第7話 マックスウェルズ・シルヴァーハンマー
見えたのは銀のハンマー。そして彼、マックスウェルズであった。想像より禍々しい姿に健司は絶句する。
マックスウェルズが角を曲がった途端に健司は飛び出し、2階に向かう。なんとかエントランスまで来た。あとは階段を登るのみ。
古時計が大きな音を立てた。午前3時を伝える音だ。すると音に反応し、マックスウェルズがこちらに向かう。まさに絶体絶命である。
健司(終わった…もうどうにでもなってしまえ)
健司は勢いよく階段を駆け上がった。そして大きく口を開く。
健司「全員外へ出て!!マックスウェルズがいる!!!」
健司はビリーの元へ走った。マックスウェルズは片足を引きずり、低速ながらも健司を追っている。
健司「ビリー!こっから出られる?」
ビリー「風呂場の窓からならいけるけど狭いぞ」
健司「やるしかねぇ!」
健司とビリーは風呂場へ向かい、窓を確認した。急いで鍵をかけ、窓から出られるか試行錯誤している。
マックスウェルズ「出てきなさい。どこにいるのかわかっているぞ」
窓を限界まで開け、健司が上半身を外に出す。ビリーは見守ることしかできない。マックスウェルズはドアノブを捻った。鍵がかかっていることを確認すると、ハンマーを持ち上げる。
マックスウェルズ「小豚さんよ?家の中を開けておくれよ?開けてくれないのなら息を吹きかけて、家ごと吹き飛ばすぞ!」
ドン、ドン
扉から何か叩く音が聞こえる。拳でも体当たりでもない。それよりも硬い何か。
健司「ビリー、今までありがとう忘れないよ」
健司は短剣を置き、窓から出ていった。
ビリー「おい待て!!どうしろと言うんだよ!!」
ドン、ドン、ドン
少し扉が壊れてきた。メリメリと音を立て、やがて縦長の穴が空いた。マックスウェルズの顔が見える。ビリーは短剣を持ち、端に座り込んだ。ビリーはひたすら泣き叫んでいる。
マックスウェルズはその穴に顔を顔を覗かせた。
マックスウェルズ「Here's Johnny!」
ビリーは恐怖で人生1と言っていいほど叫んだ。マックスウェルズが風呂場側のドアノブを掴み、開けようとしたとき、ビリーが短剣でマックスウェルズの手を切った。マックスウェルズは痛みで叫んだ。その隙にビリーは窓から出ようとするが体がでか過ぎる為、入りすらしなかった。仕方なく大剣で壁ごと壊して外へ逃げた。
健司「流石に壊すのはアレじゃない?」
ビリー「うっせぇな!!こっちは命かかってんだよ!」
外にはもう全員避難していた。マックスウェルズに備え、全員武器を構えている。マックスウェルズはビリーが避難した後、どこかへと消えた。
ヘルター「ジュリア!お前の出番だ!」
ジュリア「…“アイウィル”」
ジュリアは目をつぶり、片膝をつき、地面に手を置く。その姿はまるで祈りのようでもあった。
ジュリア「…2階。階段付近。シルヴァーハンマー所持。左足複雑骨折。白内障進行中。明確な敵意あり」
ヘルター「狙い目は右足だ。両足を封印すれば奴はもう恐怖の対象じゃない。やれ、サボイ」
サボイが銃を構える。ビリーと健司はホワイトアルバムの連携力に唖然としていた。
ジュリア「…一階、エントランスを通過。まもなく目視可能」
マックスウェルズが片足を引きずりながら出てきた。その姿は依然として恐怖という言葉にふさわしい姿であった。
ヘルター「サボイ。やれ」
サボイは引き金に指を置く。
ヘルター「サボイ?」
サボイの体が震えている。サボイの目にはマックスウェルズは同じ仲間の姿のままであった。ホワイトアルバムに入って間も無い頃、サボイはその背中に憧れて今まで生きてきた。
彼にとってマックスウェルズは“恐怖の対象”ではなく、“憧れの象徴”であった。
ヘルター「早く弾け!サボイ!」
サボイは以前として体が震えている。震えで銃を落とし、サボイは崩れ落ちる。
サボイ「…私には…出来ない…」
ヘルター「何言ってんだ!?もうあいつはホワイトアルバムではない!!」
サボイは静かに泣く。その涙には一色に染まっていた。撃つ事で憧れの人が死ぬという恐怖。皆とは違う恐怖であった。
ヘルター「もういい!俺がやる!!」
健司「待て!!近距離では絶対に負ける!ここは一回逃げよう!!」
ヘルター「そんな事言ってる場合か!?」
ビリー「悪いが俺は健司に賛成だ。あいつには勝てねぇ。近距離では絶対に、な」
刻々とマックスウェルズと時間が迫っている中、我々にはサボイという唯一の選択肢を失い、ただ待つのみであった。
健司「俺がサボイの銃であいつをやる」
ヘルター「悪いがそれはダメだ。法律で決まってんだ」
健司「他に何かあんの!?俺がやらなきゃ誰がやる!」
健司がサボイの銃、ハピネス・イズ・ア・ウォームガンを拾おうとすると
「“タックスマン”」
無慈悲な一閃が空を切った。
ジュリア
年齢 26歳
誕生日 4月4日
身長 168cm
体重 非公開
能力 アイウィル(空間、人体感知能力)
趣味 料理
特技 料理
好きな音楽のジャンル グラムロック




