Phase 11-04:最終試験・小惑星投下
※この作品は生成AIを使用して作成されたものです
それは、宣告ではなかった。
実行だった。
審査委員長の声が、淡々と続く。
『基準は提示した』
『次は、確認だ』
モニターが切り替わる。
太陽系の外縁。
静かで、何の変哲もない暗闇。
――次の瞬間。
空間が、歪んだ。
何かが、放たれた。
ミナトが叫ぶ。
「……今の、何ですか!?」
ザルグは、画面から目を離さない。
「……小惑星だ」
委員長が補足するように言う。
『最終試験』
『迎撃、回避、破壊――手段は問わない』
『ただし』
一拍。
『AIの介入は禁止』
ミナトの背中を、冷たいものが走った。
「……貸してくれない、ってことですか?」
『貸さない』
『助言もしない』
『最適解も提示しない』
『見るのは一つだけだ』
声は、相変わらず無感情だ。
『生き残れるかどうか』
モニターに、数値が並び始める。
直径:350メートル
推定質量:6000万トン
相対速度:秒速20キロメートル
到達予測時間:72時間
ミナトは、数値を見て理解した。
「……避けられない」
ザルグが、低く言う。
「正面から来ている。
軌道変更の余地は、ほとんどない」
『衝突エネルギー』
数値が更新される。
TNT火薬 510メガトン相当
広島型原爆――
約3万発分。
ミナトの喉が鳴った。
「……それ、文明……」
「終わりますよね?」
ザルグは、答えなかった。
代わりに、事実だけを置く。
「大陸規模で壊滅。
気候は数年単位で崩れる」
「人類の90%以上は、死ぬ」
沈黙。
委員長が、最後に付け加える。
『これは攻撃ではない』
『宇宙では、よくある事故だ』
『Type II文明なら、
対処できて当然の事象』
ミナトは、思わず笑った。
「……理不尽すぎるだろ」
『理不尽ではない』
『自然条件だ』
『宇宙は、説明責任を負わない』
ザルグが、歯を食いしばる。
「……つまり」
「ここで死ねば、それまで」
委員長は、肯定も否定もしない。
『結果が、答えだ』
『生き残れば、観察対象』
『滅びれば――』
一瞬、通信にノイズが走る。
『剪定完了』
映像が切れる。
残されたのは、
刻一刻と近づく赤い軌道線だけだった。
ミナトが、震える声で言う。
「……誰も、助けてくれないんですね」
ザルグは、ゆっくりと振り返る。
「違う」
「助ける資格があるかどうかを、
見られている」
ミナトは、拳を握った。
エネルギーはある。
技術も、残っている。
だが――
指示する神はいない。
攻略サイトもない。
正解表示もない。
あるのは、72時間。
そして、
自分たちが何を選ぶ文明なのか。
空の向こうで、
小惑星は、黙って落ちてくる。
それは怒りでも、悪意でもない。
ただの、試験問題だった。




