表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
170/239

第170話 【攻略対象 最高神リュザス】秘密の会議は不可能なのか!?


 黒い青年が尖塔を追われた直後、プペ村をまるごと包む巨大な瘴気溜まりが発生し、()が事も無げに消し去った。


 前後して、王都の空は曇りの日が続き、僅かな晴れ間も今まで以上に鈍色がかった空と化した。


 それは、光の聖なる祝福と、太陽の恵みを大地にもたらす「陽の宝珠(オーブ)」が、力を失っていることの証左であり、穢れた「陽の宝珠(オーブ)」の化身である黒い青年が力を増したことを意味している。


 レーナの呼び掛けにより、王城の客室のひとつに、エドヴィン、プチドラ、アルルクが集められた。


 この部屋は、黒い青年に狙われる可能性が高い聖女レーナの警護のため、仮住まいとして国王から与えられている。


「ゲームよりこの世界(ダンテフォール)の崩壊が早い気がするの。だからわたしは一刻も早くリュザス様に会わなきゃいけないのよ」


 「憑いてる」の意味をプチドラに問い質したレーナは、ようやくこの世界での推しの存在を確信することが出来た。自分に纏わりついている「虹色の力」は、相変わらず見ることも感じ取ることも出来ないのだが。


「リュザス様が居るのなら、ぜぇったいに逢いたいし! 世界の崩壊を止める、達成できなかったルートを見付けることが出来るかもしれないし!!」


 力強く宣言するレーナの声が、人払いをした室内に響き渡る。


「レーナ嬢、一体君は何を知っているんだ?」


「レーナ様、水くさいです! 同じ聖女の私にはお声がけくださらないのですか!?」


「やはり私の目に狂いはなかった。陛下に報告された聖女としての能力は、貴女の真なる力のほんの断片ですね」


 不意に、何もなかったはずの部屋の隅から、続々と想定外の人物が現れた。ひとつところではなく、バラバラの場所から。


 クラウディオ王子、シルヴィア、そしてバルザックだ。隠遁していた3人は共謀したわけではないらしく、軽く目を見開いて互いを見交わすが、すぐに頷きあってレーナへ視線を集める。


「いやいやいや、何よそのアイコンタクト!?」


 思わず突っ込むも、3人は悪びれる様子もない。そしてエドヴィンとアルルクは、気付いていなかったレーナの方が意外とばかりに、肩をすくめてみせる。

 シルヴィアとバルザックは魔法で姿を隠していたが、クラウディオ王子は隠し通路で息を殺していただけなのだ。


 クラウディオ王子が黒く口を開けた背後の壁に手を触れると、あっという間に綺麗な壁に覆われてしまう。


『お城に育った王子様を、ここで出し抜くのは無理みたいねー』


 揶揄いながら空中を軽やかに舞って、プチドラがキャラキャラ笑う。


「けどねー」


 言いかけたレーナの目の前で、プチドラが『あ』と短く一声を発して全身を強張らせる。


『やられた……。あいつ、あたしが 飲み込まれたわ』


 呟きながら、力なくペタリと床に落ちた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