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7話 占い師に会った

7話 占い師に会った


「暇だねーしろ」

「にゃー!」

「暇だねーくろ」

「にゃ〜」

「「…むふ〜///」」

完全に2人とも自分の猫に惚れ込んでいる。

私は今ソリットくんとその猫のしろと遊んでいる。でもその時横目でソリットくんを見ていたら少し暗い顔をした。

「ソリットくん…」

カタ

「あ、チラシだ」

また後で聞こうかな。チラシの中身は?えーと何々。

「ん」

そうするとソリットくんが後ろからチラシをのぞいてきた

「ソリットくんも気になる?」

「占いの館か…すこし気になる。他の人から見てもらうのも面白いかも」

「じゃあ行ってみようか」

と言う感じでこの後の予定が決まった。





しろとくろはお留守番してて早速出発した。氷聖近くの森の中にあると言うことでソリットくんは心当たりがあったようでついて行ってる。そうすると森が見えてきた。だけどソリットくんは少し行くのを躊躇していた。

「多分ここ…だ……ね」

なぜならそこはおばけの1つや2つ出てもおかしくないような雰囲気のところだったからだ。

「よしじゃあ行こうか!」

「待って!」

「何?ここじゃないの?」

「いや多分ここなんだけど…その…怖い」

「ソリットくんってこう言うの苦手なんだ…えーでもせっかくここまで来たからな〜行ってみたいんだけどなぁ…」

「ああもうわかったよ、行くよ…」

「やった」

「ただその…」

「何?」

「手…繋がせて…」





と言うわけで今私はソリットくんと手を繋いで森を進んでいる。

カタカタカタカタ

「ひぃいい!」

「あ!あっちに骸骨」

「ひえぇ!」

ドオオオオォォォォン

「そこまでしなくても…占いの館壊れてたらどうするの?」

「だってぇ(T T)」

こんな調子でしばらく歩いていると大きめな家が見えてきた。

「ソリットくんあれじゃない?」

「そんな感じするね…」

とりあえずは一安心だ。

「すみません、ここって占いの館で合ってますか?」

「あぁそうですよ私は占い師一族のイーファ族、族長カラノセイと言います」

族長さんかすごいな。ぱっと見は静かめの雰囲気のおじさんって言う感じだ。まずソリットくんの顔を見てその後私の顔をみていた。

「…」

「どうしました?」

「興味深い人たちですね。お金は私が色々みている間にもらっているので奥へ」

そう言った時見るとソリット君が財布らしきものをしまっていた。

「あ!ありがとう…」

2人とも視野が広いな。

そうして奥に入っていくと大量の本が入った本棚に囲まれた部屋に来た。

「こちらに座ってください」

「はい」

「そちらの男性は少しお疲れでしょうお茶をどうぞ。今回はこちらのカードを使って占っていきます」

すごいなソリットくんの苦手なものを見抜いている。

「…なかなか大変な人生を歩いてきたようで」

そう言いながらとんでもない量のカードをランダムで5枚セット?な感じで山札みたいなのから出していっている。そのセットを3セット出した。こう言うのって3枚じゃないんだね。そしてなんとも不思議な人だ。顔に自然と目線がいく。恋とかそう言う感じではないけど。不思議な感覚。

「1枚ずつ説明していきますね。後からめくったものほどより先の未来を表しています。あなた達に共通する大切な人も占っておきました。お代は結構です」

「ありがとうございます」

共通の大切な人…ルナお姉ちゃんかな。

「まず男性の方からまず1枚目は不安の解消小さくても大きくても不安が解消されるでしょう」

「なるほど」

「2枚目から4枚目は形や絵の感じは違いますが穏やかな生活、平穏な日々を表しています」

「だってソリットくんよかったね」

「そうだね。では最後の絵の意味は?」

「はい、最後の絵は…難敵、人生最大級と言っていい困難が訪れるでしょう」

「えぇ!?」

「いやなんですいせいが驚いているのさ」

「だって…だって!」

「落ち着いてください別に今すぐではないですし未然に防げる可能性もあります」

そっかなら大丈夫かな…?

