4話 1人暮らしを始めた
4話 1人暮らしを始めた
ある日私は王様に呼ばれた。
「すいせい、お前は転生者であり厳密にはこの国の者ではない。私の城に住み続ける必要もない。資金は出すから1人暮らしでもしてみたらどうだ?」
想像の斜め上のことを言ってきた。私自身家事は結構引きこもっていたからやってはいたのだがいざ生活してくださいというと怪しい。ソリットくんやルナお姉ちゃんは多分なれているんだろうけど私はそんなことはない。だが逆をいえば呼び出せば解決するのか。
「わかりました、じゃあ家を探すのを手伝ってくれませんか?」
「ふむ、わかった。同行しよう」
国王やその兵士さんたちに協力してもらって理想の家を見つけた。一軒家で町外れにありのんびりできそうな場所でキッチン、トイレ、お風呂、等々がある。基本的に必要な家電はすべて魔法の代用品でそろっている。これなら快適に過ごせそうだ。
「国王、ここが良いです?」
「わかった、ならば家のお金は出すから自由に暮らしなさい」
とりあえずまずは...
「ムノタヲノ クリョジ二 レワヨノモ ムザキ!」
「お!すいせいちゃん。もしかして家を買ったの?」
「うん!だから生活の基本とかを教えて欲しくて呼んだの!」
「よーし、お姉ちゃんに任せなさい!」
ルナお姉ちゃんと一緒に町に行って必要な食料やその他生活必需品を買った。せっかくなのでルナお姉ちゃんとお昼ご飯を食べることにした。
「どう?最近娘とか妹が増えたから料理を研究してるんだよね」
ルナお姉ちゃんはパスタを作ってくれた。研究してるって言うだけある。かなり美味しい。
「美味しいよ!」
「ありがとう!」
美味しすぎて一瞬で食べきった。それと、ルナお姉ちゃんと話していてとても楽しかった。その後私はいつの間にか寝てしまった。
「ふああぁぁ...あれ寝たんだっけ?」
「あ!すいせいちゃん、おはよう!」
なぜか起きたら膝枕をされてる。
「なぜ膝枕...?」
「い~やその、なんか甘やかしたくなっちゃってその~」
なにか言い訳をしていた。私はちょっと頬を膨らませて言った。
「じゃあ罰として、そのまましばらく膝枕して!」
「...はい?」
私は少し強引にこの状況を維持した。というのもルナお姉ちゃんの膝枕はとても気持ちいいのだ。
「私何かある度に膝枕とかハグをしている気がする...」
「とりあえず今はこの状態でしばらくおいといて」
私は気が済むまで膝枕をしてもらった。そして立った。
「あ!そうだ、この周辺を散歩してみない?」
確かに私はこの周辺の地理は把握してないからそれアリだな。
「わかった、じゃあ行こう」
そうして外に出ると青空が見えた。雲1つない。そこからは周辺を散歩したり、あまり見れていなかった炎日の町並みやお店私を見た。まあさっき生活必需品買うときに少し見たけど。ただそれでも知らないお店や家があった。そうしていたら予想外のことが起きた。
「ちょっとそこのお姉ちゃんたち?今から俺たちと遊ばない?」
ナンパされた!そんなに私かわいいのかな~じゃなくて!この状況どうしよう。チャラ男3人がこっちにきた。
「ナンパは結構です」
ルナお姉ちゃんがキッパリ断った。
「いやいやそんなこと言わずにどう~?」
「結構です!」
かなり粘着するタイプの人たちだな。
「なんだ、俺らの誘いを断ろうって?この娘にわからせてやらないとな~」
(終わったー、このチャラ男たち終わったー)
「女は男に逆らえないってこt」
ブオォォン「は!!」
「ぐはぁぁ!」
1人を瞬間移動で後ろに回りストレートリード?みたいなので1人を倒した。
「で?まだやる?」
ルナお姉ちゃんが笑顔で言った。とっくに他の2人は怯えきっていた。
「ひ、ひいいいぃぃぃ」
なんとか追い返したようだ。ちょっと怖かった。
「ごめんね、怖い思いさせちゃったね」
「でも、ルナお姉ちゃんかっこよかったよ!」
ちょっとルナお姉ちゃんが照れた。珍しい表情だ。
「ありがとう...//」
「さてと、じゃあバイバイすいせいちゃん!」
「うん!またなにかあったら呼ぶね!」
ルナお姉ちゃんを見送った。そのあとは教えてもらった生活術をフル活用した米を炊いて、魚を焼いている間に洗濯をした。
「ニャー」
くろもお腹をすかせたようだ。骨を抜いた魚をあげた。
「ニャー!」
喜んでいるようだ。よかった。そんなことを考えているとご飯が炊けて、魚が焼けた。
「美味しい!」
醤油はこの世界になかったので塩で味付けをした。そっけない味になるかと思ったが、素材の味が引き立っている。我ながら良いできだ。最初はどうなることかと思ったけれど、なんとかなりそうだ。電気代や光熱費とか考えずに食費だけ考えれば良いからそこもありがたい。1人の自由な時間が過ごせるからそれも良いな。ただこれ私体調不良とかになったら助けてくれる人が近くにいないのが唯一の弱点かな。
4話 終了