9話 欠けているもの
今回でソリットくんの暗い部分を全部出します。うまく伝わってるかどうかは…知りません。
9話 欠けているもの
「おはよ〜」
「おはよ、ふふ。まだまだ眠そう…」
「うん」
7話の時の何かをまだ隠していると言う感覚になってから数ヶ月…
いまだに進展なしである。別に無理やり引き出そうと言うわけでもないけれど…
「すいせ〜い…」
ま、この眠たいソリットくんをあの日以降結構頻繁に見られるようになっだけいいか。
描写されていないところで言うと本当に1から3話のソリットくんは本当にお人形さんって感じだった。
「ん?すいせい…?なやみごと?」
本当に無口で感情がなくって…目の色がもっと無色って感じで…
「ね〜ぇ…すいせい?」
けれど時が経つにつれて少しづつ心を開いてくれてるような感じがして…正直とっても嬉しい。ソリットくんが好きだからと言うのもあるが…何より心を開いてくれてる日本人がそばにいてくれるだけで安心できる。
「ねぇすいせいきいてる?」
「あぁごめんねソリットくん」
「…?まあいいけどさ…それよりあさごはん、さめちゃうまえにいっしょにたべよ」
「うん、そうだね」
「「いただきます」」
「うん、すいせいがつくったごはんおいしい!」
「ありがとう」
今日は一段と感情を見せてくれてる気がする。
「さて、今日は何する?ソリットくん」
「何しよっか…う〜ん」
いつものソリットくんに戻った。
「たまにはピクニックでもいく?」
私が提案する。
「あぁ…いいね、いこ」
ソリットくんはこれでも乗り気である。
「よし、じゃあ一緒にお弁当つくろ」
「うん」
そう言ってソリットくんは材料を取ろうとする。
「何にする?」
「おにぎり弁当…サンドイッチ弁当…どっちもいいな〜ソリットくんはどっちがいい?」
「う〜ん…じゃあサンドイッチ弁当で」
「よし、じゃあ材料よろしく」
「わかった」
そう言ってソリットくんは材料をたくさん出してくれる。
「おぉ〜卵に、マヨネーズ、ハム、レタス!フルーツと生クリームまで!」
「すごいでしょ」
ソリットくんはほんの少し自慢げに言う。
「でもこんなにいっぱい食べれるかな…」
「まあ残った分は今日の夜ご飯にでも食べなよ」
「そっか、じゃあいっぱい作ろう!」
「うん」
「じゃあまずは…茹で卵を作って…」
「マヨネーズと…混ぜて…これを挟んで」
「たまごサンド!」
「普通にハムとレタスを挟んで…」
「ハムレタスサンド!」
「フルーツを並べて…生クリームを間に入れていって…」
「フルーツサンドの完成!」
うん、いつも通りのダイジェストクオリティ。
「よし…じゃあ早速行こっか」
「うん…楽しみ」
今、私たちはお弁当を持って森の中を歩いている。なんていい天気なんだろう。
「〜♪」
(すいせい…上機嫌だな)
その時私たちは良さげな場所を見つけた。
「お…この木がないところよくない?」
ちょうど上から見た時に木が円形状になくなっている場所を見つけた。
「よし…じゃあレジャーシートを敷いて…」
「いいね、それっぽくなってきた」
そう言いながら私たちはレジャーシートの上に座る。
「……」
「……」
デートみたいだねなんて言えない…
(デートみたいだねなんて言えない…)
「そうだ、ソリットくん…せっかくだからもう少し周りを見てみない?」
「でも…荷物盗まれたりしないかな…」
※大丈夫です
「ほら、神様もこう言ってるよ」
「じゃあ…大丈夫か」
ソリットくんは納得してくれた。
「…よいしょ」
そう言いながらソリットくんは立ち上がる。
「じゃあ行こっか」
ソリットくんが前を歩いて安全確認してくれる。
「……」
「…手」
ソリットくんがそう言いながら手を出す。
「ん?」
「手、繋ぐ?」
「ソリットくん…繋ぎたいの?」
「うん、繋ぎたい」
「じゃあ繋ごっか」
「…」
「……」
「…」
「えへへ…なんか…恥ずかしいね」
「う、うん…」
ソリットくん…ちょっと照れてる…いいね…この表情は結構見てきてるけど…何回見てもいいね。
「……」
けどその時…ソリットくんの足が止まった
そして…雰囲気に色がなくなった感じがした…
「……」
私はその無色の雰囲気を感じ取る。おおよそ嫌なことでも思い出してるのだろう…
私に何かできることないかな…できること…できること…
「…!」
「嫌…かな」
私はここでバックハグという選択肢を取る
「嫌…」
「…!」
「じゃない……もっと強く抱きしめて」
よかった…
正直自分でもこんな野外の森の中で何してるんだろうって感じだけど…ソリットくんの気が少しでも楽になったら…
「すぅ…はぁ…」
バックハグしてもまだ辛そうだな…
「大丈夫…だ…よ?それに…すいせいばっかに頼る…のも……悪いから」
