第11話:ユニバース&スターライト 宇宙を感じる新しいシステム
今回は目まぐるしく動いている気がする
まあ、そうなるように仕組んだのから
別にいいのだが
もう少し、長期的な流れにすればよかったと
若干な後悔も
させないくらいの、氷機の侵攻に
苛立ちを見せながら
愛理の話を聞いていた・・・
『ここまで氷機の攻めがあるとは思いませんでした、明日に来て下さるお二人にも頑張ってもらわないと』
『そうだな・・・進行の速度を上げたのは私だったりするから、後悔をしたくないが・・・若干な』
愚痴みたいになりそうだったから
話を聞くに徹する事にした
『すまん・・・私が今、話をしてしまうとお前に愚痴しか言わないだろう』
『私は別に構いませんよ・・・いつも順子は愚痴をこぼしていますから』
何だろう
凄く優しい当たりなんだな
順子を少しだけ、羨ましく思った
私と順子だけではなくて
これから、ジオクロニクルの更新された情報を閲覧した野心の強い女神は
愛理を狙って天球に侵攻してくるだろう
目的は違うが、同じ方向性で愛理を保護するためにもなる形で
新システムを愛理とラビリアが構築して
天球と電脳異空間の一括管理できる世界ネットワークを
私と順子と愛理とラビリアの4名が共有している
『私にもだが順子にも、自分の意思はしっかりと伝えるんだぞ・・・いいか!?』
『え・・・あ、はい・・・でも、それではサポートとして失格な気がします』
愛理は、もう少し自分を強調してもいいかもしれないな
常にサブ的なポジションで、それが当たり前な部分があって
しかも、それが心地よいと感じるのだろうか??
『強制も強要もしたくない、自分の好きなようにしてくれればいい・・・私もありのままの愛理を知りたいと思うから、比較的長い付き合いだし・・・そろそろ、もっと親密な関係でもと考えだが??』
このような話は順子としないのだろう
若干の戸惑いを見せる愛理に感じたが
どうやら、順子と何か対話が行われたようで
瞬間の違いも、女神同士であれば把握できる
『すいません今、順子からアドバイスを頂きました・・・ラインさんの弱点についてです』
『ほぅ、私の弱点だと・・・あいつは愛理に何をさせたいのか!? まあいい、愛理の自由で構わん』
治療に専念してればいいのに
無駄なことを愛理に吹き込みやがって
『愛理・・・順子に無理するなと言い返したか??』
『はい、無駄なことしないで治療に専念しなさいと怒りました』
愛理も同じ事考えていたようだな
これなら、弱点を追求されたとしても
上手くやっていけるかもしれない
連続で攻めてきた氷機だが
この後も消耗戦を狙っているかのように
次々に送り込んできている
ラビリアが黒幕ではとの疑問が少しだけ変わったのは
これが、調整できるかどうかにあって
新システムに変更後
より、氷機に対してアプローチ可能となったらしいが
氷機を管理しているシステムと
ラビリアと愛理のシステムが別であること
更に、過去に決別していて
それ以降の氷機に関する扱いは
全く異なる存在による侵攻がなされていると
ラビリアがラスボスではない可能性が高くなってきた
偽装工作も考えられるから
私は、まだ・・・ラビリアを白とは認めていないが
黒とも断定はしていない
曖昧な形で進めることはしたくない
しかし、答えは闇の中だ
『ラインさん、その答え・・・知りたいですか??』
『・・・心を読んでいたか、参謀だから別にいいが』
『それで、知りたいですか??』
優しいかと思えば
急に怖くなってきた
愛理はわからない存在だな
『ラビリアと繋がったから、答えを把握したわけか・・・同調は恐ろしいな』
システムの再構築の際に
二人のシステムを共有するために
意識を完全に同調して
その間に、ラビリアの情報も共有したのだろう
短時間で完成させるためだし
ラビリアも愛理になら、許してもいいと判断したのか
『ラビリアが私にも提供していいと許可があるなら、話をしてくれ』
許可などなくても、確認したい気持ちはあるし
今後のためにも必要な情報でもあるから
愛理が話してくれるなら
是非に聞きたいが
『許可ですか・・・私が勝手に判断してもいいですか??』
