第2話:作戦開始・・・副隊長レッドの秘密!?
ラビリアの偵察により、基地の様子が判明した
人類を排除対象として行動をしている氷機
我々がこれから仕掛ける基地は
500体の氷機が存在していて
定期的に決められた数が出撃していて
ローテーションで安定した状態を保つようにしている
『残さずに基地と氷機500体を全て消し去るようにしたい!!』
『約1日の情報ですが、100体ごとの出撃を5時間おきで繰り返しています』
帰還する100体と出撃する100体
この入れ替えには30分くらいを要している
単純に考えて、5時間に1回のチャンス
『レッド・・・30分以内に500体を倒せるか?? 基地の破壊も含めてだぞ!!』
『問題ありません・・・僕だけで終わらせます!!』
即答だった
ここまで自信を持っているレッドはあまり見たことがない
あまり緊張とかをしないタイプではあるが
単独での初陣だ
少しの躊躇があってもいいと思ったのだけどな・・・
『レッドちゃんがここまでなんて・・・母として嬉しいですわね~』
『またか、エリア・・・母は私だけだ、お前はレッドの良きお姉さんでいいだろ!!』
『ううっ~、そんな事言わないで下さい~悲しすぎますわ』
全く・・・黙っていれば、清楚な大人の女性でいいのにな
テントの柱にでも縛っておくか
いつ、レッドに襲いかかるかわからんし
『エリアさんは、あたしが抑えておきますよライン隊長~!!』
『ん!? トール・・・私の心でも読んだか??』
このタイミングで・・・トールの奴、恐ろしいわ
でも、お願いしよう
一番華奢な身なりに合わず、私以上の腕力を持っているから
エリアを拘束させるには、丁度いいかもしれん
『お願いできるか、エリアを抱きしめてやってくれ・・・』
『は~い・・・あたしの大好きなお姉さま~♪』
『ちょっと~トールちゃん・・・やめなさいって~!?』
ふふふ、これでエリア対策は大丈夫だろう
容易な作戦と思うが、一応の予備はあったほうがいいよな
『レッドの単独行動をサポートするように六花を後方支援にと思うが、どう思う??』
『自分は、いつでも出撃可能です・・・副隊長殿のサポートでしたらお任せ下さい!!』
一番の速度を誇る六花なら、臨機応変に対応してくれるだろう
任せるには適当だと思う
『僕も六花さんのサポートがあるなら、安心して戦えると思います』
レッドも安心するなら、頼もうか
一応、ラビリアにも確認してみて
大丈夫なら、作戦を決定して
次の入れ替えの際に決行だな
『ラビリア的には、問題あるか??』
『隊長がおとなしくしているのでしたら、問題はありません』
少し、私に対して風当たりが強い気がするが
まあ・・・こんなところもラビリアらしいから
本当に問題ないのだろう
『よし、ではラビリアとレッドで先行して様子を伺いながら・・・突入のタイミングを探るか』
『僕とラビリアさんとですか!!』
『ああ、私は邪魔らしいから・・・ここで待機しているよ、それに目が必要だろ??』
それっぽい風に言っているが
ラビリアにはわかっているだろうな・・・私の思惑は
今も、思い切り睨んでいるし
『わかりました!! 副隊長と先行して、出るタイミングを見ます・・・』
『そんなに睨むなよ、お前が適任なんだから・・・それに、レッドの戦闘データを収集するつもりだったじゃないか・・・勝手に前線で動かれても困るし、六花の範囲内であれば安全だからな』
常々ラビリアはレッドの能力に関して研究してきた
最年少の導師にして、私を超える存在となるだろうレッドの能力が
ラビリアの探究心に火を点け
その延長で恋愛対象に発展したのだろう
きっかけは、どんな感じでも構わない
レッドを最も愛してくれる存在なら
比べる対象が私自身であるから
勝手な基準でしかないが
トールや六花では薄い気がする
エリアは悪くはないが・・・愛情の方向が完全ではない
ラビリアに関しても、本当は微妙な部分も多かったりするのだが
一途なところが私よりも強いかもと思う感じがする
だから、結婚を前提に恋人として過ごして欲しかった
そこで吟味しながら、相応しいかどうかを
レッド自身の思いも考慮した結果が
まあ、ラビリアということでもある
不謹慎だとは思うが
こんな情勢だからこそ、私はレッドに楽しく過ごして欲しい
最初に話したが
私はこの世界とは別の場所より来て
幼きレッドを見つけて、母親として育ててきた
