表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

出会い


次に亜莉愛が目覚めたのは、真っ赤な薔薇が一面に咲いている花畑だった。


「…ここ……は………?」


辺りを見回すと、すぐ側には先程まで亜莉愛がいた廃墟の館とそっくりな洋館がそびえ立っていた。

洋館の回りにはコウモリが飛んでいて、昔絵本で見たお化け屋敷によく似ていた。


「…そこで何をしている。」


不意に背後から声が響いた。

亜莉愛はびくっと肩を震わせ、恐る恐る振り向いた。


鎖骨あたりまで伸びた漆黒の髪の毛。

そしてそれに合わせるように真っ黒なスーツとマント。

亜莉愛とは対照的である、緋色の瞳。


あまりにも美しく、人間離れしている男性がそこに立っていた。

亜莉愛は状況が掴めず、ただ黙って見ていることしか出来なかった。


「…おい、聞こえなかったのか。お前はそこで何をしている。」


男性はもう一度聞いた。


「……分かりません…気づいたら……ここに…いました……」


亜莉愛は消え入りそうな声でそう答えた。

まさか自分が鏡に吸い込まれ、この世界にやってきたことなど知らないのだから。


「…ちょっとこっちに来い。詳しく話を聞かせろ。」


男性は有無を言わせない口調と表情で亜莉愛に告げた。

そしてくるりと踵を返し、スタスタと洋館の方へ歩いていってしまった。


「…!」


それを亜莉愛は急いで追いかける。


「…あの人は、きっと大丈夫な気がする…」


亜莉愛の中の勘が、そう呟いた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