表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
全裸最強オンライン  作者: なんぶ
1/1

【モラル高い変態と肌触りに敏感な変態が脱ぎます】

 人はなぜ、服を着るのか。

 我々人類は、今まで、発展と共に服を重ねていった。

 寒暖から身を守るため。

 清潔に保つため。

 自分の地位を表すため。


 もう一度あなたに問いたい。

 人はなぜ、服を着るのか。

 あなたはなぜ、服を着ているのか。


 服を捨てよ。

 町へ出よう。


 全裸最強オンライン、開始します!



 「アカウントどうよ? 作れた?」

 「今初期装備の色決めてるから待って」

 「オッケー。ちょっと最初の街うろうろしてんね」

 「はーい」

 「あっ死んだ」

 「早くね? 魔物いんの?」

 「フード取ったら寒さで死んだ」

 「よっわ」

 「健康値マイナスになると死ぬっぽい」

 「周りに人いる時に脱いでも死ぬんだっけ?」

 「それもあるわ。社会値? もマイナスになってる」

 「あ、そろそろ入るよ」

 「りょーかい」



 雪の降る町、セキソー。

 「色真似すんなよ」

 「俺いつも青じゃん」

 「水色と青は違うべ」

 「同じだよ! 画面で分かりづらいだろ」

 「いーよ2人しかいないんだから視聴者もそれぐらい見分けるって」

 「どーせ字幕入れる編集する未来見えてるよ」

 「待って音声入ってなくね?」

 「マジ?」

 「あ、入ってた」

 「了解。はい、どうも〜。今日は全裸最強オンラインです」

 「脱ぎたい」

 「通報しよっか?」

 「心から、脱ぎたい」

 「というわけで、シンプルに言うと脱ぐと強くなるゲームです。今アカウント作ったばっかだから見て! 暑苦しいダウンコートとニットとゴーグルとマフラー!」

 「自分の顔すらわかんないよね」

 「お前何かっこつけてピーコート着てんの」

 「かっこつけてねえよ!」

 「何がピーコートだ」

 「うるせえな! この前のコーデ動画でセンス終わってたやつに言われたくねえ」

 「始まってるから」

 「やかましいわ」

 「あ! 見て! 噴水の後ろ!」

 「何? あー!!」

 「脱いでいる方が!!」

 「近づいてレベル見よ! うっわLV234だって」

 「LV100以上になると実質全裸になれるんだよね」

 「すげー! タトゥー消去実績も解除してる! マジのありのままじゃん」

 「海外の方かな? あれ? 何か送られてきた」

 「俺も」

 「ボディークリームて!! 激レアじゃん」

 「レベル低くて使えない!!」

 「何、高みまで登って来いよってこと?」

 「師匠ポジじゃん。すげー。マジシャンクスです」

 「シャンクスでーす」

 「はい、というわけで乞食行為もほどほどにして、まずはレベリング!」

 「どこに行けばいいの?」

 「病院で健康診断受けましょう」

 「急に厚生労働省みたいなこと言い出した」

 「健康診断を受けることで自分のステータスが分かります。アカウント作成時に自分のステがランダムで決まってて、えっと、画面編集で出しますね。寒冷、温暖、モラル、肌触り、オシャレの5つのステータスがあります。で、どれか1つは高いです。最終的にどれもマックスまで上げると無事全裸になります」

 「無事全裸というパワーワード」

 「例えば、モラルが高いと人前で脱いでも死ににくいとかね」

 「すごい混乱する表現だ。むしろ逆だよ」

 「肌触りが高いと服を着ていることがストレスになり死にやすいです。だけど寒冷耐性・温暖耐性が低めでも脱げるメリットもある」

 「情報の大渋滞だ」

 「オシャレが高いと脱ぎづらい! オシャレしたいから。やかましい欲を捨てろ!」

 「オシャレ値高いと得するのはカラバリ増えるぐらい?」

 「魔物に見つかりにくくなるんだって」

 「お、健康診断終わりましたー」

 「モラル高かったわ」

 「やば変態の才能あるよ。俺は……肌触り!」

 「お前も変態じゃん」

 「動画タイトル決めたわ。【モラル高い変態と肌触りに敏感な変態が脱ぎます】にしよう」

 「BANされそう」

 「はい、じゃあ実際に町の外に出てみよう!」



 「魔物? か? プレイヤー?」

 「名前出てないから魔物じゃない?」

 「あ! 魔物だ! めっちゃダウン着てる。お揃いじゃん」

 「あー! フード取れた! HP減った! クソザコ体質だ! フードないぐらいで寒がるな!」

 「倒せたー、あぶな。二人でもまあまあ減ったな。これ自動回復はすんの?」

 「自動回復はLV50にならないとできません。なので、服屋さんに行きます」

 「服買いに行くんだ」

 「序盤はまず回復用の服を買う金をまず貯めなければ」

 「ボディークリーム売らね? 9800ラフだよ」

 「お前っ、師匠からの品を!」

 「売りましたー」

 「人情のかけらもないムーブ」

 「青空バックにして師匠写しとこ。サムネそれにしよう」

 「殺すな殺すな」

 「師匠のこと絶対忘れません。マジシャンクスでした」

 「今日の午後には忘れてそう」



 Now Loading…

 Tips

 昔のオリンピックは全裸だった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 昔のオリンピックは全裸だった。 他につけ加えなら、ヌードデッサンは全裸の絵を描くのです。 モデルは女性だけでなく、男性の場合もあります。 ヌードデッサンは年齢制限はありません。 中学生がヌ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