表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/13

第12話:新感覚 ラインと愛理のオペレーション

システム:ユニバースタイプ スタンバイ


システム:スターライトタイプ スタンバイ


基本は二つのシステムは独自のオペレーションで稼働している

しかし、戦いの際は同時にリンクさせて

より演算の高い状態で

スペルロスの少ないというか、ほぼ皆無になる状態で戦いを行えるらしい


ちなみにスペルはソウルデバイスやソウルシステム自体を稼働させる際に用いる

プログラムの事で

この世界では概念的に存在していないが

魔法での呪文詠唱だと思ってくれればわかりやすいだろうか


ソウルは、発動に関して

スキルを起動させる際

決められたプログラムを入力するが

その入力をシステムが補う形となっていて

保有する宝石の差で

その起動時間が変わってくる

更に女神は、よりシステムに干渉できるから

演算をもっと素早く行ったり

複数を同時にとか

先の使用スキルの分も事前に用意したりもできる

ある程度のレベルまでなら、ショートカットも可能だから

単発のスキルとかでも、無数に使用したりもできるぞ


リンクした二つのシステムは

ラビリアと愛理がそれぞれ管理している

お互いにどちらにも干渉可能で

更に私と順子も関わっている

まずないだろうが、4名が同時に倒されたとしても

独自のプログラムで継続可能らしいから


最悪のケースを想定して

引き継ぎも可能にしていあるようだ


システム:ユニバースタイプ オンライン


システム:スターライトタイプ オンライン


初期起動は問題なく進んでいるようだ

特に違和感も無いし

むしろ心地よいくらいに感じる


専用回線(愛理⇔ライン)


