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【怪談・短編】箱  作者: Dostoicski
<3>
8/10

<4>(2)【※前話必読/ネタバレを含みます】

(2)


〈ぼくは幽霊なんかじゃない……ぼくは、現実には存在しないんだよ〉


「?!」


 その言葉を聞いて、私は思わず子を胸元から引き離した。

 私に似た男の子の目には、憐れみの色が浮かんでいた。


〈ぱぱが自分の子供だと思い込んでたから、ぼくに見えてただけだよ。

 他のみんなには、初めからずっと、ちゃんと『あっち』が見えてたんだ……〉



「何……? 何だって……?」


〈ぱぱは箱にふしぎな力があると思ってたでしょ?

 だから箱を開けて『理想の子』が出てきた時、『箱の力のおかげだ』って……〉


〈そう思うことでやっと、『本当の姿』を受け入れることができたんだ……〉


「おい、何を言って……あっ!」



 子は謎めいた言葉を残すと、棺桶の中からすっと立ち上がり、闇の中へと紛れてしまった。

 私も子を追おうと身体を起こし掛けたが、棺桶の壁にぶつかり、阻まれた。


「な、何なのだ。子の言っている事は、一体――」


 そこで、ブツ、と電気が落ちたかのように、私の意識は途切れた。



お読みくださりありがとうございます。

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