友愛と夢のプロローグ
愛夢かいざは変わり者少女にして、変身ヒーローである。というと、まるで変わり者だから自分を変身ヒーローだと思い込んでいる人だと思われてしまうかもしれないけれど、そうではなく、「にして」だ。彼女は話の通じない変身ヒーローである。
現状、私のほうが話の通じない人だと思われているかもしれない。
そうではなくて、私はめちゃくちゃ話のわかる、ただの十六歳の高校二年生だ。小柴未来来と書いてこしばミラクルと読むふざけた名前も、いまは好きで名乗っているわけじゃない。いくら言っても、信用してもらえないかもしれないけれど……。
とはいえ、語らないわけにもいかない。
いくら素性の知れない小説の中の登場人物に話しかけられるのが不気味でも、なんとか我慢して先に進んでほしいところだ。ほら、前半は全然意味わかんないのに、後半はすっごい面白い小説ってあるでしょう?
私のことは、なんとか好きになってほしい。
そうだったら、嬉しいから。
さて、ここでいくら話しても仕方ないので、ぼちぼち本編に移るとしよう──いまから始まる一つ目のお話は、まだ中学二年生だった頃の私が、別世界で悪と戦っている戦士、愛夢かいざと会ったときの記録である。
そして、何より大事なことに。
私がはじめて、別の世界の人間と明確なコンタクトをとったときの話、でもあるのだ。
自分のことを語るのは難しいけれど、なるべく、当時の私の感情に寄り添った状態で話してみる。
それでは、愛夢かいざの物語を始めよう。
開幕。
〈あとがき〉
やっとこさ始まりました。
次回から前書きで、小柴ミラクルマルチバースのゆかいななかまたちを紹介していきます。章番号が変わるごとにお一人。読まなくてもいいです。次回は主人公たる小柴未来来、その次は弟くん。お楽しみに!
お願いします!ほんとに!ほんとにこの小説おもしろいんです!!嘘じゃないんで!!!
きっとまた来てくださいね、それでは!