愛理:「順調に進んでいるようですね、フィッティングはどうでしょうか??」


ライン:「問題ないぞ、凄くフィットしている」


愛理:「今、ボスのデータを送りましたから・・・確認して下さい」


ライン:「愛理も淡々と進めるタイプか・・・ラビリアと似ているな~♪」


愛理:「そうなんですか・・・確かに似ているかもしれませんね」


氷機の侵攻中

しかもボスが登場している

私も愛理も余裕で雑談気味の回線での対話

こんなにも穏やかな気持ちで出撃をする機会が来るとは思わなかった


新システムの最大のギミックかもしれない


曖昧な表現しか、私は言えないが

気持ち的というか

感覚的というか

勝ちがわかるみたいな・・・


すまん、私には具体的な伝達ができない


愛理:「ユニバースシステムの最大ギミックの“宇宙の瞳シャドウアイズ”ですよ」


ライン:「先読みのスキルか・・・しかも、いい流れになるようになっているのか!?」


愛理:「単純に未来を見れるのではありません、自分の意思である程度の操作が可能です」


完全に神の領域なスキルだろうな

まあ、当たり前だと思ってしまう私も女神だから

氷機はあくまでも、この世界の脅威でしかない

本当の戦うべき相手は・・・同じ女神だから

このスキルも相殺されてしまうだろうから


そう、あくまでも氷機対策でしかない


ライン:「少しでもリーアに集中できるなら、それでいい!!」


愛理:「順子も同じ事を言っていました、ラビリアさんとそこをメインで考えた結果です」


今までは、氷機対策でかなりの労力を持って行かれていたから

対女神の戦いがメインであるから

そこをどれだけできるかが、重要となる


愛理:「いざとなれば・・・私がリーアさんを斬ります!!」


ライン:「できれば、そだれけは避けたいところだな・・・愛理にも新世界には残っていて欲しいから」


愛理:「本当に順子と考えが近いのですね、ラインさんと同じ事を順子にも言われましたよ」


ははは、順子と私が同じか・・・

まあ、そうだろうな

詳しくは完全に把握できてはいないから

まだ、言い切れないが

何かしらの、血縁は多分あるだろうと思う

更に言えるのは

その血縁で、性格や容姿や考え方なども類似しやすい点だろうか

特殊な家系みたいだからな


他人行儀のように感じるかもしれないが

私の基本的な考え方というか

自分を客観的に見てしまう傾向にあって

どうしても、主観的に自分を見ていない場合が多くて


全てではないが

この手の話をする際に

特にあるかもしれないな


このまま話をしていると、未公開情報まで暴露してしまいそうだから

すまんが、中断させてもらう


愛理:「リンクしている状態ですと、モノローグも私に筒抜けなのです・・・わかりますよね??」


ライン:「ああ、お前になら別に構わんぞ~♪」


愛理:「プライバシーはもう少し自重がいいと思います、近くに感じてもらえるのはいいですが・・・」


ライン:「そうか、親しき仲に礼儀ありってわけか・・・わかった!!」


律儀なヤツだな愛理は・・・

ラビリアもだが、私や順子を支えてくれるのは

感謝しきれないほどの恩があるからな

このくらい真面目な方がいいのかもしれない


愛理:「VCSが常に先導して流れ込んできます、良き選択に修正して下さい」


ライン:「VCSか・・・了解した」


VCSは新システムの目玉とも言える

先読みの操作ギミックだ

近い未来を自分で変更できる仕様で

30分先の出来事を自分の好きなようにできるらしいな


ちなみに

victory control systemの頭文字

自在に勝利へ導く仕様とでも訳しておくか

私みたいな小心者には、ありがたいかもしれない

悪い部分を払拭しながら、戦いをできるなら

負けなんて存在しない


愛理:「世界を勝利に先導する存在となるのです・・・ラインさんが」


ライン:「私が世界を導くのか、いいじゃない・・・順子を超えた頂点となるだけだ!!」


愛理:「そうしたら、私はラインさんにお仕えするようになりますよ・・・」


ライン:「そうなのか??」


愛理:「次元刀の意思とも言えます・・・私は、特に考えはありません」


ライン:「う~ん・・・だったら、みんなで一緒に過ごせば問題ないだろう」


愛理:「何度も言ってしまいますが、本当に順子と同じ考えなんですね」


ライン:「私が順子に近づけた感じもあるが、元々行おうとしていたから・・・だからこその共同戦線だぞ!! 順子と私のタッグなんて冗談抜きで無敵じゃないか!?」


愛理:「ほぼ同時で並行した事象を順子も実行中ですから、天球でラインさんが臨時講師として数学を生徒に教えていますよ・・・私と順子は生徒です」


私が教師で数学を教えているのか・・・

確か、順子と愛理の通う学校は共学だったな

男子生徒からどのように私は見えるのだろう


その話も楽しみだ


同時に起きている場合、ジオクロニクルには記載されても閲覧はできない

一旦区切りを設けた時点で別の次元や事象に存在する女神に時間差が生じて

初めて、閲覧が可能となる

更に同一人物の場合、記憶が共有される

だから、順子が起こしている事象に何かしらの区切りが出来たら

私は、教師をしていた記憶が共有されることになる


愛理:「いくら、概念内の通信でも脱線しすぎました・・・すいません」


ライン:「お前が謝る必要はない、ほぼ停止していると思っていいのだから・・・それに新システムに負けは存在しないだろ??」


愛理:「・・・そうでしたね、実際の証明がなされないと不安で仕方ありません」


ライン:「科学者はそんなものだから、ラビリアも過去の私も同じだ~♪」


今の私は科学者ではないから

あまり、気持ち的な部分では共感できなくなっているが

ラビリアがかなり近い存在だから、あいつの心情を考えれば

愛理の不安は手に取るように把握できる


まあ、実際にはリンクしているから

こちらまで伝染してしまいそうに緊張に不安が愛理にはあるが

それも、私が全部払拭すればいいだけの話だ

隊長として、更に知人としても


ライン:「この世界はある意味、私には好都合だったかもしれない・・・臆病で小心者だったから、反転した状態の擬似的ではあるが、こんなにも素敵な性格を用意してくれたのだから」