実を言うと、過去の記憶が曖昧で
本当の事かどうかが把握できていない
微かにある断片を分析して、それを過去として話しただけだから
もしかしたら、全く違った形かもしれない
でも、今はそんな事はどうでもいい
全力でやるべき事を行うのみ
『私も決められた任務だから確実に成功させたい・・・協力を頼む、命令ではなくてお願いだ』
立ち上がり、みんなに頭を下げた
普段は隊長権限だとか命令だとかと強いていたが
この手の話は、誠意を見せる方が効果的だと思ったから
『お母さん・・・僕、頑張ります!!』
『隊長殿・・・自分も精一杯の行動をします』
『ライン、本気のようね』
『ライン隊長・・・かっこいい~』
『そうね・・・隊長の言う通り人類は負けるわけにはいきません!! 命令でもお願いでも同じようにしっかりと任務を遂行するだけです・・・』
1人、的外れもいるが
まあ・・・私の誠意は伝わったかな
これで、団結してくれると
確実な勝利が約束されたも同然だろう
『私とエリアとトールがここで待機、レッドとラビリアが先行して索敵ギリギリで様子見、そこまでは六花も同行して・・・氷機の入れ替えが始まったら作戦開始だ!!』
『僕が氷機の殲滅と基地の破壊を30分以内で行うんですね??』
『そうだ・・・ラビリアは六花と合流して、六花は臨戦態勢でレッドの行動を把握しておけ、いつでも出られるようにな』
『わかりました隊長殿!!』
『デバイスの通信は部隊用で調整してあります、同時に交信は可能ですが出来るだけ控えて下さい』
『では、各自移動開始だ・・・以後、通信で話せ』
氷機に対して
人類の大いなる反撃の幕開けをレッドの初陣により
本格的になっていくと思っている
この流れを・・・私は異常なくらいワクワクしている
誰にも言えない
火属性の特有な感情というか本能というのだろうか
好戦的な気持ちに苛まれる
更に言うと
女神と言われる、世界を作ったりできる
最上級の存在がある
今は、理由あって能力を封印状態となっているが
私もその女神と言われる存在の1人だったりする
世界の理に触れる感じで
私の女神の能力は一時的に使えない
いずれ、戦いが必要となる際は
全開な私の勇姿を見せることができるかもしれないぞ
そんな状態にならないような流れを期待したい
『お母さん・・・僕が出来るだけ頑張るから~!!』
『レッドは、私を心配しているのか・・・いいんだぞ、自分の好きなようにして』
若干、困惑気味で私を見つめている
レッド自身の中で、私は当たり前のように行動する対象なんだろうな
私を心配して行動することが自分の好きな行動だとしたら
少し、悪いことしてしまったか・・・
『なぁ・・・私に対しての心配も自由でいいんだぞ、悪い気はしないからな』
『はい!! 僕のお母さんですから』
嬉しそうにしている
この笑顔を常に出る世界がいいな
・・・でも、レッドに頼らないといけなくなるかもしれない
氷機も未知数だし
今のところ、劣勢だった人類も火属性の存在で
徐々に対等になりつつあるが
防衛システムが排除する対象に合わせて強化してくる可能性だってあるだろうし
最近、目の前の基地のように
侵攻拠点を増やしてきている
これは、火属性の導師が対抗してきているから
それに更に対抗する術としての意図だと、私は思っている
ラビリアもシステムに関わっていた科学者だから
ある程度の情報があり
私の思惑を話したら、それはあると思いますとはっきり言っていた
そんな感じだから、自由に動けるように上層部に打診をした
その結果がこの22部隊だったりする
基本的に特殊任務という名の自由行動を可能としている
前線基地を特に都市部に近い場所から
壊滅させるように行動を始めている
その最初が、今である
『隊長・・・また、考え事ですか??』
『ん!? どうやって、ラビリアとレッドを結婚させようかと試行錯誤中だ!!』
『・・・?! 冗談でも本気でも、怒りますよ!! ちゃんと仕事して下さい!!!』
ふふふ、ラビリア慌ててるな
今回、私の仕事は待機することだ
『ラビリアが・・・待機と言ったんだぞ、レッドに任せてあるのだから』
『それはそうですが・・・とにかく、変な考えは起こさないで下さい』
変な考えは起こさない
ちゃんとした、家族計画だ
私とレッドとラビリアと・・・私の孫が出来れば、若くしておばあちゃんとなるのか
だが、絶対におばあちゃんとは呼ばせないぞ!!
