できていなかった・・・と思います

その答えは、近い未来にわかるから


『ツイールさん・・・早く準備しないと、ラインさんもエリアさんも襲ってくるかもしれませんわ』


『え!? そういうことですか・・・身の危険を感じていたのはこれでしたか、即完了させます』


急激に戦闘力が上昇している

それに伴い、移動速度が光みたいに思えるくらいで準備をしている

この時も今もツイールさんは凄いと感じている


『はい、突入可能となりました・・・詳しい説明は概念伝達で送りました、即時理解して承認をお願いします・・・それで参加してもらいます』


『・・・ごめんなさいツイールさん、衝動を抑えるので精一杯なので』


全てを把握して、承認する

これは・・・かなりの劣勢となる戦いに強いられそう

と感じていたけど

どんなに困難であっても、エリアと麻里子と一緒なら大丈夫だと確信している

だから、詳しい事は後で確認すればと

ジオクロニクルの制約に比べれば、難易度が低いと認識したから


『ふ~ん、ゲームの世界・・・今は構築中ですのね、どんな遊びになるか楽しみですわ~♪』


地球という架空の世界の話

惑星が寒冷化して人の住めない環境となってしまい

その打開策として人類の科学力を超えた叡智を得た新たな世界を構築する

仮想世界のデータ化された状態を実際の世界として再構築された

惑星の全てがデータとなって

完全なる無敵な存在として人類が進化を遂げる


これが、イントロダクションで

更に、この安定した世界を襲うイレギュラーが発生することになる


現在の世界はそのデータ化が安定した未来で

陥る最悪の事態、世界を管理するネットワークの暴走

それによる防衛システムが選んだ人類の排除


再び劣勢になる人類の最後の希望

データ化の際に用いられた叡智を利用したシステム


“ソウルジュエルシステム”


女神の技術とも言われるこのシステムは

幻想化したこの世界で普及しているから

普通にあるものだと思っていた


だから、今回のゲームの設定で知った

情報は驚きがあった


架空の世界の設定である地球も

実際に存在するもので

その地球の危機を救うためにリーアが

今、私とエリアが行っていると同じ事をしたのだと知ったの時は

正直・・・悩む瞬間もあった


でも、それを含めて私がそこも一緒に救えばいいだけの話

だから、リーアを倒す事に躊躇ためらいは無い


命の輝きを糧に永遠に可動する宝石を持つ戦士

北の極地で誕生した凍てつく機械

世界の導き手“導師”VS冷徹な防衛システム“氷機”

人類の存続を賭けた戦いが始まる・・・


『途中だが、回想はこの辺りで終了しよう・・・後は、実際の流れを把握してくれればいいだろ』


『どうしたのですか・・・ラインさん??』


麻里華との話の途中で急に私が過去回想を行ったから

若干、不思議そうに私を見つめる

自分の中だけの瞬間だから

唐突に流れを変える感じで

不自然な私の発言に思えただろうか


『いや、すまん・・・物語的な流れだから、あまり気にしなくていいぞ』


『・・・そうですか、やはり姉の存在を感じますね』


妹だし、麻里子にも口止めはされていないから

話さない意味も無いから

それに・・・今なら、出来るかもしれない

でも、専用の宝石を用意してからの方が

ドラマティックな演出になるかも


『隠すつもりは無いが、もう少しだけ期待してて待ってくれ』


『わかりました、あなたでしたらその期待が楽しめそうですから・・・待ってますね』


そろそろ、本題に移行してもいいだろうか

それとも既に移行しているのか

姉が本命の可能性もあるし


『愛理の存在を託した順子さんがこの世界に来ていると情報があったから、移動してみたのですが』


『記憶を持ったままの介入という事は、ツイールが来るだろう・・・無茶な行動をしたな、お前!?』


高い能力を保有していると、麻里華のように別の次元への介入を単独で行うことが可能だったりする

しかし、この電脳異空間アナザースペースだけは特別な場所で

簡単にその介入を行える感じではない


『・・・麻里華さんの介入に際し、行われる事象に大きな変更が認められました』


『ラビリア・・・何を言い出した!?』


世界管理者としての反応なんだろうか??

詳しくは本人に追求しないとわからないが

どうやら、今回の世界を最初に構築した存在がラビリアらしい


電脳異空間アナザースペースのシステムでは

常にゲームが行われている

覇者を1名選出するため

最初に参加した存在がゲームの設定をある程度決めることができる


そう考えるとラビリアは、この世界の設定を作ったんだよな・・・


サバイバルではあるが

軍隊同士で戦っているイメージだから

単独での勝利にはならないだろう

これは・・・私の勝手な憶測だが

もしかしたら、ラビリアは複数の覇者にできるようにしているのではないかと


『あたしの介入が、世界に影響してしまったのですか・・・だとしても、愛理の方が重要です!!』


『久遠愛理のというよりも、所持している装備の存在か・・・私の持つレプリカの本物だよな??』


今、調整中で実戦投入にはもう少しかかりそうだが

空間を切り裂くことのできるソウルウエポン

次元刀ディメンションブレイド擬似レプリカ

対氷機の最終兵器として大活躍する予定だ


『次元刀!? 愛理の装備を元に開発されたのですか・・・』


『ああ、ジオクロニクル最強の装備だからな・・・その本当の継承者が久遠愛理なんだろ』


う~ん、順子と一緒なのか

愛理次第になりそうだな・・・

あいつが、麻里華との契りを破棄していないといいが


『須賀麻里華さん・・・特別処置として、22部隊への編入を申請しておきましたから』


『・・・隊長を差し置いて、勝手な行動を━━━』


『すいません、僕が代理で申請してしまいました・・・』


レッド!?

これは、私が拒めない状況にさせるラビリアの策だな

いいだろう・・・世界管理者の監視下にしたい思惑か


『レッドとラビリアの意思を省く私ではない事はわかっているのだろ・・・ラビリア!?』


『お察し頂き、感謝します・・・ライン隊長~♪』


不敵な笑みで私を見つめる

無益な対立は嫌いだ

打算だろうが、構わない・・・

むしろ心地よいくらい


『有能な部下ですね・・・あたしも楽な気持ちで過ごせそうです』


『そうか、まあ・・・歓迎する、22部隊は比較的自由に行動可能だからな』


強力な戦士である事は、間違いないだろうから

氷機との戦いを有利に運ぶ貴重な存在として

一緒に同行することになった

現段階ではまだ、久遠愛理を巡る女神の争奪戦となる未来を

予想していなかった、私だった


『すぐに警告が発令されると思います・・・氷機が侵攻を開始しています』


『・・・そうか、わかった』


世界のネットワークを保有するラビリアのシステムは

全ての氷機の動きを察知できる


『どうしたのですか??』


『ああ、麻里華の実力を試すいい機会だ・・・お前の22部隊としての初陣になるぞ』


話をしている最中に緊急速報が入り

氷機の侵攻を伝える内容だった

それと同時に、デバイスにアラームが表示される


警告:【氷機 侵攻中~!!】


特殊任務発令:【対氷機戦へ出動 第22部隊】

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