「でもソリットくんでしょ。難敵って言えるのが出てこれるの?それこそ戦ったら国家危機レベルじゃないの?」

「どうなんだろうね?ここで未来予知スキルなんて使うのは野暮だし詳細なことはわからないけど…そんなことよりもこれ」

そう言ってソリットくんが指差した方をみた。

「同じカード?」

そう私とルナお姉ちゃんの5枚目のカードが同じだったのだ。

「はい同じ意味なのでもしかしたらみなさん同時にその困難に当たるかもしれません」

まじかぁソリットくんに頼れない可能性もあるな。

「では女性の方」

「はい!」

「まず1枚目ですがあなたも悩みを解消できるでしょう」

「私もですか?」

「はいあなたはいまの印象を大きく変える可能性を秘めています」

「なる…ほど?」

「2枚目はあなたに試練が舞い降りるでしょう」

「さっきの困難とは違うんですか?」

「はい、試練はすこし詳細なことまでわかるんですよ。これは乗り越えることができればあなたは少し自分に自信が持てるでしょう。そして1枚目から間隔が短いと言う感じもしますので今日のうちにどちらも来るかもしれません」

まじかぁ大変な1日になりそうだ。

「先に言っておきましょう。占いといえど本人の意思が大きく反映されることもあります」

「と言うと?」

「3枚目から4枚目は穏やかな生活、平穏な日々を表しています。5枚目はお察しの通りです」

「わかりましたありがとうございます」

「では最後にあなた達に共通する大切な人の占いです」

「ルナお姉ちゃんのことだね」

「まあルナも強いし5枚目のことに関しても安心していいと思うけどね」

「1枚目は癒し。それはあなた達ににも癒しを与えるでしょう。2枚目と4枚目は穏やかな生活、平穏な日々を表しています」

「3枚目は?」

「3枚目は挑戦、成功するか失敗するかはわかりませんがどちらにしろ良い方向に向くでしょう」

「なるほどありがとうございます」

「これにて占いは終了です。これから良い暮らしをできるように祈っておきます。気をつけてお帰りください」






そうして帰路についた私たちだったが森を出て炎日が見えてきた時だった。

「あれ少しだけいたお手伝いさんじゃん」

そう言って声をかけられた方向を見ると炎日を象徴する炎の紋章が刻んである兵士3人だった。

「ねえねえ今休憩時間なんだけどさ今から一緒にご飯行かない?」

見た目はチャラそうな3人組という感じだ。そして…完全にナンパだ!やばい…どうしよう。乱暴そうな性格してる。断ったらやばいかな…

「断ったら先輩何するかわかんないぞ〜」

「えっと……」

私は立ち尽くしてしまった。

「はぁ…」

「おっ!ビビってますぜ先輩!」

その時ソリットくんが前にでた。

「すいせいは渡せないよ」

「あ?おいなんだお前。ガキだからって容赦しないぞ」

そう言って兵士が剣を出した。短気すぎるな。

「それは出さないほうがいいよ」

「けっ!何言ってんだお前…ガキとはちげぇんだよ」

「そう…」

そんな会話が終わった直後兵士が剣を振ってきた。

「ひゃっ!」

その後ソリットくんが私を抱えて避けた。

「何?すり抜けた?」

ボフッ

「な!煙幕か!?」

「ねえソリットくん、どうするの?」

「一発お仕置きしておく。殺しはしない。嫌だから」

「おおい!何処だガキ!」


「うしろのしょうめんだあれ」


そう聞こえた直後ソリットくんが兵士たちがいた方に行ったのが見えた。

「っ!?」

「がはっ!」

「ぐえっ!」

「くそ!正々堂々戦え!」

「仕方がないな」

(来た!正面からだ!これならガキなんかに!)

