Phase 8-06: ゲームが文明を越える
※この作品は生成AIを使用して作成されたものです
――「相対性理論をハックしましょう」――
水星基地。
完璧に静まり返った休憩室。
完璧に冷えた地球。
完璧に速い処理。
完璧に変わらない Ping。
ミナトは、天井を見上げた。
「……光、遅くない?」
ザルグが、ぴくりと反応する。
「何だと?」
ミナトは、真顔だった。
「いや、だって」
「宇宙で一番速いって言われてますけど」
「10分ラグは、普通に遅いじゃないですか」
ザルグは、腕を組む。
「それは物理定数だ」
「文句を言う対象を間違えている」
ミナトは、起き上がった。
「じゃあ、ハックしましょう」
「……は?」
―――――――――――
『禁断の発言』
ミナトは、指を一本立てる。
「相対性理論を」
ザルグは、完全に固まった。
「……お前」
「今、何を言った」
ミナトは、淡々と続ける。
「処理は光で解決しました」
「距離は、光速が邪魔してます」
「つまり」
「光速制限がボトルネックなんですよ」
ザルグのこめかみが、ぴくぴく動く。
「それは」
「宇宙の根幹だ」
「因果律が壊れる」
「時間が前後する」
「文明が滅びかねん」
ミナトは、即答した。
「でも、ゲームは?」
―――――――――――
『沈黙』
しばしの沈黙。
水星の外では、太陽が燃えている。
ザルグは、ゆっくり息を吐いた。
「……目的は何だ」
ミナトは、胸を張った。
「ラグなしでゲームがしたいです」
ザルグは、頭を抱えた。
「馬鹿な……」
「タキオン通信だぞ?」
「超光速粒子は、理論上の存在だ」
「未観測だ」
「扱えば、時間逆行が起こる可能性すらある」
ミナトは、少し考えてから言った。
「……じゃあ」
「リプレイ見直し放題ですね」
―――――――――――
『評価』
ザルグは、ゆっくり顔を上げた。
「……ミナト」
「お前のその発想は」
「科学者ではない」
「軍人でもない」
「管理者でもない」
一拍置く。
「純粋な遊びだ」
ミナトは、にやっとする。
「褒めてます?」
「……認めている」
ザルグは、渋々言った。
「文明はいつも」
「“必要”ではなく」
「“遊び”から飛躍する」
「火も」
「文字も」
「計算機も」
「最初は、無駄だった」
ミナトは、親指を立てた。
「じゃあ」
「タイプIII文明、狙えます?」
ザルグは、苦笑する。
「……遊びへの執念だけなら」
「お前は、すでにタイプIII文明級だ」
―――――――――――
『そして現実』
そのとき、警告音が鳴った。
モニターに表示される進捗バー。
Dyson Swarm:第一期 完了率 92%
ミナトが目を輝かせる。
「おおっ、もうすぐ完成じゃないですか!」
「これでエネルギー問題も――」
ザルグは、画面を睨んだまま言った。
「……いや」
「まだだ」
ミナトは、不安そうに聞く。
「何か問題が?」
ザルグは、静かに答えた。
「受信機がない」
「……はい?」
―――――――――――
『次の地獄』
ザルグは、説明を始める。
「ダイソン・スウォームは」
「エネルギーを集める」
「だが、集めただけでは意味がない」
「地球へ送る必要がある」
ミナトは、嫌な予感がした。
「……どうやって?」
ザルグは、さらっと言った。
「マイクロ波だ」
「巨大なビームで、一気に送る」
ミナトは、青ざめる。
「それって……」
「宇宙規模の……」
「電子レンジ?」
ザルグは、うなずいた。
「正確には」
「超高出力マイクロ波送電だ」
「受け取るには」
「地上に巨大な**レクテナ(整流アンテナ)**が必要になる」
ミナトは、天を仰いだ。
「……また」
「燃えません?」
ザルグは、胸を張った。
「計算上は、安全だ」
ミナトは、即座に叫ぶ。
「その計算が信用できないんです!!」
―――――――――――
モニターには、太陽を取り囲む無数の光点。
完成に近づくダイソン・スウォーム。
そして――
まだ存在しない、受信機。
ミナトは、小さくつぶやいた。
「……ゲームのために始めた話が」
「なんで、地球を焼く話になるんですかね」
ザルグは、いつもの調子で答える。
「文明とは、そういうものだ」




