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最終話 みさいる雲


 4月。


 聖クリ跡地の大きな霊園に来たワタクシは、京極とシャーロットの墓に花を添えた。


「京極にシャーロット(◞‸◟) 今まで年に一回は来てたけど……(◞‸◟) 日本は中国の属国になってしまったし、ワタクシも66歳だし、これからワタクシはアメリカでする事がたくさんだから、なかなか来れないよ(-_-;) お墓掃除は業者に頼むけどね(;´∀`)」


 墓の前に用意していたキャンプ用のイスに座り、ワインをグラスに注いだ。


「しっかし赤銅の手の平返しにやられたわ(;´Д`) つくづく京極同窓会なんてやらなきゃ良かったわ(◞‸◟)」


 ケイタイを取り出し、二日前の赤銅の演説の動画を流す。


――――――――――――――――――――――――――

日本国民の皆様、日本は、先ほど中国との調印を済ませました。


これからの日本は中国の従属国になりますが、


何事においても 古い新しいは入れ替わり、場合によっては繰り返す。


だけどいつの時代も変わらないものがある。


それが変化していくこと。


自由は変化ということも含みます。


変化しても、かつての気持ちが嘘だったわけじゃない。


だから紡いでいきましょう。


自由と幸せを。


――――――――――――――――――――――――――――

 動画では、小柄な初老の中国 国家主席がにこやかに拍手している。


 プチ


「どう? 京極? 赤銅が中国に屈した時の演説だよ(^_^) 文句を言いたいなら甦って地中から出て来なさい(*'▽')」


 直後、「カアカア」とカラスの大群がワタクシの上空を鳴きながら飛んで行った。


「カラスに生まれ変わってたのかな?(´▽`)」


 カナエが来て、


「クリスチーヌさん、そろそろ成田へ行かないと」


「はいはい(^_^)」


 ワタクシは京極の墓を見て、


「それじゃあね……(´▽`) さよなら京極……(・_・)」




 プ―――――――――――――――ン




「カナエ? いま何か上空を飛んで行ったよね?」


「昼なのに流星群が…… 凄い速さで遥か東へ……」


「え?」


 みさいる雲?


 無数の細い雲が東へ伸びている?


 まさか……



 

 




 


 20XX年から、10年後……


 中国が世界を支配した……




 20年後……


 極僅かな超特権階級の人間にのみ、DNAクローン体へ記憶と人格をインストールして不老不死が与えられる。



 30年後……


 世界の、エネルギー製造を含む全ての核(放射能)の排除を宣言。

 核兵器に代わる、クーデター抑圧のためのヒト型兵器開発計画『北京計画』が始まる。



 50年後……


 AIとロボット技術の向上により人間の労働力が不要になる。 100年内に世界の人口の80パーセント削減を始める。




 100年後……


 世界の中心『北京』にはC5と呼ばれる超特権階級の5人の不老不死の男女がいる。




 壁の見分けもつかない程の純白の広い部屋の中心には、高い天井にまで届く液体の入った円柱が3本並んでいる。 円柱には左から、犬の様なモノが一体、人間の様なモノが一体、黒の球体が入っている。


 その3本の円柱を見ているC5の2人がいる。

 左胸に『黄龍の勲章』を付けた紺色の中国人民服を着た小太りの刈り上げツーブロックヘアーの若い男が、横に立つ黒のチャイナドレスの左胸に『玄武の勲章』の団子ヘアーの女を見上げて低い声で、


≪かつての核兵器『流星』を遥かに越える抑止力、この『第一級掃討兵器ブラックホールエネルギー』3体には強靭なDNAを持った人間が必要でしたが…… 副総統のあなたが自ら選んできた3体は本当に自我を自ら生み出す心配はないんですね? 特に元の姿からの変化改良が成されてない様に見えるヘイサ・イエンは?≫


 副総統と呼ばれた黒のチャイナドレスの女は、黄金のキセルを吹かし円柱にセクシーに歩みながら、

「大丈夫です。 ヘイサ・イエンも、あなた様とワタシの指示通りにしか動きません」


 左の円柱の前で足を止める。

 頭部を黒いテープでグルグル巻きにして隠す犬の様な姿勢の中性的な人間を見て微笑み。

 

「全てを焼き尽くすイフリート」


 中の円柱を越え、右の円柱で足を止めて黒の球体を見て微笑み、


「カイス」


 最後に、センターの円柱に歩む。

 副総統は円柱の中の金のボサッた髪の15歳の女を強く見つめ、


「DNAから復元した体、ヘイサ・イエン…… ≪❑≫ ≪❑≫」




 副総統とツーブロックの男の体は、純白の部屋からノイズの様に消えた。

 次に転送された場所は巨大メトロポリス北京を見下ろせる遥か上空……

 浮遊している副総統は、


「『第三級掃討兵器』を作るための人体実験のサンプルは日本から連れて来てよろしいですか?」


≪はい、あなたにお任せします≫


「中国の世界征服の貢献者、赤銅聖羅の子孫の女も入れましょう」





 END






 

この作品を読んで頂いた方には心からの感謝を伝えます。


 当初に考えたプロットのラストシーンは、日本が放った核ミサイルの『みさいる雲』が西へと伸びての完結でしたが、東に変更しました。


 それによっての物語の変更点は……


 ★0話、日本は核ミサイルを保有していた➡まだ日本は核ミサイルを保有していない。

 ★0話、中国に超高速超長距離核ミサイル『流星』の存在を書き足した。

 ★158話、京極茜は最後に好きな事をして死にたいの、好きな事を明かす➡明かされない

 ★当初のプロットは横山直美の作った味噌汁を飲んだ赤銅聖羅は中国との戦争を決意する。

 ★最終的な『卍』スカジャンの保有者が、赤銅聖羅からクリスチーヌに変更。


 等々です。


 変更した理由は、書いている途中で次シリーズSFバトル『北京狂乱』を書いてみたくなったからです。


 ではまた!(´▽`)


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