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19話 ゲーセンと学校


 赤銅しゃくどうのいる、いつものゲーセンまで…ま…まだ結構な距離あるな……

 腹痛はらいてええぇ…… にくまん二つで喰い過ぎたか…? んなわけない、刺されたからだ… 鉄警棒で叩かれた首から上もガンガン痛む…… 両目もチカチカしてやがる……


 我慢できず、目を瞑ると、フ~~っと前のめりに倒れた……


《大丈夫? え? 血? 救急車呼びますね!》


 女の声が聞こえた。


 ごめん赤銅…… それに校長クリスチーヌ……


 しょーもない喧嘩で負けちまった……




 救急車の寝台ベッドに寝かされて、人工呼吸器をつけられる。


《はい、はい、腹部を刺されてます。 左手も刺されてます。 頭部は裂傷です、詳しいこと今は分りません。 はい、総合病院ですね? 了解。 総合病院 》


《了解》


 ピ―――ポ―――パ―――ポ―――



 救急車から寝台ベッドが運び出される、通路の天井が虚ろに見える……

 急に見えた眼鏡とマスクと帽子の男が、アタシのスカジャンのファスナーを下ろし、腹を見た後に、頭をすっすっと触って、


《 腹部のこれはすぐに治療が必要 このまま手術室へ 》


《 はい 》


 照明あかりが強い部屋に運ばれ……


《 麻酔をちますよ ちょっと痛いからね 》


 痛っ…… いてええ~~!! ちょっとじゃねえぞ!!




    ~~~~~~~~~~~~~~~~~


★赤銅聖羅目線


 いつものゲーセンで、いつもの前後に動くメダルゲームをやってる……

 ケイタイで時刻を見る、


「もう1時だぞ…… 京極何してんだよ? まさか来ないつもりか?」


 京極ってすごく貧乏だから、今時ケイタイ持ってねえところも……

 なんかウザイ……


 ピロン


 『横山先輩』からのライン?


――――――――――――――――――――――――――


今日は学校休んだんですか?


              先輩

              ワタシをいちいちマークしてんの?


うん

風邪ですか?


              ちがう、学校さぼってゲーセンにいる



1人?


              そうだよ


私も今から学校さぼってゲーセンに

行こうかな


              来い来い

              メダルおごってやるよ

              腐るほどあるから



どこのゲーセンですか?


              渋谷のスペクター

              知ってる? 裏通りにある?


知ってます

今から行きます!

              先輩、

              最近の渋谷は柄悪いから気をつけてな?



気をつけます!


――――――――――――――――――――――――――――


 20分後…


 横山先輩は来た…… ワタシを鬼頭姉妹きとうしまいから庇った、あの時の割れた眼鏡で……

 

「ハァハァ… 待たせてごめんなさい……」


 ワタシは丸椅子から立ち上がり、


「先輩、走って来たのかよ? 聖クリから、けっこう距離あっただろ?」

 

 先輩は笑顔で、

「パシリのヨコタマですから、走るの慣れっこですから」


「先輩、相変わらず鋼メンタルだな? そうだジュースおごってやるよ」


 店の中の自販機へ、ワタシはボウガン持って、先輩連れて歩く……

 だけど……よりによって… 平日の昼間っから暇そうな見るからに柄悪い3人が自販機の前でたむろってやがる……


「お? 女発見だ?」

「俺ら《《ヒマ》》してんだけど、どう? カラオケ行くか? てか行くぞ」

「もうちょくラブホで5Pだろ? てか三つ編みちゃん、眼鏡割れてんぞ? もしかしていじめられっ子? 俺いじめっ子だったから、むっちゃイジメたくなってきたわ」


 このゴミ共うぜえな……


 だけど、急に、

「あ?」

「ええ?」

「なんで?」

 3人の周りを、ゾロゾロと確実にもっとヤバそうな10人ほどの男の集団が取り囲んだ……

 顔と腕にタトウ―いれまくってる黒のタンクトップのマッチョな30代くらいの男が……


「3人さん顔貸してくれる?」


「いや……」

「あの……」

「まさか…その顔タトウ―? あなた神谷かみやさんじゃないですか? 知ってますよ!」


「来い、俺も《《ヒマ》》してんだよ、今からラブホでオマエラ同士でゲイ動画デビュー決定だ、おいケイタイ出せ。 俺の事知ってんなら二度と家に帰さねえけどな」


 過去に因縁でもあったのか? 何か知らんけど、急に一切、喋らなく動かなくなったゴミ3つを連れ去ってくれたわ…… 動かなくなったのスタンガンか?薬物か?まあどうでもいいわ。


 自販機に携帯をかざし、


「先輩は何を飲む?」


「カフェオレ」


「あ? ワタシも一緒だな」



 隣に座って、メダルゲームする。

 先輩は、このゲームは始めてすると言ってたけど、けっこう上手いな?

 だれにでも隠れた才能ってのがあるもんだな?

 というか異様に、上からメダルが落ちてくる場所がベストって事もあるけど……

 これがビギナーズラックてやつかな?


「よし、先輩! ポイント溜まった! スペシャル神討伐チャンスが始まっぞ! 今はメダル入れるの止めて! 前の液晶を見て!!」


「スペシャル神討伐チャンス?」


「6種類の敵の神がランダムで選ばれてな!? 1/20で出て来る最強の始祖スペースオメガドラゴンなら最悪なヤツ、勝率1/3200!! ぜったいに負けるヤツ、倒すのユーチューブでも見た事ない!」


「へえ? そんなのがいるんですね? あ? なんか強そうなのが……」


「まじか!? これが今言ってたヤツ……終わったな…… 一応戦ってみるか…先輩! 始まるぞ! メダルを入れまくって!!」


「はい! 入れまくります!」


 会心の一撃 ドゴ―――ン!! ぎゃお~~! 

 会心の一撃 ドゴ―――ン!! ぎゃお~~!


「赤銅さん!? なんか効いてるみたいですよ!!」

「ここで会心2連発まじ? 奇跡あるか?……先輩! いれろいれろ!!」


 そして……

 『始祖スペースオメガドラゴン』の動きがフリーズ……

 

 え? おい? まさか? まさか?


 ワタシは一瞬でケイタイを取り出し、ゲームの液晶を動画撮影する。

 アメイジング・グレイスが聞こえ……る…?


「これが…… エンディング……?」


 すさまじい量のメダルがナイアガラの滝のように!!


 すっげええ~~!!





   ~~~~~~~~~~~~~~~~


 校長室では……



「3時半……(◞‸◟)」


 京極~~「必ず学校に行ってやる」って言ったのに~ うそつき~(◞‸◟)


 コンパクトミラーで口紅ルージュを塗り終えたのを確認した教頭シャーロットが、校長の椅子に座るワタクシを見て、


≪校長、そろそろ帰宅してもらえませんか?≫


「うっうん……(._.)」


 トボトボと…… 駐車場に止めているワタクシのベンツに歩く……


「今日は帰りにぜったい東京連合に拉致させられちゃうよ~ なんとなく分かる~(>_<)」


 ピ


 カギを開けて運転席に乗る……


「はあ…… 帰りたくないな……(◞‸◟)」


 トントン


「え?(;'∀')」


 ウインドーを開ける、


「京極! 来てくれたんだ!?(´▽`)」


「校長…… アタシは約束は守る……」


「え? どっ、どうしたのアタマの包帯? 左手も?(*´Д`)」


「ちょっと事故っただけ」


 京極は後ろに乗ると、

「校長、頼みがある」


「なに?(;´Д`)」


「渋谷のゲーセンに寄って欲しい……」



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