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(3)
やがて私が定年を迎えた頃。息子も結婚し、孫ができた。
両親の遺してくれた家で共に暮らし、忙しい息子夫婦に代わって私もよく孫の面倒を見ている。
息子に似て利発で美しい、自慢の孫だった。
だが、――
ガシャン。
「これ!」
「おじいちゃん、ごめんなさぁい! わぁい!」
孫が6つになると、段々と悪戯癖が出てきたのだった。
容姿は変わって見えても、やはり元は「あの子」か――
……私は数十年ぶりに木箱の鍵を取り出した。
***
「ここ初めて入るお部屋だよね?」
「ふふ」
物置の錠を外す私の横で、孫が無邪気にはしゃぐ。
「わー、何かいっぱいあるよ」
開き戸を開けて中の灯りを付けてやると、孫は自ら中へと飛び込んでいった。
その後ろで、クン……と臭いを嗅いでみる。
孫はすぐに例の木箱を見つけると、目を輝かせた。
「大きな箱! 何が入ってるの?」
「さあ……何が入っているかな?」
にこにこと返事をしながら、鍵を挿し、ゆっくりと回していく。
私もずっと、気になっていたよ。
あの子は、どうしてしまっただろうか?
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