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第四話 舞い上がる翼(前編)

 「魔王様、お逃げください!」

 「しかし……」

 「50機もの大軍相手では守りきれません!」


突然の敵来襲に、砦はパニックに陥っていた

リーゼが顔を青ざめさせながら呟く


 「先程あれだけの数を破壊したのに、どうして……?」

 「恐らく、最初から圧倒的物量に任せて、王都を制圧するつもりだったのでしょうね、ヒロ様が倒されたのは、先遣隊だったのでしょう」


そこで、魔王があることに気付く

  

 「ところで、そのヒロ殿はどこに?」


さっきまでそこに居たはずのヒロが、忽然と姿を消していたのだった。


 「あの数を前に逃げ出したのでは?」

 「そんな、まさか……」


その頃、砦の正門前では、精霊機に乗った二人が、圧倒的な敵に対して立ち尽くしていた。


 「あれほどの数を揃えてくるとは、もう我等もお終いなのでしょうか……」


不安そうに話すのは、褐色肌に猫耳の女騎士、チェルシー・レミュラムである。

騎士にしては若く見えるが、精霊機の操縦適正が高かったことにより、若年ながら異例の抜擢をされたのだ。


 「弱音を吐くな、まだ負けたと決まったわけではない」


諌めるようにチェルシーに話しかけるのは、熟練の風格を漂わせた髭面に眼帯の老騎士、ガルザス・ヴィクティムである。

ただの人間であるが、光神教の考えに納得できずに魔王軍に入った、異色の騎士でもある。

 

 「だが、敵が少なくとも50機以上いるのに対して、先程見た見慣れぬ機体を入れてもこちらはたったの3機、どう考えても、絶望的な状況であることに変わりはないな」

 「だったら!?」

 「お前は撤退し、あの機体と共に魔王様を守れ、ここはワシが引き受ける」

 「たった一機で何が出来ると……」

 「この死に損ないの意地を、奴らに見せるだけのことよ」


納得できず、一緒に逃げましょうと言い張るチェルシーを、ガルザスが説得しているその時、砦から少し離れた所で整列した光神機達の中から一機、異質な機体が進み出てきた、他の機体より人間に近いフォルムをし、豪華に装飾されているその機体は、砦に向かって話し始めた。


 「私は、聖光騎士団第6騎士隊福隊長、聖騎士ベルナルド・フォークナーである、砦の魔王軍よ、大人しく投降するが良い、投降すれば、苦しまずにあの世に送ってやるぞ」

 「ベルナルド様、投降する敵を殺すとは何を!?」

 「うるさい!魔族の捕虜など取る気はない!」 


投降しても殺すなど、戦争の常識からすれば、明らかに常軌を逸した申し出であった、だが敬謙な信者である彼からすれば、当然の言動である、穢れた魔族を捕虜にするなど、最初から考えていないのだから、しかし、騎士団の規則で戦闘開始前には投降を呼びかけることになっていたため、一応呼びかけただけである

 

 「ふぅ、これだから光神教は……」

 「呆れている場合じゃありませんよ!」


そして、大して待ったともいえない内に


 「ふむ、誰も投降しないと見える、仕方がない、苦しんで死んでもらうとしよう!」


ベルナルドの合図によって、攻撃が開始され、大量の火球が、砦に向かって放たれた。

砦の前の二人や、砦の中にいる誰もが、自らの最期を悟り、諦めようとしたその時。

突如半透明の壁が砦を守るように空中に出現し、砦に向かうはずだった火球を全て防いでいた。


 「魔法障壁だと!あの範囲に一瞬で!?」


その壁を発生させ、砦を守るように立つのは、ヒロの乗るあの機体であった 


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