と、変な事を考えてしまったから
ラビリアにもだが、レッドにも睨まれてしまった
鋭い感覚を持っているからな・・・私も気を付けないといけないな
『デバイスチャットに切り替えるか・・・』
私のデバイスは、眼鏡ではなくて遮光レンズのゴーグルとなっている
個人的にあまり眼鏡は似合わないと思っているから
わざわざ、ラビリアに特注をお願いした
かなり眼鏡に対して思い入れのあるラビリアを説得するのは苦労した
妥協案として、ゴーグルと眼鏡の両方で
戦闘以外でデバイスを使う際には眼鏡を使用する事になっている
レッドも私と同じで眼鏡はあまり好まないらしいが
あいつは、ラビリアの事になると盲目だからな
凄く不自然だったが、嬉しそうにラビリアから貰ったアイテムと
異常なテンションで数日過ごしていたから
愛の力って怖いな・・・ははは
ラビリアは当然、眼鏡であり
属性色ではなくて
好きな色である赤のフレーム
形は、アンダーリムらしい
他、エリアにトールに六花はそれぞれ属性色のフレーム
エリアは赤のオーバルでトールは青のスクエア、六花はノンフレームでテンプル部分が緑
とそれぞれが好みとか似合うようにとかで決めたらしい
エリアは火属性だから、私とレッドと同じ赤
あ、ちなみに私とレッドの眼鏡はお揃いにしてもらった
折角だからと、ラビリアのに近いタイプとした
家族で似た眼鏡というのも悪くないだろ??
オーバルフレームは、比較的どのタイプにも似合うらしく
あまりファッションにこだわりを持たないエリアは、TPOを珍しく重視して決めたようだ
スクエアフレームは、大人を演出するらしく
自称少女のトールなのだが、背伸びしたい年頃のようで
凛々しく大人をイメージしたこのタイプを選択したようだ
六花の選んだ、ノンフレームは
武人らしい彼女のセレクトとも言える
フレームがなくて、レンズの輪郭がわかりにくく
視界の差が少ない
少しの歪みやズレなどで命取りとなるかもしれないと
より、戦いやすいモデルとしたようだ
戦っている際や、任務中は基本的に装備したままだから
自分の選んだ使いやすいを追求した形で
負荷の少ない感じが一番だからな
まあ、私のゴーグルも
若干の色素の薄い瞳の保護を兼ねた形だし
レッドはモチベーション重視というべきか
ラビリアと私と同じモデルで
あいつの中では、私とラビリアが特別な存在みたいだから
共有している感覚が、凄く効果的だと言っていた
そんな、眼鏡一つでも
私は微妙だが・・・生活の必需品としての装備だから
重要なアイテムと言えるかな
その内、他の装備も稼働の際にでも詳しく説明しようか
それともラビリアの解説の方がいいか・・・
デバイスチャット:第22部隊内メンバー共通
ライン:「みんな、聞こえるか??」
レッド:「こちらレッド、聞こえています!!」
ラビリア:「ラビリアです、同じく聞こえています」
エリア:「エリア、聞こえてますわ・・・」
トール:「トールです~!! 聞こえていますよ」
六花:「こちら六花、感度良好です隊長殿」
普通の無線と違って
宝石を介して、脳に直接語りかける感じだからな
モノローグ的だと思ってくれ
直接聞こえているみたいなものかな
だから、極端な事を言えば・・・気絶していても、伝達が可能な場合もあるぞ
呼びかけにも使えるし
戦闘で集中したい時は微妙だが
偵察任務や隠密行動などには特に有効だったりする
わかっているぞ・・・最初に私がこれを使わずに直接話してたって言いたいんだろ??
