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18話 朝のコンビニ 京極茜vs伊崎カナエ

赤銅聖羅しゃくどうせいら目線


 翌朝、8時45分。


 ん? ここは? 

 あっ? そうか……

 昨夜は校長クリスチーヌのホテルで酒飲んで寝たんだっけ?


 あ?


 横のベッドを見ると……

 子猫のようにくっついて寝ている上が裸の京極とマッパの校長クリスチーヌが!?


「京極ぅうう……浮気かよぉぉ……? かなり……」

 ショック!!

 帰る!! 学校もずっと休んでやる!!

 京極……! もう一生許さないからな……たぶん!!


 迷彩のバンダナを顔に巻いて、ボウガンを手に持ち、部屋を出た。


 今日は、腹いせにいつものゲーセンでメダルゲームしまくってやる……!




★京極茜目線


 10時


「あっちゃ~、赤銅は怒って帰ったみたいだな?」


「そんな関係だったんだ? ごめん(;'∀')」

 

 アタシはお気にの『卍』スカジャンのファスナーを上げて、

「はあ~ 本当に赤銅は面倒くせえなあ~」


 受話器を持った校長が、

「今日は学校行くの? 遅刻だけど、送って行ってあげるよ?(;´∀`)」

 パンフレット見ながら。

「あ? フロント? 今日はクリスチャンディオールの衣装レンタルね?(´▽`)」

 ガチャ。


 アタシは校長を見て、

「赤銅を向かいに行ってから学校行くわ…」


「どこに赤銅がいるか分かるの?(;´∀`)」


「いつもの渋谷のゲーセンのスペクターだと思うわ」


「送って行ってあげるわ(;´∀`)」


「ダメダメ、一緒に居るとこ見られたら、余計にトラブルになるかもしれねえから」


「了解だけど京極~~ 絶対に学校に来なさいよね? またボディ―ガードを頼みたいから(´▽`)」


 アタシは校長の昨夜の体の傷跡を思い出して、


「分かった、必ず学校に行ってやる」


 部屋を出た。


 でっかい新帝国ホテルを出た。

 ここは千代田区…… いつものゲーセンまで結構な距離あるな? しぶしぶ歩く……


 道中……


 始めて通る道のコンビニの前で、スカジャンのポケットの中の千円札一枚と小銭の感触を確認して、


朝飯にくまんとセッタ(セブンスター)を補充すっか」


 客のいねえコンビニに入りカウンターへ歩み、『にくまん』が1個残ってるのを確認。


「ラス1、ラッキー」


 アタシは店員の兄ちゃんに、

「にくまんと、セブンスターのソフト」


「はい」


 後ろ向いて、タバコ眺める店員は、


「セブンスターって? 何番ですか?」


「あ? ちょっと待て……え~と?」


「僕は煙草吸わないんで分からなくて」


「ん?」


 その時、後ろに人の気配がしたから振り向くと……

 黒のツインテールの髪で、黒のキャミソールのミニ着た女が立っていた。

 右手に雪印のコーヒー牛乳500のパックを持ったその女、小声で、


「ちっ、にくまん1個しか残ってねえのかよ……」


 ははは、残念だけど、その1個も今から無くなるけどな?