「ぐはっ!!」

そんな声が聞こえてきた少し後煙幕が晴れた。そしてよく見るとソリットくんが立っていて、兵士たちが倒れていた。

「ガ、ガキのくせに…」

「しばらく反省しておきな」

そう後ソリットくんはこっちの国王に事情を説明してくれた。





「さっきは…その、ありがとう」

「いいよ。すいせいも大変だね」

今は個室を用意してくれるお店に行って昼ごはんを食べている。作るのはめんどくさいということで外食にしたた。そしてソリットくんは今日一緒にいてくれることとなった。もっとも私が何か心配だから今日は一緒にいてほしいというよくわからない理由なのだが。

「でさ。私守られてばっかりだから強くなりたいんだけどどうすればいいかな?」

「そうだね…ステータスはレベルが上がらずに変わりにくいから動かなくていいサポーターとかなら向いているかも」

意外と簡単に答えが出たな。しかしサポーターどういうことなのだろうか。

「ご飯が食べ終わったらついてきて」





とう言うわけで闘技場みたいなところに連れてこられた。ソリットくんが自分の魔力で作ったところらしい。そして戦闘訓練用の黒いマネキンも作ったらしい。マネキンにも個体差があるらしくランク分けしているらしい。

「はいこれとこれとこれ」

そう言って3つの石をくれた。

「赤いのはダイナマイト、青いのは土壁、緑色は回復瓶を出すことができる。好きなタイミングでぱって出てくるからそこは安心して。ダイナマイトは出してから5秒後に爆発。土壁はミニチュアがもらえるから地面に叩きつければ出てくるよ回復瓶は投げれば当てたものに自動的に回復してくれるから」

「うーん…ちょっとわかんないな…」

「まあ1回戦ってみようか。すいせいなら大丈夫だよ」

まじか、でもソリットくんに大丈夫といわれたならやるしかない。

「ここは自由に地形を形成できるよ。死なないし手加減もいらないよ!じゃあ321GOー!」

ソリットくんの観客席からの発言で試合が開始した。

ステージは森。木をうまく使うのが鍵かな。

「まずは敵を探さないと」

ガサッ

こっちか!

ドオオォォン

ダイナマイトを音がした方向に投げたが当たらなかった。

(もうすでにすいせい自身のステータス以上の動きをしている。もしかしてあれが…そうかな)

シュウウゥゥ

やばい!敵が突っ込んできた!こう言う時は…

「土壁!」

ドンッ!

そしたら敵が土壁の横から出てきた。

「そうくるよね!」

私はもう後ろに下がっている、そして…起爆寸前のダイナマイトを持っている!

ドオオォォン

敵がやられるとステージが元に戻った。

「ソリットくん!勝てたよ!」

「………!うん良かったよ。じゃあこっからが本番なんだけど今からCランクのマネキンを3人出すよ。今戦ったのと同じぐらいの強さ。1人は味方、2人は敵の2vs2をするよ」

「わかった、頑張るね!」

ステージは闘技場。障害物がないから私の土壁が役に立ちそう。味方は戦士、敵は戦士と魔法使い。どれだけ魔法使いを抑えるかによって全然変わりそう。

まず味方のマネキンが敵戦士に向かって突っ込んだ。そこに向かって魔法を放とうとする敵。だけどそうはさせない!

「えいっ!」

私は精一杯の力を込めてダイナマイトを投げた。

ドオオォォン

ドンッ!

さらに土の壁で防ぐ!そして味方の方を見たらもうすでに戦士と斬り合いをしていた。ただ少しだけ負けていそう。そんなことを考えていたらこっちに味方が退いた。

「はっ!」

一旦土壁とダイナマイトで体勢を立て直した。しかしどうするかな〜、あ!そうだ!

「マネキンさん、ちょっといい?」

(すいせいはここからどうするかな…ちょっと難しくしすぎたかな)

「はっ!」

私とマネキンは一緒に飛び出した。狙いは魔法使い。

ドンッ!

ドオオォォン

今度は戦士の方を土壁とダイナマイトで抑える。そして味方の戦士が突っ込む。

ボオオォォン

炎の魔法を放ってきたがもう遅い!

ザクッ!!

そして敵を味方が一刀両断した。だが後ろに敵戦士がもうきている。

「後ろ!」

フッ!