愛理:「長く過ごせば、擬似的でも本当の性格として扱えるということですか??」


ライン:「実体もあるが、この世界の存在は全てデータだから・・・色々と便利だぞ」


特殊な状態だったりするが

全てではないが、私のように実体を使用せずにデータだけの存在で稼働しているのは他にもいる

わかりやすい感じでいえば、レッドは見た目から違うし

ラビリアも肌の色が全く違うらしいからな


愛理:「こちらの世界の環境が過酷で・・・聖域の展開がないと私も順子も耐えきれませんよ」


ライン:「ああ、そうだろうな・・・」


氷河期と呼ばれる寒冷の時代をこの世界は迎えている

無謀な科学の進化の代償的な反動により

異常気象が続き、急激に温暖化が一転して氷河期の始まりだった


人類の科学力は

物理の法則を崩壊させるだけの進化を極めていた

惑星まるごとをデータ化させてしまった

千年単位の犠牲を払い

終わる運命を抗うように新しい世界を構築させた


愛理:「ラビリアさんの世界構築力は素晴らしいです・・・星を全てデータで管理させるなんて」


ライン:「完全なる世界なんて、まだ存在しないがな・・・私が新世界として構築するまでだ」


愛理:「ラインさんが欲する世界を自分で構築するのですね・・・素敵です~♥」


ラビリアとの違いは・・・

痴話喧嘩っぽい感じにならない方向だろうか

どうしても対立してしまう感がある

親密度の差だろうが、愛理はまだ距離があるからなんだろうな


ライン:「愛理の“次元刀”をトレースしてくれたみたいで、更に特化した形になったか」


愛理:「ラビリアさんが次元刀をモデルで作ったみたいですから、より精度を高めておきました」


私のメインウエポンである“ディメンションブレイド”