『お前の好きにしていいと言ったからな、判断は任せる』
少しの沈黙
愛理はどうするのか
動かないで何かをしている
すると・・・個人宛にメールが届く
愛理からのメール
わざわざ、メールを使うなんて
一応、ラビリアに対して気を使った配慮なんだろうな
メール機能は、個人宛の場合
世界ネットワークには反映されないために
管理者には把握されない
愛理『 今後に必要だと判断しましたから、あなたへは伝えておきます
ラビリアさんは氷機と今でも繋がりはあります
更に言いますと、今回はペースを上げて侵攻頻度が変更されたと聞きました
情報に関しては直接聞いた部分と共有した際に得た部分とあります
ラインさんには、両方を知ってもらおうと思います』
黒だったか・・・
潔白なら、すぐにわかるし
継続しているなら、普通に考えて黒だよな
『ラビリアさんに対して、背徳感を持っているなら・・・私は傍観ですが??』
『ふふふ、背徳感か・・・そんなものあったら、あいつと一緒にはいられないだろう~♪』
ちょっと勢いで愛理に迫ってしまって
若干、怯える感じで私を見つめている
まあそうだろうな・・・すまん
『一応、確認だけしたかったので・・・では、お話します』
と、2時間近くの話となってしまったから
後で要約して私がまとめた感じで伝えることにしよう
それで、時間を夜に移動して
会議室にメンバーを招集させて
会議という名の雑談を行っている最中から
『女神は年齢の概念は見た目の状態で止まっているから・・・一応未成年です!!』
『・・・別に制限されたわけではないから、いいと思うが律儀なんだな愛理も順子も』
安定した状態になったらしいから
ラビリアが順子を連れてきていて
私が愛理にお酒を勧めていたのを順子に怒られた
『ごめんなさいね、ラインは一緒に飲める相手がいないから寂しいので・・・』
『いえ、未成年の身体にアルコール摂取は女神でもしないようにして下さい』
22部隊の基本メンバーは
トールとレッドが未成年扱いとなっている
見た目で言えばラビリアと六花も未成年の容姿ではある
年齢で言えば、成人になるから
一応、レッドとトール以外はお酒の摂取は可能で
本来の二人なら、その辺もクリアな成人だったりするが
あくまでもこの世界では、少年少女である
『女神に関しては、難しい扱いではありますが・・・現行の世界での年齢を重視してありますから』
『そうだよな・・・師匠は絶対にお酒飲めなくなってしまうだろう、飲めないと暴れそうで怖いし』
私の師匠は
容姿で言うと、10歳くらいの少女
年齢は、私の倍以上で
いかにも女神特性な存在だろうか
『エルードさん・・・酒癖悪いですから、私はあまりご一緒したくないのですが』
エルードというのは、師匠の名前で
前に私とラビリアと3名でお酒を飲んだことがあって
その際、ラビリアに怪我をさせるくらい暴れていたから
もう、絶対にラビリアは誘わないことにしている
師匠もそれ以降、ラビリアには凄く優しく
事情も話しているから、余計に慎重に接するようになったな
『ははは、もう師匠はラビリアに危害を加えることはないと思うぞ・・・色々な意味で』
『あの方、酒癖わるいのね・・・子供にお酒を飲ませるからダメだと思うよ~♪』
順子が冗談っぽくラビリアと仲良くしているな
順調に親密度は高まっているようだ
単純に治療だけではなくて
私と愛理の関係もだが
ラビリアと順子の関係も
より深くできる流れを構築する意味もあるから
六花は、まだベッドで眠っている
エリアは順子の代理で天球を守護している
システムが変わったから、完全に調整ができれば
こちらに戻って来れるだろう
それまでは、リーアの情報を探っててもらおう
『ラインさん、指揮系統の円滑な遂行のために一応再確認してみては??』
『順子もたまには、まともな発言をするのだな・・・って、おい殴るなよ、すまんすまん』
いつも冗談ばかりなイメージだから
順子の真面目な部分をあまり見せない姿勢に
私と類似している気がしているが
そんなことは、順子も思っている事だろう
でも、無言で胸を叩くのはやめてほしい
身長差でこのようになってしまっているのだろうが
叩くことではないと・・・