それは、家族になる相手の直接的な対話を必要としたからだ
別に忘れてたとかではない
これだけは、はっきりと言っておくから
未来の家族になる話は、死活問題だ
わかってくれ
っと、脱線してしまったな
ライン:「ラビリアは、作戦開始の合図だけをこのチャットにしてくれ」
ラビリア:「わかりました」
ライン:「後は、緊急以外は必要なしだ」
これが普通なんだろうと思うのだが
どうも、作戦中の会話というのは・・・素っ気なくなってしまう
真面目にしないとラビリアには色々言われてしまいそうだから
もっと親密になったら、少しずつ柔らかく出来るように努力しよう
レッドとラビリアと六花の3名は作戦遂行のために移動を開始する
駐屯地より基地の敷地までの中間地点の所定の場所まで
隠密行動となっている
ラビリアが土属性のスキルで風景に同化しているように見せている
更に六花の風属性のスキルで高速移動を行っている
範囲系のスキルはメンバーに同時に作用するので
この手のスキルを使えると作戦には重宝するんだよな
火属性はあまり補助系がないから
まあ、攻撃に特化しているし氷機の弱点で攻撃できるから
中心的な存在で目立つから
私的には嫌いではないが
レッドには、申し訳ない気持ちがあるようで
気にしないようにと言い聞かせた
でも、優しい性格だから
後でラビリアや六花にお礼とかしそうだな
これは・・・ラビリアだけにしてもらおうか
六花には私がするとレッドに言えば納得してくれるだろうか
レッドとラビリアだけを特別扱いするのは
メンバー的に微妙かもしれないが
無理にでも従ってもらおう
ラビリア:「隊長、所定の位置に到着しました・・・基地の監視を開始します」
ライン:「了解した」
よし、今のところは順調だな
氷機の入れ替えのタイミングを攻める作戦もこの勢いでレッドが決めてくれると思う
初陣で緊張していたが、自信はあるみたいだからな
私は大船に乗るつもりでいる
義理とか関係なく、自慢の息子だし
大好きなレッドの活躍を見れるのは
凄くワクワクしている
ラビリアに黙って、六花のデバイスとリンクして
その視点でレッドの戦いを見ようと思っている
彼女は口が堅いから、漏洩することはないと思うが
私が自分で言ってしまいそうだからな
それだけを注意しなければ
不安はないが
緊張してきた・・・私が一番なのではと思うくらい
自分では何もしないのにな
『隊長さん・・・レッド君の事気になるの??』
急に親しげに話してくる
たまにこのような感じとなるトールは、若干大人の女性だったりする
『自慢の息子だけどな、やっぱり心配なんだ・・・』
『自慢の息子だったら、信じて待つのみじゃないの??』
トールは年齢詐称しているのではないのか
などと思ってしまう
データ化した人類は
最も活動をしやすい状態で姿が固定されて
年齢だけが増えていくようになった
人により個人差があり
私は、大体20代全般くらいだろうか
それ以降見た目は変わっていない
だからとは言わないが
トールは15か16くらいで年齢は私と同じくらいではないかと
あ、あまり言いたくないが
私は今年で30だ
そんな私と同じじゃないかって、疑問だと思ってしまう
ちなみにトールは17である
ほぼ年相応な感じなんだよな・・・
実年齢と見た目はそれぞれバラバラなので
表現するにどちらを重視するかは、その時の流れによってかな
『ラインは、常に前線でしたからね~もう少し、隊長の指揮を重視でもいいかと思いますわよ』
『仕方ないだろ・・・六花だけに戦わせるのは無理があるじゃないか??』
レッドは今回が初陣で