巨大ロボが装備するような大型の刀で

刀と銃の可変型だったりする

火属性の凄い所は、遠・中・近とどの距離の攻撃にも程よくスキルが存在して

しかも、得手不得手も特に存在しない

私も例外ではなく、オールラウンドで活動可能だったりする

個人的には遠距離が好きだが

近接の範囲系も嫌いじゃない

ウエポンデバイスはあくまでも増幅器的な役割が多いが

私の場合もそんな感じだ


ライン:「最初冗談かと思ったぞ・・・“空間斬”がスキルに記載されていたから」


愛理:「それは、私が直接サポートできるから一時的なものですが」


ライン:「愛理と共同作業ってわけか・・・順子に聞いたから、お前が感度が高いってな~♥♥」


愛理:「・・・順子はそんなことまで話したのですか!?」


ライン:「まあ、怒るな・・・共同作業では重要な情報だから、私も困るし」


愛理:「そうでしたね、相手の感度がわからないとバランスが崩れますから」


宝石を保有する全ての存在に共通する事だが

リンクした際の共同でのスキル発動に関して

お互いの感度も共有することになり

より感じやすい方が優先されてしまうために

相手の情報を把握しておかないと、実戦で失敗する恐れも出る


特に女神の場合は、より官能的な意味合いで

感度で影響を及ばすから

高い方というよりも、相乗かそれ以上の快感を双方が味わう事となる


ライン:「私も感じやすいし、悶え死ぬ可能性もあるぞ・・・ゾクゾクしてくるな♥」


愛理:「破廉恥な言い方しないで下さい・・・順子よりも怖いかも」


ライン:「ふふふ・・・愛理とのランデブーを楽しみにしてるから、死も厭わないぞ~♪」


愛理:「戦いを前に、そこまで陽気にできるのですね・・・生粋の戦闘民族ですよね火属性は??」


ライン:「民族って、属性は種族ではないんだぞ・・・同じ人じゃないか」


愛理:「同じには思えません!! 別の種族です・・・ごめんなさい」


ライン:「謝るなら、冗談は無理しなくていいぞ・・・順子に流された形か??」


若干の沈黙の後

開き直ったのか、切り替えをつけたのか

流れを無視するように、戦いに専念するように私を促した


愛理:「女神の介入でもシステムが無敵に稼働するかを試す事になりそうです・・・」


ライン:「そのようだな・・・氷機が100万とか1000万で襲って来る方が楽だと思うから」


氷機の管理をしているラスボスがラビリアではないみたいだが

私は、まだ思っている・・・ラビリアとはいくら事象を繰り返しても変わらないから

影響を受けないという事は

敵である可能性が高い

更に言えば、敵とは私の敵という意味だ

順子は、現段階でリーアをその敵としてしているようだが

最終的に・・・ラビリアが最も難易度の高い障害となるだろう


愛理:「ラインさん・・・本気でラビリアさんを敵と考えているのですね」


ライン:「順子のようにラビリアも刷新して欲しい気もするが・・・現状で改心というか、私の世界でレッドの嫁で家族で暮らしたいから、自力で切り開きたい」


愛理:「順子は、最初のきっかけで私が斬ってしまいました・・・」


ライン:「順子がお願いしたのだろ??」


愛理:「はい、狂った事象を正すために私を呼び寄せたらしいです」


思い切った事をしたみたいだな順子は・・・

自分でできないからって、最強のソウルウエポンを継承者ごと呼ぶなんてな

私もかなり無謀な生き方をしているが

火属性というのは、そうなりやすいのかもしれん


ライン:「さてと、無謀な女神チャレンジャーを出迎えてくるか」


愛理:「装備はいつでも召喚可能にしておきます」


氷機相手ではないから

枷にも近い、装備は無しで出撃する

データを見る限り

パワーランク3未満の新参女神だな


どのようなスキルを保有しているかは

対峙してみないとわからないが

世界の適応率は高い

戦闘力も8000万を基本で放出の推移で億か兆あたりまでは出るだろうか??


ライン:「すまんが、ラビリアのために相手のデータをリアルタイムで送ってもらえるか??」


愛理:「システムにリンクしている時点で、ラビリアさんも同時で記録している状態です」


ライン:「そうか、非戦闘でも常に収集可能にしたのか・・・便利なシステムだな」


私をスキャンして座標を近めにしたのだろうか

この世界に来るからには

倒すべき相手は私となる・・・


『ライン=ルビー 出撃する!!』


『いってらっしゃいませ、ライン様』


施設の屋上の特設デッキよりやって来た女神に目掛けて直線で飛んでいく

こちらの移動を待っているかのように動く気配はなかった

まあ、好都合だ

無駄に動かれても微妙だし

好戦的な相手ではなければ、話をしてみることも可能だろう


『・・・ライン=ルビーか!?』


『ああ、電脳異空間アナザースペースだぞここは・・・私の世界だからな、女神が来れば当然だろ』


不思議そうに私を見るやって来た女神は

見覚えがある感じの・・・誰だっただろうか

これは、私が目当てではないみたいだぞ??


わざわざ、追って来るなんてな

余程、好きなんだろう


『お前、タイミングの悪いヤツだな・・・目当てには会えないぞ!!』


『どうしてだ!?』


これは、事実を述べるべきだろうか

直接、本人に確認するか・・・


『確か、ネメシスだったよな・・・順子に確認してやろう、少し待ってろ』


『わかりました・・・』


好戦的なヤツだった気がするが

比較的、話のわかる相手みたいだな


テレパシー:(ライン⇔順子)


ライン:(お前に会いたいとネメシスが来ているが、どうする??)


順子:(・・・本当にあたしを追ってくるなんて、どこまでも執着する気ね)


ライン:(ヤンデレだったか?? 狂気的な愛情とでも言うのか・・・)


順子:(かもね、あたしを好き過ぎて殺したいらしいみたいよ)


ライン:(超える愛も厄介だな・・・お前でも困るなんて)


順子:(そうね、あたしはネメシスも含めて愛するだけだけどね~♪)


ライン:(で、どうする??)


順子:(待てるだけの余裕があるなら、わざわざこっちに来ないだろうから・・・今は会えないし、ラインさんにお願いしてもいい??)


ライン:(帰ってもらえと・・・わかった、今回はお帰り頂くぞ)


