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白雪姫が目を覚ますまで。  作者: 柊玲雄
22/53

22*姫魚さんの朝は

私はふと、目を覚ました。

ぼーっと天井を眺めた後、体を起こして窓の外を見やる。

まだ外は薄暗い。手元の携帯を手に取り、電源ボタンを押すと、デジタル時計が表示される。


時刻はまだ4時26分だった。


徐々に目が覚めてくると、自分とは違う息遣いがはっきり聞こえ始める。

私は落ち着いた寝息の方__ベッドから見下ろしたところ__を見る。


そこには、当たり前だけれど、すやすやと眠る姫魚さんがいて。

改めて、私は一晩姫魚さんと一緒にいたんだなぁと思い、頬が火照りはじめる。


気を紛らわそうと違うことに気を回すと、ふと、今日が平日であることを思い出す。


…ここからは、どうやって学校に行くのかな?


「…学校、学校」


姫魚さんの仕事場は、little ordinaryとそう離れていないと聞いたことがある。

けれど家の場所までは聞いていないため、スマホのGPSを使って現在地を確認した。

地図上の紙飛行機型のアイコンは、『香山崎マンション』とかかれた敷地に止まっていた。


香山崎と言えば、アリスの家の近くだ。ということは、学校の近隣だろう。


「アリスに連絡いれたらいいかな」


そうすれば、迷わずに行けるはずだ。

そう思いながら、とりあえず某SNSのお友達欄を開き、『アリス』と書かれた欄をタップする。


メッセージを打つ枠に、


[今日一緒に学校に行かない?アリスの家の近くに泊まっててさ。どうかな?]


「送信…と」


それからネットで、お天気や今日のニュースを眺めながら、空が明るくなるのを待つことにした。


***


5時半になると、突然、ヂリリリリッとアラーム音が部屋中になり響き、座ったままボーッとしていた私を叩き起こした。


アラーム音は姫魚さんのケータイかららしい。


「んー…あー…」


不機嫌そうな唸る声とともにアラームが止められ、布団が擦れる。

それから、にょきっと、ベッドのしたから姫魚さんが現れた。


「おっ、…おはようございます」


びっくりして、のけぞりながら挨拶をする。

姫魚さんはゆっくりと私の方を向いて、顔にかかる前髪をかきあげた。


「ああ…おはよう」


いつもより低い声に、なぜか背筋がぞわりとした。


「まだ5時半…そうか、アラーム昨日のまま…。…ごめん、もうちょっと寝る…」

「お、やすみなさい?」


疑問形で返すと、姫魚さんはバタリと布団に倒れて、また寝息を立て始める。


よくわからないまま目をぱちぱちとさせてから、とりあえず、姫魚さんは朝が弱いのだと理解した。


「んー…あ、そーだ!」


私はあることを思いついて、ベッドから降り制服を取りに行く。

顔を洗ってから、脱衣所で制服に着替えて、髪を片方にまとめて留める。


「よしっ」


…ちょっとでも、喜んでもらいたいなぁ。

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