基本的に私と六花が作戦遂行をしてきた
ラビリアが指揮をしていて
新たなメンバーとして、レッドが加入して
私の代わりに前線で戦う事になるだろう
だから、隊長である私が指揮をする
特殊な任務ではない限り、今回の布陣が基本スタンスとなるかな
レッドと六花が前線でラビリアがサポート
私とエリアとトールが待機
エリアには駐屯地を守護する役割があるから
前線に出ることは、まず無いし
(属性巫女であるエリアはメンバーと駐屯の守護を主体とする)
トールは完全補助系だから
前線で傷ついたメンバーの回復をしてもらう
ラビリア:「基地に動きがありました・・・でも、突発的な行動のようです」
ライン:「こちらが気付かれたか??」
ラビリア:「今のところ、その様子は無いみたいですが・・・イレギュラーな状況に陥ったかと」
ライン:「そうか・・・氷機の数はどうなってる??」
ラビリア:「現在500体が基地に換装状態です、通常の交代ではないため・・・詳細は不明です」
好機ではあるのだろうが
もしかしたら、こちらを警戒しての回収の可能性もある
だが、どちらにしても殲滅するには丁度いい
レッド次第だけど・・・私の判断で攻めるかどうか
『どうしますの~ライン??』
『隊長さんの指示待ちじゃないですか??』
横にいるエリアもトールも私の次の一手を期待しているようだ
これは、レッドもラビリアも六花も同じだろう
躊躇するくらいなら、私は行動するタイプだから
ここは・・・攻めるしかない
ライン:「レッド・・・行けるか??」
レッド:「はい!! いつでも行けます」
ラビリア:「ライン・・・様子を見た方がいいかと思い・・・」
レッド:「ラビリアさん・・・僕が全部終わらせますから!!」
ライン:「ラビリア、六花はレッドのサポートを頼む!!」
六花:「はい、わかりました!!」
ラビリア:「どうなっても、私は知りませんからね・・・後は副隊長に任せます」
渋々、ラビリアも承諾してくれたか
時間が不明な分、不安なんだろうと思うが
常に同じだとは限らない
戦場でセオリーが通用しない場合もある
ライン:「レッド・・・思い切り楽しんでこい!!」
レッド:「お母さん、わかりました・・・楽しんできます」
緊張はしているだろうが、問題はないだろうな
堂々と世界にお前の存在を示せ・・・
ラビリア:「副隊長、システムの稼働に支障はありません・・・完全解放の出力は3を上限として下さい、負荷が異常なくらい身体にかかります注意ですよ!!」
レッド:「わかりました・・・3までですね、自重します」
データ化しているとは言え
無謀な行動は身体の維持に影響する
真面目なラビリアが必死に注意するのだから
本気で死の危険があるのだろう
ライン:「ラビリア、そのシステムの限界はどのくらいなんだ??」
ラビリア:「倍加のシステムです、単純に10倍がデータの限界ですが・・・実験段階で4倍以上が現行の上限と設定しました」
ライン:「そうか・・・レッド、4倍までは許すぞ!! 5倍は絶対に使うなよ」
レッド:「・・・わかりました、でも3倍を上限とします」
ライン:「うん・・・ラビリアの忠告だしな、守れるといいな」
六花の視点でレッドの勇姿を確認しよう
比較的に火属性でも冷静な判断のできる、珍しいタイプだから
問題はしていないが、文字通りに火が点くと止まらないから
まあ、これは後処理が大変なんだが・・・仕方ない
私が全力で対応しようじゃないか
この意味は後でわかると思うから、今はレッドの戦いを堪能してくれ
レッド:「完全解放システム オープン!!」