無理してもで会う事は選択しなかったか

それだけ、順子の容態は深刻という事だ

だとしたら・・・私のするべきは、ひとつ

コンビとなった順子のために全力で帰ってもらうようにするのみ


『ネメシス・・・お前は本当にタイミングも運も悪いな』


『どういう事だ!?』


『順子は、お前には会いたくないと・・・素直に帰ってもらえるか??』


さてと、このまま帰ってくれるかどうか

彼女の目的は順子に会う事だろうから

過去の言動を思い出すと・・・素直に従う感じでもなさそうだな

う~ん、しかし普通にしても面白みがないな


『ラインさんには悪いですが・・・』

『話の途中だが、私も鬼ではないお前にチャンスを与えようじゃないか~♪』


『・・・っと、どういう事でしょうか??』


気負っていたようで

割り込むように私の言葉に

本当の彼女の口調出てきているな

復讐の女神なんて異名があるが

本来、心優しき歌姫だったみたいだから

国民のために定期的にコンサートとかやっていたと順子から聞いたことがある


『今でも歌は好きか??』


『・・・何を言い出すのかと思えば、そんな過去は捨てた!!』


と言いながらも

心はかなり動揺している

ふふふ・・・いやー新システムは便利ね

リンクしていない相手でも心がわかるなんて

しかも、女神でも関係ないのか


まあ、レジェンドクラスには通用しないだろうな


『無理しなくていいんだぞ・・・順子を救うためにわざわざ次元を超えて来たのだろ??』


『心を読むスキルですか・・・では、嘘を言っても無意味ですね』


急激に戦闘力が降下している

戦意喪失のようだ

無益な争いをしなくて済みそうだな


『理解ある行動だ、自爆したとしても私を倒すことはお前には不可能だからな』


『そこまで把握しているのですね・・・順子を脅かす存在というのは真実みたいです』


ずっと睨むようにしていたが

穏やかな微笑みを見せた

一応、愛理からは終始用心して下さいと言われたから

こちらは、先読みを継続して相手を戦わないように促している


女神相手には、この作戦がいいかもしれないな


可愛い相手を葬るのは心苦しい

それに、私自身もあまり戦闘は好まないから


『誠意のある姿勢で直談判の機会を一度だけ提供してもいいぞ、ネメシス??』


『本当ですか!? 是非、よろしくお願いします』


純粋な眼差し

これが本来あるべき姿なのだろうな

復讐・・・順子に執着する意味

亡国となってしまった彼女の居場所は


このあたりは、順子が自ら語る日まで無理に聞かないようにしようか


『深刻な状態みたいだから、個人的には治療が済んだ後と思ったが・・・その治療に関わる意味合いだろ』


『はい・・・今までの復讐の最終段階を遂げたいのです』


何だ・・・刺し違える気か!?

ははは、それも面白いかもしれない


『具体的な事を先に聞いてもいいか??』


『復讐の相手を倒せないとわかってから、この瞬間をずっと待っていました・・・』


どうやら、彼女は順子に復讐をするための方法を究極的な形で発見してしまったようだ

ここまで来ると、愛だと言えるかもしれない


『彼女の一部となって、朽ちることのない愛を貫き通します!!』


『お前、少し前に流行っていたヤンデレという属性だろ??』


『それは・・・何でしょうか??』


『まあいい、気にしないで・・・お前のしたい事を話してくれ』


凄く単純な方法

それでいて、究極的な方法

ここまで本気で実行する気だとしたら

順子にも伝わるかもな


『よし・・・私だけ聞いたから、後は本人に直接確認だ』


『はい!!』


思わぬ方向に発展する感じだぞ

これも私が起こしたイレギュラーの影響だろうか??

どちらにしても順子次第だから


ライン:(愛理にだけは、リンクで意図は伝わったと思うが・・・)


愛理:(・・・はい、ネメシスさんがここまで想いがあるとは)


ライン:(憎しみが愛に変わったのだろ・・・愛理も似たようなものじゃないのか??)


愛理:(コメントは差し控えさせていただきます)


強制的に心を読めない状態にされてしまった

ラビリア同様に愛理にも権限があるみたいだから

別にいいさ・・・読まなくてもわかるし


『ライン!? ・・・に、え~と』


『ネメシスさんです!? ラインさん、あたしの話聞いていましたか!!』


困惑するラビリア

私を睨みつける順子

順子を治療中のメディカルルームにネメシスを連れて来た


『すみません・・・ラビリアさん・・・わたしはネメシスと申します』


『あ、ご丁寧に・・・ネメシスさんですか』


そうか、面識はないよな

情報はあるだろうが、直接的な対面はほぼ皆無か


『私はネメシスの誠意を信じて、順子との直談判の機会を一度だけ許すことにした!!』


『・・・何、勝手な事しているのですか~!?』


気持ちはわからないでもない

でも、話だけでも聞いてくれ

と順子を見つめて無言で訴えてみた


『冗談で瀕死のあたしを葬ろうなんて流れじゃなさそうね・・・わかった、話していいわ』


ため息混じりの順子だったが

過去の行動から、無粋な暴挙には出ないと判断したのだろう

まずは、ネメシスの話を聞く事にしたようだ


『今までのあなたへの言動や行動に関しては謝罪はしません・・・恨みに対しての復讐心が消えることはありませんので、女神へのきっかけは変更できませんから』


と、前置きをした

それに関して、順子も納得はしていないが否定も肯定もしていない


『そうね、こちらが一方的に被害者でもないですから・・・それで、直談判の内容は??』


『今、行われているルビーの修復が完了したら・・・親友の宝石を使うつもりなのでしょ!? その宝石と同じ宝石をわたしも保有しています・・・最後の復讐にその宝石に代わりを務めさせて下さい!!!』