『順子の貴重な意見だ、改めて今後の氷機侵攻時の迅速な行動のために・・・メンバーの確認とそれぞれの役割と把握しておこうか』
順子に言われたからではなくて
どちらにしても、再編成が必要になりそうだし
メンバーの増減によるスタンスも変わるだろうし
私を含め意識的に改めて部隊としての士気を高める意味もあるだろうな
データとしてデバイスでメンバーのリストを配布した
正式な辞令も兼ねている
極秘文書
統一国家エンシア帝国所属
第二十二特殊独立部隊
隊長 ライン=ルビー 階級 名誉元帥 称号 クイーンオブフレイム
隊長補佐 久遠愛理 階級 なし 称号 なし
副隊長 レッド=ルビー 階級 上級大佐 称号 フレイムマスター
参謀 ラビリア=トパーズ 階級 大佐 称号 トリックスター
参謀補佐 沢渡順子 階級 なし 称号 なし
整備技師 六花・エメラルド・霜月 階級 上級大佐 称号 マシンブレイカー
須賀麻里子 階級 なし 称号 なし
特攻 トール=サファイア 階級 上級大尉 称号 エターナルドリーマー
ロキ 階級 なし 称号 なし
オーディン 階級 なし 称号 なし
専属巫女 エリア=サンドライト 階級 大佐 称号 ファイヤーダンサー
まだ完全な形ではないが
ほぼ提出用の文書だ
偽装な役職になっている部分もある
追加されたメンバーをとりあえず入れた感じにも思えるだろう
実際、臨時隊員だから
そのあたりは適当にしてある
正式な辞令として
これを提出するが
実際に行動を起こす際に
これを常に律儀に行う必要などない
有事では、最前線の判断を優先するから
それに少数部隊である分
臨機応変を求められる場合がほとんどだ
それに、私が皇帝陛下直々の指示の元に行動を許されている
まあ、私が自由に行動できる部隊を編成した
若き陛下の母が
私とそっくりで面影を感じてくれて
隠れて何度も会っていたりしたが
そんな縁で、名誉元帥という
陛下直属の首都防衛部隊の計画の中心として
招集されるらしいから
それまでは、この前線基地で氷機を殲滅するのみだ
『麻里華さんと彩さんはメンバーとして除外してありますね・・・臨時でも入れなかったの??』
『ああ、そういう約束をしたからな・・・でも、同行は可能だぞ』
麻里華は特に戦いに関して言えば
ダメだとは思っていないみたいで
愛理との出会い以降も必要なら、戦闘に参加してもいいとしている
彩に関しては
基本、戦いを好まないみたいだから
打診の際、気を使ってくれたと嬉しくしていたな
まあ、唯を育成してくれた功績があるし
順子と最も近しい存在でもあるから
戦闘以外でサポートはしてくれると
同行をしてくれる
まだ必要な存在だから、こちらにとっては好都合だ
『ライン・・・さらりと、大事な情報を隠していますよね!?』
『何の事だ??』
ラビリアが急に私を睨むようにしている
本格的な辞令がもう少ししたら下るから
そのタイミングで話そうと思っていたが
これは重要な部分でもあるし
この段階で隠すのも変だろうか・・・
『そんな怖い顔するな・・・レッドの前では笑顔を頼むラビリア??』
『・・・レッドさんは関係ありません、私は大事な辞令が出る前に隊長から話をして欲しいと思っただけです!!』
今度は、恥ずかしそうに真っ赤な顔で私を睨んでいる
もう少し、穏やかに接してくれればいいが
私の責任なんだろうな・・・
どうしたらいいか、一番近くにいても親密になれない相手と距離を縮める方法
同じ感じで順子も愛理との関係で悩んでいるみたいだからな・・・
丁度、互いの相手と接していることだし
私は愛理と順子について話をして
順子とラビリアで私の話をしてもらって
何が必要なのか、答えが出ればいいかと思う
ただ、今は大事な辞令に関してこの場で話をしなくてはいけないだろう
タイミングも特に悪くはないか
どちらにしても、大きな転機ではあるし
巨大なプロジェクトでもあるから
意見をしっかりと聞く必要もあるだろう
『ラビリアの言っている事は正しいだろうな、私が少し躊躇していた部分もあったから・・・背中を押してくれた事を感謝するぞ』
実際に感謝はしているし
これが本当のサポートなんだろうと思う
