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Phase 12-11:ラストシーン

※この作品は生成AIを使用して作成されたものです

水星でも、軌道エレベーターでもない。


地球。


夕方の空。


ダイソン・スウォームのリングが、薄く太陽を縁取っている。


人工物なのに、もう誰も違和感を持たない光景だ。


ミナトはビルの屋上に立っていた。


五年前より、少しだけ背筋が伸びている。


少しだけ、迷いが減っている。


でも――


完全ではない。


空を見上げる。


あの向こう。


ブラックホールの再開発現場。


重力が光を曲げる場所。


ザルグは、そこにいる。


「ミチヤの木、か……」


ぽつりと呟く。


短命。


不格好。


すぐ枯れる。


宇宙スケールで見れば、取るに足らない種。


でも。


「果実は、悪くないんですよね?」


返事はない。


当然だ。


光速は超えられない。


ワープも、今の人類にはまだ遠い。


けれど。


距離があるからといって、関係が消えるわけじゃない。


あの図書カードは、今もザルグのポケットにある。


500円。


宇宙文明から見れば、誤差以下。


でも、それは――


人類のサイズだった。


自分の身の丈で払った対価。


対等であろうとした証。


「任務完了、か」


その言葉の重さを、ようやく実感する。


ザルグの任務は終わった。


でも。


自分たちの任務は、これからだ。


地球は、猶予をもらった文明。


試され続ける文明。


それでも。


前に進む。


急がず。


止まらず。


燃やしすぎず。


増やしすぎず。


空を見上げる。


太陽のリングが、静かに輝いている。


「宇宙は冷たい」


ミナトは、少し笑う。


「でも、悪くない」


風が吹く。


どこかで、子どもたちの笑い声がする。


火星のニュースが流れている。


誰かが、ゲームを起動する。


誰かが、詩を書く。


誰かが、失敗する。


誰かが、また挑戦する。


非効率。


予測不能。


カオス。


――でも、生きている。


ミナトは最後に、もう一度空を見上げる。


「あの空の向こうにも、きっと現場がある」


そして、小さく呟く。


「納期は、待ってくれないんでしょう?」


太陽が、ゆっくり沈む。


その輪郭を縁取る人工の光が、静かに瞬く。


銀河の納期は、待ってくれない。


それでも――


人類は、今日も間に合わせようとする。


【完】

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