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白雪姫が目を覚ますまで。  作者: 柊玲雄
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4*作り笑いの眠森くん

「つゆきが、前に、いる…!!髪いじり放題…!!ダメだ、我慢出来ない!!」

「アリスさーん…」


黒板に掲示されていた座席表は、私とアリスを前後の席としていた。


妙に興奮気味のアリスは、何故か私の髪を触りまくって三つ編みしまくっている。


「ねぇ、アリス」

「んー?」

「…今年は、いいクラスになるかな?」

「そうねぇ、きっとなるわよ。だって、私がいるんだから」

「あははっ!そうだね、絶対楽しいや」


…中学に通っていた3年間、私は1度も楽しいクラスになれなかった。

だからこそ、高校では楽しいクラスにいたい。


とにかく、アリスがいればなんとかなる!…よね。


そんなことを思いながら、ふんっと息を吐き出した直後だった。


「さっきの子だよな」

「へ?…あ、どうもです」


明るい茶髪、左耳のピアス、程よいと言われる着崩し方。


「しらゆき、つゆき…綺麗な名前だな」


声をかけてきたのは、さっきまで女子の群れに囲まれていた、眠森くんだった。


「ちょっとあんた、なに気安くつゆきの名前呼んでるわけ?」

「ちょ、アリス!大丈夫だよ、名前確認しただけだって」


威嚇モードに入っているアリスは、眠森くんをキッと睨んでいる。

それでも眠森くんは、何も見えていないかのように私の方を向いて笑っている。


…なんか。そんな無理やり笑わなくていいのに。


大変だろうな、その笑顔。


「眠森くん」

「ん?」

「笑うの、大変でしょ」

「…は?」


心底驚いたように、目を見開く眠森くん。

そして、ほんの一瞬、目をそらした。


「無理に笑わなくていいよ、普通にしててもかっこいいと思う」


本当に、素直な感想。

真顔であっても、その整った顔立ちは変わらない。


むしろ、ちょっとクールで知的な感じになっていいかも。


「…ふっ、ははっ!」

「??」


眠森くんは、ぷっと吹き出したかと思うと、お腹を抱えて笑い出す。


いつもの上っ面とは違った、くしゃっとした笑顔は、はるかに眠森くんを引き立てていた。


「うん、その方が何倍もかっこいいよ」


つられて私も笑う。

さっきまで威嚇モードだったアリスも、苦笑いに変わっていた。


「ありがとう、白雪さん」

「いえいえ。出すぎた真似を…」


…よくよく考えたら、ほぼ初対面のよくわからない女にとんでもないこと言われてるようなもんだなぁ。


少しやらかしてしまった感を持て余す。


「なぁ、白雪さん」

「ん?」


眠森くんが立ってるせいと元々の身長差も相まって、見上げる形で眠森くんを見る。



「俺の彼女になってください」



__一瞬のうちに、私の中で時間が止まった。


それは、とても素敵な笑顔の告白だった。


アリスはつゆきが大好きすぎる系女子です。つゆきがいれば何でもできるタイプ。

そんなアリスは、香山高校の学校祭で『ミス.香山』を勝ちとっております。


ハーフっていいよね

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