第2話 フィクシング・ア・ホール
朝になり、重たい体を起こす。今何時なのかを確認したら
歯を磨き、軽く朝食をとる。今までと変わらない生活だ。
ただ一つだけ、いつもこの時間帯は曲を聴いている。この世界でもあの曲を聴けたらな…と健司は思った。
時間になるまで軽く街を散策する。いつもと違う風景、いつもと違う空気、海外に観光している気分であった。非日常を体験していると、あっという間に時間が過ぎていたので急いで副司令官室へ向かう。
健司「すみません遅れました!」
部屋には男と女、そしてカーミットがいた。
カーミット「…紹介しよう。今日から君と同じ部隊の
ビリーとエリナだ」
ビリー「あー、健司クンだよね?よろしく〜」
エリナ「エリナです。以後お見知りおきを」
何故だか2人はぎこちない。
健司「えっと、ビリーとエリナだね?よろしく」
健司も少しぎこちなかった。
カーミット「…仲良くしてくれ」
何だかカーミットも少しぎこちない。
カーミット「…それでは部隊名を考えてもらおう。何か案は?」
3人は黙り込み案を考えた。
ビリー「サージェントペパーズ!」
カーミット「ペパーの名が入ってるじゃないか。却下」
エリナ「リグビー・リボルバーズはどうです?」
カーミット「読みづらいし、厨二っぽい。却下」
健司「…」
カーミット「どうだ?何かあるか?頭に浮かんだ言葉をとりあえず言ってくれると助かるのだが…」
健司の頭の中に浮かんだ言葉はただ一つ。あの老人の言葉であった。
健司「…“グラスオニオン”」
カーミット「…なるほど、ふむ…いいだろう。君たちはグラスオニオンだ」
ビリー「何だそのダセェ名前!」
エリナ「全く品がない…最悪」
他のメンバーからは大バッシングであった。健司は罪悪感に溢れた。
カーミット「それでは君たちに最初の任務を与える。最初の任務は、フィクシングの第一発見地域、通称“オブラディ”の調査だ」
ビリーとエリナは驚いた。
ビリー「確か、第一発見地域“オブラディ”って…フィクシング内で初めて見つかった集落で、見つけたはいいものの、まだ誰も足を踏み入れてないとこだよな?」
エリナ「私たちまだフィクシングに入ったことすらないんですよ!?」
カーミットは一息つくと、声色を変えて言う。
カーミット「これは君たちへの試練だ。君たちがどれほどの才能を秘めているか確かめる為の試練だ。この中の誰が死んでもここに1人だけでも帰ってくれば任務達成とする」
ビリーとエリナはがくがくと震えている。
健司「わかりました。引き受けます」
カーミット「書類は書いておいた。フィクシング近くにいる職員に渡してくれ、そうすれば入れるようになる。それでは私は5分後に会議があるのでこれで失礼する。3人とも頑張ってくれ」
カーミットが副司令官室から立ち去るとビリーとエリナが健司に近づく。
ビリー「お前、カーミット副司令官のこと本当にしらねぇのか?」
健司「え、一体何のこと?あの人そんなにやばい人なの?」
エリナ「本当に何も知らないのですね?」
ビリー「カーミット副司令官はな、他の司令官達と違って過去が全くと言っていいほどわからないんだ」
健司「けど、優しそうな人だしいいんじゃない?」
エリナ「人を信用するとロクな目にあいませんよ。この世界では」
ビリー「とりあえずはやく行こうぜ。とっとと終わらせたいんだよこっちは」
我々はフィクシングへと早歩きで向かった。道中、ビリーとエリナは黙っていた。健司は空気を良くする為に話そうとしたが…
健司「2人は元々面識あるの?」
ビリー「あぁ」
健司「ってことは幼馴染?」
エリナ「そういうことになりますね」
健司「住んでるところはどんな感…」
ビリー「さっきからうっせぇんだよ!少しは黙ってろ」
健司「…ごめん」
これほど人と話すのは怖いと思ったのは初めてだ。ものすごく恐怖を感じた。
街からでて少し歩くと、人だかりが見える。
エリナ「職員の方に書類を見せて下さい」
エリナの言われた通りにしていると職員が案内をしてくれた。どうやらフィクシングにはこの木製のエレベーターでオブラディまでいくらしい。
ビリー「忘れ物はねぇな?」
健司「ない…はず」
ビリー「そうだ、健司。お前にこれを渡す」
ビリーから短剣が渡された。短剣というより、短過ぎて少し長いサバイバルナイフのようにも見える。
健司「どうも…ちなみに2人の武器は?」
ビリー「俺は大剣、エリナはリボルバーだ」
エリナ「金欠なんですから我慢してくださいよ」
健司「これでどうしろと!?」
ビリー「とっとといくぞ!」
こうして第64探索部隊「グラスオニオン」の初任務が始まった。
ビリー・シアーズ
年齢 23歳
誕生日 4月6日
身長182cm
体重74kg
武器 ゲッティング・ベター(大剣)
趣味 世話、片付け
特技 勉強
好きな音楽のジャンル ブルース