デバイスを通じて音声をそのまま聞いてもらう形になる
映像に関しては、六花の視点からになる
戦闘時のレッドは、基礎戦闘力が1万
スキル使用により変動はあるが上限でも5万くらいだ
しかし、完全解放を使うと桁が2個増える
これが身体に掛かる負荷となる
現在のレッドの戦闘力が110万まで上昇している
単純に数値の高低で戦いが決まる傾向にあるのだが
ラビリアの測定した基地の氷機は1体1万以下
500体なので合計で言えば500万の戦闘力を有していれば
余裕で勝てる形となる
でも、これは一度に瞬殺する際の場合であり
レッドが侵攻して、攻撃をするのに
500体を同時に相手にする事は、皆無に近いから
数体か数十体くらいの対決だとすれば
圧勝すると思う
レッド:「出力2・・・!!」
戦闘力が250万に増えた
上がる数値は正確に倍加するわけではないみたいだな
これ、怖いシステムかもしれない
レッド:「出力3・・・一気に殲滅だ~!!」
この時点で既に600万を示していた
基地を含めて、瞬殺させるつもりか・・・
この状態で主砲を放てば一瞬だぞ
本当に恐ろしいシステムだな
ラビリア:「副隊長、ここまでですよ・・・いいですか??」
レッド:「ふっ!! 俺に指図するなよラビリア・・・自分の事は自分で決める!!」
・・・これは!?
本性を出したか、レッドの潜む真なる力が
これもラビリアが心配している部分か
詳しい話はしなかったが、研究している際に把握したのだろう
私と同じでレッドも多分この世界の存在ではない
記憶が曖昧だから、もしかしたら知り合いだったかもしれない
姿も違っている可能性もあるから
世界の理という、厄介なモノがあるが
どうやら、私を含めた
この世界への挑戦者は・・・記憶を改ざんされているようで
その点で言うと、トールもそれに該当するかもな
ライン:「ラビリア・・・少しだけ我慢しろ、隊長命令だ!!」
ラビリア:「ライン~!! レッドが暴走しちゃうよ・・・」
ライン:「六花、もしもの時はレッドを無視してラビリアだけでも回収して帰って来い!!」
六花:「隊長殿・・・ですが」
ライン:「あいつは単独でも平気だ、独立したシステムを保有しているから氷機には飲まれない」
緊迫した状況で、つい機密事項を言ってしまった
いくらメンバーであっても
私とレッドだけの秘密だったのだが
レッド:「ライン・・・気にするな、俺が責任を取ればいいんだろ!!」
ライン:「母に対して呼び捨てなんて・・・そんな風に育てた覚えはありません」
レッド:「ふっ・・・そうだな、俺もそんな風に育ったつもりはないが・・・最高の女性だと思うぞ」
ライン:「お前は、母を口説くつもりか!?」
レッド:「いいじゃないか、血縁も無いし実際は養子でもないからな」
何だと・・・
あれ、どうしてだろう
この嬉しさは一体?!
このレッドを一人の男として認識しているようだぞ
私は母親なんだ・・・
レッド:「まあいいさ、今は大人しく息子でいてやろうじゃないか・・・じゃあ、終わらせてきます」
最後、急に戻った気がしたけど
あれは、自在に操作したって事なのか
完全に私が踊らされたみたいだな
ライン:「レッド副隊長、任務を直ちに遂行して速やかに帰還せよ!!」
これに対しての返事は無かった
通信は生きているから、聞こえてはいるだろうが
全く・・・母でも隊長でも両方で私に対しての反抗と見なすぞ
それにしても、ここまで変わるとは思わなかった
本人からある程度の変貌はあると聞かされていたが
・・・ラビリアの処理とレッドにお仕置きと
始末書では済まないかもしれんぞ・・・