Phase 10-09:来訪者(剪定予告)
※この作品は生成AIを使用して作成されたものです
強制日食から、十三分後。
世界が少しだけ明るさに慣れ始めた頃、
空が、もう一度“変な色”になった。
星空ではない。
雲でもない。
空そのものに、
幾何学的な歪みが走った。
まるで、
現実の解像度が一段落ちたような——
そんな違和感。
最初に気づいたのは、天文台だった。
「……太陽系外縁部に、
未知の質量反応」
「速度……ありえない。
ワープでも、亜空間でもない」
「直進している?」
解析が追いつく前に、
それは“近づきすぎた”。
ザルグの端末が、
これまでにない警告音を鳴らす。
赤ではない。
黄色でもない。
無色。
感情を排した色。
《高エネルギー文明検知》
《カルダシェフ等級:審査対象》
《対象:太陽系》
《評価理由:恒星エネルギー直接利用開始》
ミナトが息を呑む。
「……審査?」
ザルグは、すぐに答えなかった。
窓の外。
日食状態の太陽の向こう側。
そこに——
何かが“映らない形”で存在している。
「……来たか」
低く、呟く。
「誰ですか」
「銀河連盟・カルダシェフ等級審査委員会」
ミナトは、聞き返す。
「……それ、敵ですか?」
ザルグは、首を振った。
「違う」
「味方でもない」
少し間を置いて、こう言った。
「効率屋だ」
通信が、強制的に開かれる。
だが、映像は出ない。
音声も、人格も、ない。
ただ、文章だけが表示される。
《審査目的》
文明の存続可否判定
判定基準:
・銀河全体へのリスク
・エネルギー効率
・複雑性生成能力
《感情・道徳・正義は評価対象外》
ミナトが、声を震わせる。
「……正義とか、悪とか、
そういうのは……?」
「ない」
ザルグは即答した。
「宇宙は忙しい」
《暫定評価》
太陽系文明:
・高エネルギー取得能力:達成
・自己管理能力:不安定
・外部拡張意欲:低
《分類候補:停滞型文明》
停滞。
その単語だけが、
異様に重かった。
《処置案》
A:観察継続
B:技術制限
C:剪定(文明単位消去)
ミナトの喉が、鳴る。
「……Cって……」
ザルグは、目を逸らさなかった。
「太陽ごと消す」
「燃やすわけじゃない」
「“回収”する」
《最終判定までの猶予》
太陽系時間換算:
72時間
通信が、切れる。
何の余韻も残さず。
沈黙。
強制日食より、
よほど重い静けさ。
ミナトが、かすれた声で言う。
「……私たち、
裁かれるんですか?」
ザルグは、ゆっくり頷いた。
「善悪じゃない」
「正しさでもない」
「——使えるか、邪魔かだ」
窓の外。
欠けた太陽が、静かに燃えている。
その光は、
もう“祝福”には見えなかった。
「……ミナト」
ザルグが言う。
「これが、
本当のカルダシェフ・スケールだ」
「上に行くほど、
優しさは消える」
宇宙は、優しくない。
ただ、静かに——
刈り取るだけだ。




