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Phase 1-01 五分で戻る予定だった

※この作品は生成AIを使用して作成されたものです

 二十年前の夏。


 ミナトは、近所の公園のベンチで画用紙を広げていた。


「……あー、もう時間ないし……」


 セミの鳴き声がうるさい。

 宿題は終わっていない。

 明日はもう、始業式だ。


 画用紙の上には、意味の分からない線がいくつも引かれていた。


 六角形。

 渦を巻くような螺旋。

 重なり合う点と点。


 自分で描いたはずなのに、

 どういう仕組みなのかは、よく分からない。


「なんだっけ、これ……」


 ミナトが消しゴムを探した、そのときだった。


 影が落ちた。


「――おい」


 聞いたことのない声。


 振り向くと、

 そこに“人”ではない何かが立っていた。


 背が高く、細く、

 目が不自然に光っている。


「……え?」


「安心しろ。

 危害を加えるつもりはない」


 そう言われて安心できるほど、

 ミナトは大人ではなかった。


「……なに?」


「少し、時間がない」


 その存在――ザルグは、

 ミナトの画用紙をのぞき込んだ。


「……ほう」


 目の光が、わずかに強くなる。


「やはり、この星にも

 “素体”は存在したか」


「そたい?」


「気にするな」


 ザルグは、

 自分の持っていた薄い板状の物体を取り出した。


 透明で、

 触ると少し温かい。


「これを預ける」


「……なにこれ」


「設計図だ」


「せっけいず?」


「理解できなくていい」


 ザルグは、あまりにも軽く言った。


「量子計算機の基本構造。

 これがあれば、この文明は一段階先に進める」


「……」


 ミナトは、よく分からないまま受け取った。


 紙……ではない。

 でも、絵みたいなものが表示されている。


「だいじなやつ?」


「銀河規模では、な」


「……」


「だが心配するな」


 ザルグは、空を見上げた。


「忘れ物をしただけだ。

 すぐに戻る」


「すぐって?」


「五分もかからん」


 ミナトは、その言葉を聞いて、

 なぜか少し安心した。


「じゃあ……」


 ザルグはもう、振り返っていた。


「それまでに、

 適当な形で残しておけ」


「てきとう?」


「文明は、

 後から理由をつけるものだ」


 次の瞬間。


 空気が歪み、

 ザルグの姿は消えた。


 セミの声だけが、元に戻る。


「……夢?」


 ミナトは、

 手の中のそれを見た。


 よく分からない図形。


 意味は分からない。


 でも、

 なんとなく――


「……きれいだな」


 そう思った。


 ミナトは、

 その図形を画用紙に写し始めた。


 自由研究の欄を、

 とりあえず埋めるために。


 その夜、

 ミナトは宿題を終えた。


 そして、

 元のメモは捨てた。

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