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第143話 【攻略対象 隠しキャラ?】プロムナード


 レーナとプチドラらによる聖地巡礼では、王城に祀られている宝珠(オーブ)を確認することは出来なかった。だからこそ「いつか絶対にチャンスをつかむ!」と心に闘志を燃やしてひと月。




 意外にも、あっさりと王城へ入るチャンスは巡って来た。




 ―――――

『告知』


 白銀の月25日、王立ダルクヴィスト貴族学院の全学生を招き、ベルファレア王国城舞踏会ホールに於いてプロムナードを開催する。


 学院設立以来の永きに亘り有望な人材を輩出する、王立ダルクヴィスト貴族学院。ならびに王国を護る要職を担うベルファレア王国の頭脳へと成りゆく諸君の貢献を讃える。

 クラウディオ・ベルファレア入学に際し、同輩諸君と将来の王室への絆を深め……


 ―――――


 そんな文言で始まるポスターが、学院内の掲示板各所に張り出され、全生徒へ招待状が発行されたのだ。


『やったわね、レーナ! 堂々と王城の中で宝珠(オーブ)を確認するチャンスよ!!』


「そうなんだけど、なんだか嫌な感じがするんだよねー」


 寮の自室で招待状を広げていたレーナは、浮かれるプチドラとは逆に、唇を尖らせて眉を顰めた怪訝な表情で、招待状の主催者の欄を見ている。



 ―――――

 主催 王立ダルクヴィスト貴族学院 生徒会

   クラウディオ・ベルファレア

 ―――――



 生徒会主催であるのに、生徒会役員であるレーナをはじめ、エドヴィンにもその情報は一切伝わっていなかったのだ。


 生徒会室や役員業務から距離を取ろうと腐心しているレーナに伝わらないのはまだ分かる。今まで彼女と生徒会の繋ぎ役であったシルヴィアが、レーナを遠ざけようとすれば自然とそうなるのだ。仕方がない。だが、エドヴィンは気乗りしないながらも義理堅く定められた役員会には全て顔を出していたはずだった。


「意図的にエドヴィンを排除して進められた行事に、裏があるって考えるのは不自然じゃないわよね」


『あたしの子孫とレーナを除け者にして、進められた企みがあるって言うの?』


 考えてもみなかったと気楽にキャラキャラ笑うプチドラだ。だが、レーナを目の敵にした態度を取り続ける最近のシルヴィアを見ていれば、現実味を帯びた危惧だと思わずにはいられない。エドヴィンからの話によれば、彼女は生徒会役員との会話にレーナの悪評を巧みに潜ませ、彼女の評価を下げるよう誘導している節があるというのだ。


 生徒会室へ顔を出さないのも、報告をシルヴィアへ押し付けるのも、役員業務を最小限にしか留めないのも、全て彼女が生徒会を軽んじ、怠惰な性質を持つからだと――


『全部あたってるわよね』


「そうなのよ。身に覚えがありすぎるの。だから余計に、嫌な予感しかしないわ」


 はぁーーーっと、揃って大きな溜息を吐くしかない一人と一柱だ。


『まぁ、気にしても仕方ないわね。身から出た錆なんだから、ヒロインちゃんの文句も謹んで受けるしかないんじゃない?』


「だよねー。全く否定できないんだもの。平凡(モブ)村娘であり続けるのも楽じゃないわー」


 肩を落としつつも、前向きなレーナだ。待ち望んだ機会、城へ行かないという選択肢は無い。文句を言われようが、モブであるレーナと、プチドラにとっては、王城へ入れる稀有な機会を逃さないことこそが重要なのであった。

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