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Phase 11-09:暫定昇格と観察処分

※この作品は生成AIを使用して作成されたものです

審査艦は、まだ去っていなかった。


勝利の余韻が、

宇宙に完全に広がる前に――

現実が、もう一度口を開く。

――――――――――――――――――――

委員長の声が、再び全地球に響く。


さっきよりも低く、

さっきよりも淡々と。


感情が削ぎ落とされた、

査定結果の読み上げだった。


『太陽系第三惑星文明』


『迎撃行動を確認』


『絶滅回避を確認』


『生存能力、基準値を超過』


世界のあちこちで、

人々が息を詰める。


ミナトは、

その言葉の“続き”を知っていた。


合格なら、

もっと明るい言い方をする。


これは――

通知文だ。

――――――――――――――――――――

『よって判定を下す』


一拍。


『Type II文明への正式昇格は認めない』


その瞬間、

地球のどこかで誰かが息を呑んだ。


ザルグは、

目を閉じなかった。


来ると、

分かっていたからだ。

――――――――――――――――――――

『ただし』


この言葉が、

最も残酷だった。


『本文明は、

剪定基準から一時的に除外する』


『判定区分:暫定昇格・観察処分』


歓声は起きない。


なぜなら、

それが「喜んでいいのか」

誰にも分からなかったからだ。


委員長は続ける。


『貴文明は、

効率的でも、合理的でも、理想的でもない』


『だが――

予測不能であり、変化余地がある』


『それは、

現段階では「害」ではない』


その言い方は、

あまりにも正確で、

あまりにも冷たい。

――――――――――――――――――――

ザルグは、静かに問い返す。


「……それは、

合格ではないということか?」


委員長は即答した。


『違う』


『合格ですらない』


『猶予だ』


その言葉が、

地球の空気を一段冷やした。

――――――――――――――――――――

『観察期間:100年』


『その間、我々は干渉しない』


『同時に、救済もしない』


『進歩するも、停滞するも、滅びるも――

すべて貴文明の自由だ』


ミナトは、

思わず口を開く。


「それって……

また試されるってことですか?」


委員長の視線が、

初めて一人の人間に向けられる。


『違う』


『試験は終わった』


『次は――

自己責任だ』


それは、

祝福ではなかった。


期待でもなかった。


ただの、

放置。

――――――――――――――――――――

『覚えておけ』


委員長の声が、

少しだけ低くなる。


『宇宙は、優しくない』


『正義で裁かれることはない』


『善悪ではなく、

有害か無害かで判断される』


『そして――』


わずかな間。


『無害であることは、

永続的な保証ではない』


審査艦の周囲で、

空間が歪み始める。


ブラックホールエンジンの、

起動兆候。

――――――――――――――――――――

『100年後』


『再評価を行う』


『それまでに』


『貴文明が――

面白い存在であり続けるかどうか』


その一言が、

静かに突き刺さった。


面白いかどうか。


生きる価値ではない。

正しいかどうかでもない。


退屈かどうか。

――――――――――――――――――――

審査艦は、

何事もなかったかのように

宇宙の闇へ溶けていく。


光も、音も残さず。


ただ、

「監視対象」という

見えないタグだけを残して。

――――――――――――――――――――

地球。


ミナトは、

しばらく黙っていた。


「……勝ったんですよね?」


ザルグは、

すぐには答えなかった。


そして、こう言った。


「いや」


「生き延びただけだ」


ミナトは、苦笑する。


「ですよね」


「なんか……

ラスボス倒した後に

“裏ダンジョン解放”って言われた気分です」


ザルグは、

その言葉に少しだけ救われた。


「……いい感覚だ」


「多分、それが一番近い」

――――――――――――――――――――

空は、元に戻っていた。


太陽は、普通に輝いている。


だが――

もう誰も、

その光を「無条件のもの」だとは思わなかった。


猶予は、

祝福じゃない。


カウントダウンの始まりだ。

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