変わる世界
世界が変わってしまうことには
洋服を着替えるみたいな気安さはなくて
昨日と違う今日は
噛み締める前に端から零れていく
繰り返すはずの日常もただの虚構に変わり
息をすることさえ億劫になる
夢や希望も虚しいものと投げ捨てそうになって
やめた
命に限りはあっても生き方に限りはない
あしたの天気すら誰も知らないと思い出した
朝はやがて夜になる
夜の次には朝が来る
何処にもないものを思い悩むのもやめて
手の届く洋服に手を伸ばして靴を履いてドアを開け放つ
佇む空気と風に運ばれる匂い
変わりゆく世界がそこにある