53話 乱闘開始➊京極(東京)➋赤銅(東京)➌近間純(愛媛)➍谷口サトル(徳島)➎一葉(高知)➏ヨミ(高知)➐さんご(香川)➑半キャップヘルメット女A(香川)➒後藤朝子(千葉)➓美園礼子(神奈川)
高知駅前……
金に黒の横ボーダーの半キャップヘルメットの女が、
赤色のテントウムシを模した半キャップヘルメットの女に一礼した後に、
(・_・)≪さんごさん…なんで逃がしたんすか? なんもしないから『姫』がカタナ女(後藤朝子)とデカ女(美園礼子)に連れて行かれちゃいましたよ?
テントウムシ半キャップヘルメットのさんごは口にメビウスのメンソールのタバコを喰わえると、サッと金色ヘルメットが火をつけた、
「す~~ふ~~~」っと吹かした後に、目を大きく広げて⛑を睨みつけながら、
「さっきの少しは強そうな二人(後藤朝子・美園礼子)を先に行かせて、「ひろめ市場」で京極茜と近間達で潰し合いさせた方が面白そうと思わんかった?」
(・◯・)≪え?
「オレは最上を見とるからな、こんなちっこい四国で満足してねえ… 香川の落ちぶれた『聖浄姫』の総長なんて恥ずくてゴメンやわ… 近間みてえに40越えても、愛媛『魔流墓露』や三県連合だの、四国のお山の大将で満足しとるのがダサすぎ…近間の吹かしくせえ『伝説の瀬戸大橋』とかの武勇伝……谷口は頭が悪いから見抜けんのが痛すぎる」
(・_・)≪そのとおりっすね
近くの信号に10トントラックが止まった。
テントウムシメットを被ったさんごはメンソールのタバコを持ったままトラックに歩み寄りながら、
「名を売るなら中途半端やなくて……伝説やないとな… いや…神話や」
歯を剥き出して噛みしめて笑う、その白の特攻服の背中には、黒の墨字で『天上天下唯我独尊』……
~~~~~~~ひろめ市場内~~~~~~~~
「京極!!!」
鼻から下を迷彩のバンダナで隠す赤銅聖羅は倒れた京極茜に歩み!
肩を抱き上げてさする!
「京極だいじょうぶか!?」
谷口の瞬速の鉄パイプの一撃を頭に喰らい意識を失った京極からは返事が無い…
京極を一撃で倒した徳島の暴走族『渦』の総長 谷口サトルは、
「あの動画はフェイク映像だったかあ? まあ俺が強すぎるだけやけどな?」
『渦』の仲間を見て、
「ちゃんと撮ったか?」
《はい、バッチリ》
頭への一撃で気を失った京極の姿を見た一葉とヨミは、
「よええ… こんなたっすいのにワタシラ奢ってたんか?」
「一葉… なんか騙されたのにムカつかん?7000円もやき?奢ったが?」
「うん… なんかワタシも一撃、やりたくなったっちゃ…」
「イジメちゃろうか? タツキみたいに」
「ヨミ、その名前はNGやき」
「ごめん」
一葉が京極を殴るために鉄のスパナをズボンから出した時……
シュ
一葉の目の前には、鋭利に尖った谷口サトルのドーグの鉄パイプの先が……
「うっ」
「手を出すな… 京極茜はワシのエサじゃ……」
「分かったき… この金ブタ(京極)好きにしいっちゃ… (谷口サトル…中学時代に剣道で全国大会優勝…)」
真ん中に渦巻き模様のあるハチマキを巻いた谷口は席に座り…
一葉、ヨミを見た後に、赤銅に抱かれた京極を見ながら、
「おまえら東京も高知もケンカのレベル低すぎる… そうですよね? 近間さん?」
谷口の後ろに立つ黒のジャケットの近間はタバコを吹かしながら、
「ああ」
近間は……
テーブルの上の空いたビールのジョッキをワンハンドで掴み……
グッ‥‥……パン! ジャラジャラ……
「最近はロクにタイマンできんヤツが有名になりすぎやけん… まあオマエラのケンカの、数での優位や不意打ちは否定せんが、やっぱり不良はタイマンやけん…」
ヨミは割れ落ちたジョッキを見て…
「近間さん、すげええ…(近間のオッサン… ツイッターで、日サロとジムで作った黒い鋼の体を見せつけまくってたけど…やっぱそれなりにすごいんやな…)」
近間は、ヨミをチラっと見た後に背中を見せて、
「こんなの大したことないけん…(ハァハァ… フォロワーもいたし動画も撮られていたからな…成功して良かった…ハァハァ…)」
谷口サトルは周りの族に、
「おい京極を車に乗せろ」
《はい》
赤銅は、谷口にガンを飛ばし、
「これ以上はやめとけ…」
谷口は、赤銅にガンを飛ばし返し、
「なら、お前も決定や」
「あ? なにが決定だよ?」
細顔の谷口はニタ~っとちょぼ髭の口で笑いながら、
「ワシの部下達とレイプや」
「オメエ… ワタシと京極をレイプするのか?」
京極の閉じた瞼がピクっと動いた……
谷口は左手のヒトサシ指と中指の間に親指を入れる交マンサインにして、
「京極と赤毛は忘れられんGWの思い出ができるな? 二人ともしっかりカメラで記録にも残したる」
ヨミ「わお、赤銅のヤツ、天国から地獄やな、ざまぁや」
一葉「はよさっさと行けっちゃ赤銅」
赤銅は、京極の目を瞑った顔を見つめながら呆れた声で…
「一葉とヨミも、渦巻きハチマキも、おまえら全員、マジで死ぬぞ」
谷口「あ? だれが殺すん? 赤い髪のオマエが?」
一葉「谷口、さっさとこの金髪と赤毛のメスを連れて行けっちゃ」
ヨミ「赤銅、京極とはよレイプ行ってこい」
ぬう~っと起き上がった素手の京極茜……
「正当防衛……」
一葉が京極茜の頭部へスパナを振り上げた状態で、
「谷口? コイツ(京極)、ワタシがやってえい?」
「2度言わせるな… 調子こいてたらオマエラもぶっ殺すぞ…」
谷口は後ろを向いて部下に、
「今度も動画撮っとけっっっ…!」
谷口!! 京極に後ろから首を押さえつけられる!!
その首に!!
拾っていた割れたジョッキの破片で…
ヅ――----…
横一線!
谷口は崩れ落ちる!
一葉・ヨミ・近間「!!!」
赤銅「だから京極を怒らせんなよ…」
京極は鉄警棒と鉄パイプを拾い……
左手の鉄パイプの鋭利な先で…
うつむきに倒れた谷口の右の手の平を…… スパン!!
床ごと突き刺した!!
次に……
凄いガンで一葉を見ながら、鉄警棒を振り上げ、
「オマエ…… 急に態度変わって、ふざけた事をぬかしてたな?」
「ちっちがう…」
ガチン!!!
鉄警棒で頭を叩かれた一葉は前に崩れた…
銀髪が赤く染まり床に血が広がる…
それを見たヨミは恐怖の顔に変貌し…
京極の前で土下座して…
「京極! ごめんなさい! ごめんなさい!」
ガチン!!
ぞろぞろと暴走族は距離置く最中…
残った近間純は… 近づいてくる京極に右手を突き出し…
「俺はやめとけ…オマエじゃまだ100年早い、今は谷口の治療が先やけん…」
「アタシにケンカ売っといて、ふざけんな… オメエもぶっ殺してやる…」
「やめとけって!!」
その時!!
≪ きょうごく~~~!! ≫
抜き身のポン刀が飛んでくる!!