博士の歌
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孤独な科学者はロボットを創った。
システムは完ぺき、見た目は人間の少女と見分けがつかない。
あえて出来映えを言うなら、奇跡。
だが、まだ完成していない。
一つだけできない。
それはココロという
──プログラム──
奇跡のロボット、リオが誕生してから一カ月が過ぎた。
目覚まし時計のアラームが聞こえる。
まだ眠いのでボクは腕だけで、乱暴にアラームを止める。
そして、また眠りについた。
しばらくすると、誰かがボクの体を揺さぶっていることに気が付いた。
『博士、起きてクダサイ。』
あぁ、リオが起こしに来てくれたのか。
「リオ…もう少しだけ寝させて…」
ボクはもう一度眠ろうとする。
『コーヒーが冷めマスよ。』とリオは続けて言った。
コーヒーを淹れてきてくれたのか。せっかく淹れてきてくれたのだから、飲まないとリオに申し訳ないな。
「おはよう、リオ。」
ボクは眼鏡をかけ、立ち上がった。
『おはようゴザイマス、博士。コーヒーを持って来マスね』
リオはトテトテと小走りで、ボクの机に置いてあるコーヒーを取りに行った。
「ふぁ〜、よく寝た。」
『博士、どうぞ。』
ボクが背伸びをしていると、リオがお盆にのせたコーヒーを差し出してくれた。
「ありがとう。いただくね。」
うっ、少しぬるくなってしまっているな。やはり、きちんと起きるべきだった。
でも、リオはコーヒーを淹れるのが上手だなー。……まぁ、そういうデータが入っているからか。
「うん、おいしいよ。」
『ありがとうゴザイマス。アノ、博士。机の上に置いてあるのは、何デスカ?』
突然リオが指さす所には、何冊か冊子が重ねて置いてあった。
「あれには、歌が書いてあるんだ。」
『ウ、タ?』
「そう、歌。昨日の夜にやっと完成したんだ。」
『博士が、作ったウタ?』
「そうだよ。それじゃあ、隣の部屋で練習を始めようか?」
『ハイ、博士。』
そして、今日からリオに歌を教え始めた。