40*僕の前から消えてくれ
放課後。
ふたりを心配させないためにも、急いで帰りたい欲を抑えながら一緒に帰路についた。
最後にアリスと別れて、私は自分の家ではなく姫魚さんの家へ向かうことにした。
…連絡先と、過去のこと。
両方正直に聞こう。
伊野先生ばかりを頼るなんて調子が良すぎる。
姫魚さんのマンションにたどり着き、私はふーっと短く息を吐き出す。
意を決して部屋番号を入力し、インターホンを押そうとしたその時だった。
「白雪さん…」
「姫魚さん!!あ、えと、昨日はご心配おかけしましたっ!」
「…気にしないで。きっと疲れてたんだよ。…それじゃ」
仕事で疲れているのか、姫魚さんは目を伏せたままマンションの中へ入っていこうとする。
私は自分の要件を思い出して、慌てて引き止めた。
「え…あ、ああ待って!待ってください!」
「…なにかな」
「2つ要件があります!お仕事で疲れてると思うんですけど…聞いてもらえませんか」
「…ごめん。もう僕に話しかけないでもらえるかな?」
「え…?」
そう言いながら振り返った姫魚さんの表情は、ひどく苦しそうで、悲しそうで。
「話しかけないで」と冷たく言う癖に、その声は私を突き放すには弱すぎた。
…姫魚さんはまた、無理をしようとしてるのかな。
「じゃあ、もっと酷い言葉で私を突き離してください」
「…白雪さん」
「姫魚さん。姫魚さんが苦しそうな顔をするのは、私のせいですか?…姫魚さんの記憶に、過去の私がいるからなんですか」
「っ…」
「一つ目の要件は、これです。姫魚さん、過去の私はあなたとどういう関係だったんですか」
姫魚さんの瞳は、悲しそうに揺らめいている。
言いたくない、言いたくない。
そんな心の声が聞こえてきそうなほど、苦しそうだった。
「…白雪さん」
「はい」
「僕は…君が幸せであることが幸せなんだ…。だから、お願い…。何も知らずに、君が傷つく前に、僕の前から消えてくれ…」
そう言って、姫魚さんはマンションの中へ消えていく。
私はその後ろ姿を、呆然と眺めた。
__僕の前から消えてくれ…。
姫魚さんの言葉と表情が脳内でリピート再生された。
…これは多分、姫魚さんの優しさだと思う。
記憶を呼び戻すことが私にとっての不幸であり、その不幸には姫魚さんが関わっている。だから、私を突き放した。
そういう事だと分かってはいる。
「ふ…うう…」
…わかっていても、悲しくて寂しくて苦しくて、涙が止まらない。
今日は暖かいですね、おはようございます柊です。
そろそろGWっすね!!
社会人の皆さんは昨日からですかね。
私は明日明後日と学校に行けば晴れてGWです!!!!
素晴らしい!!!全部部活だ!!!くっそぉおお!!!
GWと言えば、アリス一家は母国に旅行に行きます。
彼女の家、金持ちなんすよ!
眠森くんは前までは女の子と遊んでました。と言うか無理やりカラオケに連行されてたんすねー。
ということで、さあ次回からは姫魚さんsideです。ついに過去の話に突入し始めます。
次回もお楽しみに!