『当たり前です!! それに、本当に大きな流れが目の前にあるのですから』
『ああ、そうだな・・・』
現状で六花とエリアがこの場にいないが
個別で私が話をしなくてはならないだろうな
『陛下直々に辞令が出る・・・首都防衛として22部隊も招集される』
私が隊長で行動している22部隊は
この前線基地を駐屯で一番近い都市として
氷機の侵攻を防ぐ役割を担ってきたが
どうやら、この都市ではなくて
首都である旧日本国のあったユーラシアの極東のある島
過去の名称をそのまま使用している“東京”と呼ばれる場所に氷機が標的を主軸にしようとしているらしい
『現在、首都防衛として活動している20と21部隊と我々22部隊が共同で部隊を結成することになる』
『ベルさんとエルードさんの部隊と一緒に活動するのですか??』
今、レッドの言った二人は
それぞれ21部隊の隊長ベル・ガーネット・アステール
私の師匠でもある20部隊の隊長エルード=ストーム
共に強力な女神である
ベルはエリアと私と幼馴染で
共に火属性の優秀な人材として育てられました
この世界での設定であるところの流れではあります
あくまでも一部なので、深くは追求しないで欲しいところですが
世界を超えた存在だったりするから
関係ないかもしれません
エルードはそんな3名の共通の師匠で
親代わりでもあります
光属性の女神だったが
当時は火属性の戦士として軍隊で活動していて
最近、また光属性に戻して首都防衛の要を担ってる
今回の辞令は
陛下と師匠の話し合いで実現されるようで
最も重要視されているのが22部隊らしい
『師匠の打診らしい、陛下も私を近くで使いたいみたいだし・・・どうやら首都を氷機が本格的に侵攻標的に変更していると、ラビリアもそれで情報が入っていたのか??』
『私が世界ネットワークの中核なのですよ・・・知らない情報はありませんよ』
急に首都へ招集される話をしたが
特に反対意見はなくて
私の取り越し苦労だったかもしれない
数日後に下る辞令を新規メンバーも含めて、待つだけとなる
部隊表を求められたのは、これがあったからで
まだ来ていない部分も含めてのメンバーを提出する形となった
『22部隊が異動後のこの街はどうなるの??』
ほぼ全員の賛成に対し
順子が少しだけ不安を抱く
『街自体は放棄扱いになるみたいだな、荷物と人は全て首都に動くことになるから』
対氷機用の基地と街だったから
用途が不要になれば、データを書き換えて平地か林にでもするのだろう
それをわかった上で生活している人々でもあるし
『あたしは・・・あまり口出しできる立場ではないけど、どうしても納得できませんよ』
『仮な街でも土地に愛着がみたいな話か・・・だとしたら、元々首都に住んでいた志願者だからな帰還だと考えれば納得できるのか??』
首都からここへ我々のサポートとしてわざわざ志願してくれた住民だから
任期を終えて、元の場所に帰れるから
と、伝えたが・・・論点はそこではなかったようだ
『ラインさん・・・ラビリアさんから話を聞きましたか!? 本当にいいのですか??』
『順子・・・お前は何の話をしている??』
質問された内容が不明だったから
質問を質問で返してしまった
個別で治療を受ける順子だが
どうやら、治療方法に問題を抱いているようで
最初に検診した段階で私はラビリアより聞かされていた内容を
根本的な方法として、ルビーを2個新たに用意するしか
助かる道はないと
そこで、現段階でどこからか用意するには
ルビー保有の女神を2名倒してこないとダメだろう
まず、ルビーが思った以上に貴重な存在で
把握しているだけの数は4個
私、順子、レッド、唯がそれぞれ保有しているだけ
最悪・・・私とレッドを犠牲にしてもいいのだが
それでは、順子は放棄するだろうし
夢の実現も不可能になってしまうだろう
唯を倒すことは、覇者になってしまったために不可能だ
そこでレッドから提案されたのが
この世界特有の技法である、複製を行えがいいのではと
壊れかけの順子のルビーをまずは修復させて
今度それをもう一つ作り出すという方法
簡単に言っているが
これを行うのに、技師1名とシステムが2個必要となる
技師はラビリアが担う
