23*side.姫魚翠
side. 姫魚 翠
僕は朝に弱い。
いつも寝起きは機嫌が悪いし、まず起きてから10分は動かない。
けれど、今日の朝は、やけに目覚めが良かった。
なんせ部屋中が、懐かしい甘いイイ匂いに包まれていた。
「…なんの匂い?」
全く状況が理解できないが、とりあえず匂いと言えばキッチンだという安易な考えから、キッチンを覗いてみる。
「…白雪さん?」
「あっ、お、おはようございます!すみません、勝手にキッチンと食材、お借りしました」
そう言いながら、頭を下げるつゆきの後ろでじゅう〜っといい音を立てていたのは、ねっとりと卵に絡まった食パンだった。
「姫魚さん、以前に甘いものがお好きだって聞いたので…あ、あと、昨日今日のお礼を兼ねて」
つゆきははにかみながら、片方にまとめてある髪を遠慮気味に触る。
その仕草が、昔のつゆきと同じ癖で、僕は思わず見入ってしまう。
「ごめんなさい。やっぱり嫌…でしたよね?」
「え、あ、いやいやいや!全く全然!ありがとう!僕の朝はいつも適当だからすごく嬉しいよ!」
寝ぼけたまま作る朝食より100倍うまいだろう、と思う。
それに加えて、男ひとりの朝食はなかなかにわびしい。
「ならよかったですっ。あ、座っててください!もうすぐ出来るので!」
「うん、ありがとう」
言われたとおり、僕はベッドのある部屋に戻って、地べたに敷いていた布団の上に座る。
やることもなく、とりあえず手元にある自分のスマホをいじろうと、スマホをつかみ電源をいれた。
…そうして、いつもなら、電源をいれたらすぐに暗証番号を入力するのだが。
いれた瞬間、僕は固まった。
「…どうして」
僕は多分、間違えてつゆきのスマホを触ってしまったのだろう。
ロック画面が表示され、真っ黒だった画面に待ち受け画像に映しだされる。
そして僕は、そのつゆきのスマホの待受画像に、完全に思考が停止していた。
「これ…」
__そこには、僕が高校生の時に撮った、つゆきが花畑で微笑んでいる写真が映し出されていた。
みなさんおはようございます(ただいま朝の7時過ぎ)、更新を忘れていた柊です。
…すみません、反省してます。
さてここで裏話。
姫魚さんって、どうしていつもバイト先にいるんだと思います?
あ、いや、そりゃつゆきちゃんがいるからって言うのはそうなんですけど。
実は!あのカフェ、ポイント制なんです。
1回行くと1スタンプ、20スタンプ集まると、なんと!!
…店員による、特別サービス(意味深ではない)を受けられるのです!
すばらしいですね…!




