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Phase 2-02 配送は物理で殴るもの

※この作品は生成AIを使用して作成されたものです

 月面の空気は、静かすぎた。


 音がない。

 風もない。

 ただ、機械だけが淡々と動いている。


 レールガンの横で、黒いブロックが次々と自動装填されていく。


 レンガより少し大きい。

 だが、持った瞬間に分かる。


「……重い」


「約二十キロだ」


 ザルグは、当たり前のように言った。


「中身が詰まっている」


「中身って……電気ですよね?」


「そうだ」


 ザルグは、ブロックを一つ持ち上げた。


「電気を、石に詰めた」


「……意味が分かりません」


「分からなくていい」


 ザルグは、レールガンを指差した。


「まず、結論から言う」


 嫌な予感がした。


「お前らの電池は、この配送方法では使えない」


「……配送方法?」


「これだ」


 長大なレール。


 月面に固定された、異様な直線。


「マスドライバー。

 電磁投射砲だ」


「……大砲じゃないですか」


「違う」


 即答だった。


「配送装置だ」


 ザルグは続ける。


「お前らのリチウムイオン電池は、中に液体が入っている」


「電解液、ですね」


「そうだ。液体は便利だ。

 だが――」


 ザルグは、ブロックを軽く放った。


 月の低重力で、ゆっくり落ちる。


「液体を大砲で撃ったら、どうなる」


 私は、想像した。


 高速加速。

 数千G。


「……中で偏って……」


「容器が歪む」


「……最悪、破裂?」


「真空中で沸騰だ」


 ザルグは、淡々と言った。


「液体を大砲で撃つのは、自殺行為だ」


 確かにそうだ。


 私は、黒いブロックを見た。


「じゃあ、これは……」


「全固体だ」


 ザルグは、床に向かってそれを叩きつけた。


 ガン、という鈍い音。


 欠けもしない。


「中身は、セラミックとポリマーの複合体」


「……石ですね」


「そうだ」


 ザルグは頷いた。


「石みたいな電池だ」


「でも……

 大気圏突入とか……」


「耐える」


「熱は?」


「耐える」


「衝撃は?」


「砂が受け止める」


 短い答え。


 雑。


 でも、筋は通っている。


「配送に必要なのは、初速だけだ」


 ザルグは操作パネルに向かった。


「照準、地球」


 画面に、日本列島が映る。


「日本……?」


「鳥取砂丘」


「……観光地じゃないですか!!」


「人口密度が低い」


「それだけですか!?」


「深い砂地だ」


 ザルグは指を動かす。


「天然の緩衝材だ」


「理屈が雑すぎます!!」


「計算はしている」


 その言葉が、一番信用できなかった。


「発射準備」


 レールガンが、低く唸る。


 真空なのに、

 なぜか音が聞こえた気がした。


「待ってください!」


 私は、必死に叫んだ。


「受け取りの許可、取ってませんよね!?

 ていうか、空から巨大な石が降ってきたら――」


「Amazonの置き配みたいなものだ」


「全然違います!!」


「警告は出した」


「誰に!?」


「地球の通信網だ」


 嫌な予感しかしない。


「本日、鳥取砂丘にて実験を行います。立ち入り禁止」


「それだけ!?」


「十分だ」


 カウントダウンが始まる。


「10」


「9」


「聞いてください!!」


「8」


「7」


「これは絶対、国際問題に――」


「3」


「2」


「1」


発射ファイア


 音は、なかった。


 ただ、青白い光がレールを走った。


 次の瞬間。


 黒いブロックが、

 次々と宇宙へと解き放たれていく。


 地球へ向かって、

 美しい放物線を描きながら。


「……」


 私は、呆然とそれを見上げた。


「……これ」


 一言しか、出なかった。


「絶対、

 攻撃だと思われますよね」


 ザルグは、満足そうに頷いた。


「うむ」


「うむ、じゃないです!!」


「だが、配送は完了する」


 その時だった。


 ザルグの端末が、赤く点滅した。


「……ほう」


 画面には、地球側の情報。


「月面からの質量物接近。

 迎撃準備」


 私は、血の気が引いた。


「迎撃……!?」


「当然だな」


 ザルグは、どこか楽しそうだった。


「次は、説得のフェーズだ」


 私のスマホが、震えた。


 ――官公庁専用ホットライン。


 嫌な予感しかしない。

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