システムは丁度、新たに完成した“ユニバースシステム”がまず使える
そして、レッドが保有する“デーモンシステム”だ
ルビーの復元や生成に最も適した火属性専門のシステムだから
ラビリアとレッドで
順子を救える方法として
ただし、レッドにはシステムと徹するために
幾度と順子と交わる必要がある
それを律儀に納得がいかないと言い出したみたいで
ラビリアと私を相手に、自分がレッドを一時的ではあるが独占してしまってもいいのかと
まったく・・・面倒な性格なヤツだ
何気にレッドの遺伝子を欲していて
子孫を欲しいと思っているのだから
このチャンスに隙を狙えばいいだけの話じゃないか
正直、殺意は否めないが
順子という存在をこのまま消すわけには
私の夢の実現にも支障が出るから
どうしても、生かす必要がある
『・・・そうだな、隊長命令で必ず完全回復してこい!! 絶対厳守だぞ!!』
『私とレッドさんとで必ず順子さんを存命させます・・・いいですね??』
『これは、僕が出したプランです・・・順子さんは貴重なルビー保有者なんですよ、自分の存在意義をもっと考えて下さい!!』
ふふふ、悲しくなってくるな・・・
公認で浮気を認める形だから
ラビリアも冷静に見えるが、内心は大変なことになっているだろう
私以上に、嫉妬深いし涙もろいのだから
それを抑えてでも、順子を思っているのだからな
しっかりとその意味を理解して欲しい
『順子・・・素直に治療を受けるべきです』
『そうですね・・・わかりました』
愛理が順子の手を握り
まっすぐ見つめながら
横で彩も順子を見ている
渋々でも何でも、受けるとしたようだ
『折角再会したのに、順子がいなくなったら私の存在意義が無駄になります!!』
彩も愛理に重ねるように順子の手を触れ
若干、涙目な感じで見つめている
まあそうだよな・・・再会してすぐにお別れとか
私でも泣くぞ
順子の治療に関して
ラビリアとレッドがメインで行い
彩もサポートで参加してくれるようだ
戦力的には、トールの知り合いが助っ人に来るから
問題はないだろう
かなり特殊なギミックを用意しているらしいぞ
まあ、順子が納得してくれるか次第ではあるが
相当強力な事になるから、私とレッドの最大の脅威となるのは確実だろう
それでも、対リーアを考えると
まずは、少しでも戦力となる状態を構築させる必要がある
『順子・・・いいか、無理強いはしないができれば受け入れて欲しい・・・と、私からのお願いだ』
『改めてということは・・・察しろですか?? あたしも覚悟をするべきだと』
唇を噛み締め
私を少し睨むように見る順子
後は、ラビリアとレッドと彩に任せるか
『私の抑制で氷機をどうにかできると思っているみたいですが・・・設定上無理ですから、信用するかはお任せします・・・順子さんの治療に専念しますから戦い関連の介入はほぼありません』
『はっきりと言うか・・・だったら本当なんだろうな、私の思惑では違うと判断しておこうか』
この流れ自体もラビリアの要素の可能性もあるから
100%信用することはしないが
今までのラビリアの言動を思えば
発言する場合・・・真実である可能性というか
嘘を言うことが嫌いな面があって
嘘というか、恥じらいで隠す意味で・・・レッドとの恋愛がらみくらいだろう
だからこそのトールの知り合いを召喚する意味が出てくるのかもしれないな
順子の治療でラビリアとレッドが離脱するだけの戦力の落ち込みは、相当あるから
補うだけのものとなってくれると助かる
順子とラビリアとレッドと彩が退室していった
ラビリアのラボに向かって
新システムの情報は、随時確認することにしようか
愛理とのタッグで数日は一緒にいるだろうし
まったりしたい時間帯にも関わらず、どうやら氷機が侵攻を開始したようだし・・・
『ラインさん・・・』
『ああ、氷機が来るようだな』
愛理が急にデバイスを操作し始める
何かを起動させようとしているみたいだな
『愛理!? 何をしている??』
『迎撃システムを稼働させました・・・ボスクラス以外はほぼ殲滅出来るかと思います』
そんなシステムを・・・
今回は、サテライトをこちらで掌握していたんだったな
南北の極にある塔を守護する巨大人口衛星