少し言葉を詰まらせながらソリットくんは言う。
「そんな状態で大丈夫って言われて…」
「…ぅ!」
「ソリットくん?」
「ぅぅぅ……」
その時ソリットくんが唸り声を上げる。
言わんこっちゃない…
「ほら…大丈夫…私はずっとそばにいるよ」
「ぅぅぅぅぅ………」
すっごく辛そう…
私はハグする力を少し強くする。
「…ふぅ…はぁ…はぁ…はぁ…、ありがと…ごめん…」
「いいの…ソリットくんは」
「もうちょっとハグしてて」
「その前にあの場所に戻らない?嫌なら嫌で大丈夫なんだけどさ」
「それもそうだね」
と言うことで戻ることにした。
「そろそろお腹すいた。お弁当食べよ」
「うん、じゃあそうしよっか」
「「いただきます」」
私はまず一口たまごサンドを食べる。
「うん!おいひい!」
「うん…我ながらいい出来」
「美味しいよ、ソリットくん!」
「よかった、すいせいがそう言ってくれると嬉しい」
「うん、いっぱい褒めてあげるね」
「いや…そんなに褒めなくてもいいけどね…」
「やだ、いっぱい褒めたい、なんなら褒め足りない」
「そんなこといたって…まあいいけどさ」
その後はソリットくんのことを私が褒めまくりながら…昼食を食べた。
ーーー十数分後ーーー
「う〜ん美味しかった!」
「恥ずか死にそうなんだけど……」
「……」
「…///」
「その顔が見れて私は満足です」
「も〜う…」
「……」
「………」
「ソリットくん、眠い?」
「ん…うん」
「そっか…じゃあせっかくだしここでお昼寝する?気温もちょうどいいし…少しだけ吹いてる風も気持ちいいよ」
「じゃあそうする…すいせい」
「な〜に?」
「添い寝して…というか腕掴んでいい?」
「はいどうぞ」
「ありがと…」
さてと…私も自動的に寝転がることになったわけだけど…
う〜んどうしよっかなぁ…
「…」
私も眠たくなってきたし寝ちゃおっかな。
「…すぅ…すぅ…すぅ」
「………………すぅ…すぅ…」
「…ん…んん…んん…んぁ!」
私はソリットくんより一足早く起きた…がその時。
「おらぁ!大人しくしろ!」
「ひゃ…」
大男4人が私たちを囲む。
「親方、ガキ2人でっせぇどうしますかぁ」
「ん…?」
「あ!ソリットくん!」
「なんだぁ?ガキ1人増えたところで変わんねぇよ!お前らさっさと攫え!」
「あいさ!」
「あぁ〜もう!えい!」
私は前もらったソリットくん特製の爆弾を投げる。
ドーン!!
ダイナマイトが爆発すると、
「な!おい!どこ行ったガキども!この辺だろ!」
「うしろのしょうめんだぁ〜れ」
「な!グハッ!」
「ぐえ!」
「ガハァ!」
「ぐわぁ!」
「よし、すいせい、こんな感じでいい?」
「うん、ありがとう」
「しばらくすると起きるから、ささっといこう」
「ok」
と言う感じで私たちは危機を脱した。
「はい…ただいま」
「ただいま」
「にゃー」
「あーはいはいクロ、……はい餌」
「にゃー!」
「……」
っとその時私の頭の上にとある疑問が浮かんだ。
「…あのさソリットくん」
「な、何?」
「ソリットくんってさ愛されたことってあるの?」
「え?」
その言葉を言った瞬間にソリットくんの目に涙が浮かぶ。
「あぁあぁ…ごめんね」
「…ぎゅ〜して」
「わかった…はい…ぎゅ」
「ありがと…ありがとう…」
しまったな…これは地雷だったか…
そんな考えをよそにソリットくんはぽつりぽつりと泣き出してしまった。
「あのね…」
ソリットくんが喋り始める。
「多分、すいせいの言う通り…僕はしばらく…愛されたことがないと思う」
「あの…無理に話さなくても…」
「いや…正直…薄々自分でも気づいてたし…乗り越えないと…先に進めない…」
「…わかった…いっぱい話して」
「それで…正直こっちの世界に来ていっぱいいろんな人に出会ったけど…すぅ…はぁ…」
「ゆっくりでいいよ…」
「ありがと…ふぅ…それでいろんな人に会ったけど…この…なんて言えばいいんだろう……」
「…」
「心臓がなくなってるような感覚はなくならなかった…愛が欠けてる?みたいな」
「そっかぁ…」
「でも…すいせいといると…なんと言うか、落ち着く…と言うか…」
「…!」
ソリットくんが笑顔だ、笑ってるんじゃない。笑顔を見せている!
…何に興奮してるんだ私。
「とにかく近くにいてくれるだけでいいの…ねぇ、もうちょっとだけハグしてくれない?」
「いいよ、いくらでもしてあげる」
伝わったかわかりづらいけど…多分ソリットくんの暗い部分は全部わかったかな…?
「すぅ…すぅ…」
「あ、寝ちゃった」
まあ仕方ない…ソリットくんが寝てる間に晩御飯の準備でもしようかな。
9話 終了
ピクニックのくだりいらないとか言われても否定できない…