残念ながら味方の剣は空を切った。だけど…

ドオオォォン

敵戦士の後ろにダイナマイトは投げてある!

「終了すいせいチームの勝利」

やった作戦勝ち!そして観戦席にいたソリットくんが降りてきた。

「良かったよ。実は相手チームの方はCランクの中でも一番強い人だったんだ」

「えぇ!?そうだったの?」

「ごめんね。すいせいに力をつけてほしくて」

「まあいい訓練にはなったし、自身は結構ついたけどね」

そんなこんなで家に帰ることにした。





その後私の家に帰ってきて晩御飯を食べた。そしてそこからは各々自由時間となった。ソリットくんは本を読んだり。私はその様子を見ていたり。

「………」

ずっとソリットくんは考え事をしているようだった。

「ソリットくん、今日何かあったの?」

「いや…その、なにも…ないよ」

なんか歯切れが悪いな…まあでも本人から何も聞き出せない以上聞いても仕方がないか。私は相手の思考を読む能力なんてないしね。

「………」






そのまま今日は2人で寝ると言うことになった。部屋は別々だけど。

なんか人生最大級の難敵って言われると怖いし、何もないうちにソリットくんと一緒に思い出作りたいし…これだとソリットくん死んじゃうみたいだな。こんな考えはやめておこう。けど何か今日は忘れているような気がする。なんだったかな。

カチャ

そんなことを思っていると部屋の扉が開いた。

「ん?」

そこにはソリットくんがいた。私は布団から出て近づいた。

「どしたの?ソリットくん」

「その…えっと」

「…とりあえず私の布団、入る?」

「…」

そのまま私はソリットくんを布団に入れその後自分も布団に入った。

「何かあったの?」

「あの…えっと……」

「少しづつでいいよ」

そのまましばらく沈黙の時間が続いた。







「その」

ソリットくんが話し始めた。

「僕はこっちにくる前は両親がいないの」

「…!」

その話を聞いた時に私の記憶が何かの出来事を頭に浮かべた。

「4歳の時に亡くなって、それで施設を転々としておばさんに引き取ってもらったんだけどそこでは毎日殴られたり罵られたりしてそれで飛び出してきたんだよね…」

「うんうん」

「それで…今が楽しいの。すいせいやルナといたりチームメイトとクエストしたり遊んだり…それにすいせいやルナは本物の家族みたいで…すいせいが戦っている時もすいせいがこれから無理していなくなったりしないかとかが心配で…それで!」

その時私は自然とソリットくんを背中から抱きしめていた。

「………うわあぁぁぁん」

泣いてしまった。一気に辛いことを吐き出したので仕方がない。それでも私はソリットくんを抱きしめることしか出来なかった。





「ねえソリットくん」

「何?」

「いや流星りゅうせいくん」

「…!なんで、なんで!?」

そう思い出した出来事。それは空水そらのみという苗字の夫婦が亡くなってしまいその葬儀に参加した記憶。

そこには流星りゅうせいという息子がいて、誰も引き取ることなく、施設に行ったという話を。

偶然にしては出来すぎているので聞いてみたけど、やっぱり亡くなった夫婦の息子、空水そらのみ流星りゅうせいだったか。

「私のこと覚えてない?」

「あんまりあの時は覚えてないな。物心ついた時にはもう大変な時だったから」

「そっか…」

しばらくまた沈黙の時間が続いた。







「ソリットくん?」

「すぅ……すぅ」

寝ちゃったか。仕方ないね。ソリットくん13歳だもんね。そんな過去があってそれを一気に吐き出したら疲れちゃうもんね。私も眠くなってきたな…






フォアアアン

「すいせいちゃんおはよう!ってあれすいせいちゃんいないな。まあ早い時間に来た私も悪いんだけどさ。洗い物の数的にソリットでもきてたのかな」

私はすいせいちゃんの部屋に行った。

カチャ

「あらららら?」

そこにはソリットとすいせいちゃんが寝ながらハグしていた。

「全く…仕方ない」

私はしばらくそっとしておいてあげた。


7話 終了

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