“月讀”と“天照”
本来この星に存在する防衛本能ともいえるオーロラを擬似的に発生させることも可能だし
大結晶を保有する、ソウルデバイスによる主砲も強力だったな
『大量に氷機を攻撃可能とするために、スカイデッキの場所へ1万門装備させました』
『1万門!? ミサイルにしたのか・・・面白いギミックだな』
スカイデッキというのは
衛星それぞれにある広場のような空間があって
ソーラーシステムをそこで構築させて
常に降り注ぐ太陽光を受け
ほぼ無尽蔵な供給を可能としていた
そこを改造して
ミサイルを搭載したようだ
『本来の機能もそのまま使用可能です、容量の上限が変わりましたから・・・まだ、装備の追加は可能ですよ・・・何かあれば、私に言って下さい』
『様子を見て、必要なら打診しよう・・・まずは、迎撃を頼む』
言われなくても、既に先に行動しているから
氷機に対して、すぐの攻撃が開始される
これも、少しでも我々の戦力の温存をするための
ラビリアと愛理の考えた結果なんだろう
今まで、このような形のシステムはなかったから
単純にサテライトを掌握できたのも
私が順子のスキルをコピーして、事象の繰り返しを行ったから
同じ時間を蓄積した過ちと記憶を残したまま
だからこそ、必要な流れを自分で構築していくことが可能で
より世界を攻略できる仕組みを・・・
『ラビリアさんより聞きましたよ・・・ラインさんが順子のように事象の繰り返しを行っている際にイレギュラーを含めて変化を起こしていたって』
『順子を意識して、色々とギミックを用意してきたからな・・・集大成を今回で見せることができれば』
これで終わりになるかは、まだわからないが
無数の時間を繰り返した事を無駄にしないためにも
常に完了を目指す努力を惜しまず
果ての先を考えた事もあったが
順子と同じ内容かは不明だが、愛のある世界という次の世界を
構築した・・・後の話を過ごす未来のビジョンが想像できないから
『順子も同じ事を考えていると思いますよ・・・しかも、未来を一切考えていません』
あいつも未来に見出せてないのか
今回は、そんな先の世界も考える意味でも
しっかりとした、流れをちゃんと構築したい
『順子は、多分・・・今回で未来を考えるようになると思うぞ、彩との関わりが更に意味を成すぞ』
『その話もラビリアさんから聞きました・・・順子は納得してくれるかが少し不安です』
話を愛理にはしたか
まあ、重要なシステムの構築には
共通する意味もあるし
心も含めて、繋がるから
ラビリアも隠すことはしなかったのだろうな
順子の宝石の事は、こちらでも把握していたから
天球よりも復元しやすい、こちらの世界のほうがいいと
これは愛理とラビリアで事前な調整がなされていたようで
私が現状に流す事も含めて、わかっていた感じはあったな・・・
氷機の侵攻も余裕にしていられるのは
迎撃が順調にできているから
サテライトの掌握は、よかったかもしれない
『現在、ボスクラスの出現はありません・・・迎撃により、氷機は70%減少しました』
順調にシステムも運行しているようだ
これが安定してくれれば、かなり楽に対処可能だろう
首都に移動すれば、もっと強化したシステムもあるから
危険度も下がってくれれば
このまま、ボスが出ず終わるとよかったが・・・
狙ったかのように
『ラインさん、フラッシュゲートの反応があります』
『・・・了解、出撃の準備をするぞ!!』
私が出るか・・・
新システムの試運転も兼ねて
愛理とのマッチングもしたいし
丁度とか言うと、語弊があるかもしれないが
ラビリアのように上手く戦えるかは、重要な意味を持つから
『愛理、サポートを頼む・・・私がボスを倒してくる!!』
『はい・・・ラビリアさんに負けないように頑張ります』
ある程度は関係の構築があったが
親密ではない
ラビリアとは、ほぼ以心伝心な部分もあったりするから
愛理とはどこまでできるのか
不安は特に思っていない
むしろ、素敵な流れを構築さえれば面白いと感じている
本当の“次元刀”の持ち主と
擬似の“ディメンションブレイド”の使用者である
世界を超えたマッチングが実現できるとは
普通にワクワクしてくるよ・・・