突然、私に向かって怒鳴り出す順子


『・・・ラインさん、ネメシスに話したのですか~!!』


『話すって、何をだ??』


と、ここで順子は重大な事を

思い出すかのように、顔を赤くして俯く


『ラビリア・・・私にわかるように説明してもらえるか??』


わざとらしく、無能な装いで尋ねる

流石に、ラビリアもわかった感じで


『・・・そうですね、先ほどここで話をしていた内容をネメシスさんが言い出したので』


『それって、私・・・まだ聞いていないが??』


『ですよね、私も話をしていませんから・・・リンクも遮断していましたし』


と、そろそろ順子が泣き出しそうな感じなので

ネメシスに続きをするように肩に軽く手を置いた


『順子の行動を予測しただけです・・・すいません、でもあなたには幸せになって欲しいの』


『・・・意味のわからないネメシスの復讐って何なの!!』


正直、私もわからない

サブ的な宝石だから、支配もできないし

むしろ使われ放題な感じで、復元中のルビーのようになる可能性もあるのに


『あなたには勝てないとわかった時点で、この計画が始まりました・・・うふふ』


ルビーの以上酷使を意図的に進めた可能性が出てきた

必要以上に復讐と言いながら、ひたすら倒され役を繰り返し

この事態を待っていたかのようだ

策士としたら未来を予測した、最強の手だぞ


『そう・・・ここまでが作戦の一貫だったのね、わかった』


そう言うと

白いガーゼを手にネメシスに向けて振り始める


何だ、負けを示したのか??


『あたしの意思以外で、心を犯す事に成功したのはネメシスだけです・・・完敗よ』


急に泣き出す順子

どういう事だ??

絶対的な不可侵を脅かしたのが、ここまでプライドに影響したのか


『物理的な勝敗は女神ではできません、そこに気づいたのは・・・アリアさんのおかげでした』


アリア・・・確かリーアの妹だったか

敵対しているからこちらの味方だと思っていたが

微妙に三つ巴な感じになるかもしれないぞ


単体でもレジェンドは脅威でしかない

リーアもアリアも色々な女神と組んだりして何かを企んでいるようだが

基本的に捨て駒扱いだったりするし

私も順子も一度はその捨て駒のような感じだったりしました


ネメシスもアリアの手駒なのだろう

捨て駒にされても、気にしないタイプか


『お前はアリアの捨て駒の自覚はあるか??』


『・・・把握はしていましたよ、順子への近道として逆に利用させてもらいました』


執着するのに、苦労は厭わないタイプだな

ある意味、尊敬に値する・・・と、言っておこうか


『ネメシスの愛を受け入れる準備をラビリアさんお願いできますか??』


『え、あ・・・はい、レッドさんの仕事が終わるまでに仕込みをしておきます』


珍しく、慌てているラビリア

準備していたものとは違うが、宝石を確保できたのだから

いいのではないかと思うが

簡単には流れを変更できないのか??


『ラビリアさん、換装データはアリアさんより貰いました』


『ネメシスさん!! それは使えません、内容に危険が孕んでいます』


ふふふ、アリアはここまでわかってあえてデータを持たせたのだろうな

ラビリアは頑なに使おうとしないが

多分、ネメシス自体にギミックを仕込んでいると思われる

順子を含めて愛理の奪取を狙う方向かもしれないな


『ラビリア、折角のアリアの挑戦だぞ・・・データを使ってもいいのではと思うが??』


『あたしからもお願いします、アリアさんの思惑なら罠でも構わないですから~♪』


楽しげだな順子

これは、対リーアに加担するでも構わないという事か

私もそれでも構わないと思っていたから


『・・・わかりました、二人がそう思うのでしたらアリアさんのデータを使ってネメシスさんの宝石を順子さんに組み込みますね』


急激にラビリアの戦闘力が増大していく

基本的に戦闘を行わないから

今みたいな戦闘力の増大をすることは少ない


アリアのデータを解析する際の能力に高い戦闘力を必要とするのだろう

このまま戦いをしても十分なくらいの数値まで上がろうとしている


ラビリアの戦闘力:7800万

更に増大中

胸の宝石が輝きを放って

周囲が黄色くなっていた・・・


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