 アタシは前を向きなおして、セッタを見つけたから、


「ひゃく……? 132(いちさんに)だよ」


「これですね? 1個でいいですか?」


「ああ」


「あとはにくまんですね?」


 店員がホットボックスを開けると、後ろのアマが、


「おう!! 自分が買うんだからオメエ辞退しろよ!! ぶっ殺すぞ!!」


 店員はビビったのか? ピタッと動きを止めやがった……


 アタシは店員に、

「早いもん勝ちだ、さっさとよこせ」


「はっはい」


 後ろの女、


「おい……店員オマエ…… 売ったら殺すからな?」


 仕方ないから、アタシは振り向いて、同じくらいの背の高さの女を呆れた顔で見て、

「おまえ、諦めろよ? まだアンマンがたくさん残ってんだろ?」


 このバカアマは、アタシにガンを飛ばしながら、


「オメエが諦めてアンマン喰えよ? 金髪バツキン……」


「アンマンは嫌いなんだよ……」


 ガンを飛ばし返す……


 顔をグッと近づけて来たバカアマは、


「肉まん如きで人を殺したくねえんだよ? ニュースになったら恥ずかしいだろ?」


「なら次のにくまんが温まるまで待てよ、チンピラ」


「チンピラ?」


 少し距離を取った、チンピラアマは、


 パン!と両手を叩いて、左右にゆっくり歩き始め、


「ふう~ふう~~ だめだだめだ…… ヨコタマに言われてる……不要な戦いはしたらダメだ… このむかつくバツキン殺してえけど… 殺してえけど…」


 左手の中指を口につけ、噛み始めやがった……

 

「おまえ? 爪噛んでんのか? きったねえな?」


「あ? しまった……? せっかく我慢していたのに……」


 アタシを見て、


「爪噛んだのバツキンのせいだ…… やっぱ殺す」


「しょうがねえな…… ケンカするなら、オマエからかかってこい」


 チンピラ女は、店員にガンを飛ばし、

「おまえ、警察呼んだら東京連合がおまえさらうぞ」


店員「ええ? えええ?」


 チンピラ女は黒のミニのキャミソールの胸の隙間から鉄警棒を取り出し、鉄警棒を伸ばした。 同じドーグは、まあよくある事。 どうせザコっぽいし……


 アタシもズボンのポケットから鉄警棒を取り出し、伸ばす。


 敵から来る!! ガチン!!! 鉄警棒で鉄警棒を受ける!!


 これで正当防衛が成立だな? ぶっ殺してやるよ!!!


 な? 女の左手に逆手にアイスピック!? コイツ二刀流かよ!!


 ズッス―――――


「うっ……?」


 まさかの攻撃に…… 腹にアイスピックが刺さる……

 久しぶりに刺される感覚……グリグリまでいれてきやがる……


 ス―― アイスピックを抜かれる……


「ううう……」


 力が抜け片膝を床につけてしまった……

 見上げると……

 チンピラツインテールはにやけてやがる……

 

「バツキン? これで終わりじゃねえぞ?」


 ブン!!


 フルスイングの鉄警棒を、


 ガチン!!


 側頭部に喰らう……


 頭がキ―――ンとしびれる音、だけど戸惑う事はできねえ……


 見上げると 左の逆手のアイスピックを振り上げてやがる

 アタマか顔面を突き刺す気か? これもう完全な『正当防衛』だよな?


 ブーン!!


 左の手の平をかざす!


 ブス


 アタシの手の平ストライク! そのアイスピックを握って……


 ブン!! と奪い取る!!


 すかさず敵の鉄警棒をガチン!!!

 また頭に喰らう……


 アタマが温けえ……


 アタシがニタ~~っと笑うと……


「離せよ!! 手を離せバツキン!!」

 すでにアタシは右手で持ってた鉄警棒捨てて、

 敵の鉄警棒持った右手首を強く握っている、

 アイスピックが刺さったままの左手でツインテールを掴んで!


「うおおおぉぉ!!」


 壁の弁当置いてる商品棚に!! 敵の顔面を!!


 ガチン!! ガチン!! ガシャ!! ガシャ!! ガシャ!!


 そのまま、髪の毛掴んで! 菓子パンを置いてる商品棚へ放り投げる!!


 ズシャ―――――ン


 商品棚はチンピラツインテールと一緒に倒れる。


 すぐさまアタシは落ちてた自分の鉄警棒を拾い、左手に刺さったアイスピックを抜いて、アイスピックを左手に持って二刀流にすると、ツインテールはまだヤル気か?

 ツインテールはゆっくり中腰姿勢になった。顔はグチャグチャで流血して元の顔がよく分からねえ状態。


「バツキ~ン。 二刀流か? だけどなぁぁ」


 中腰姿勢のチンピラの右手に? 店の商品か? カセットボンベをポイっと投げてきた、丸い穴が開いている? 火のついたジッポライターも投げた?


 アタシの体の目の前で 


 ドゥボ――ン!!


 ばく…はっ 熱っ……!



 ガス炎爆発の勢いで、後ろのジュースコーナーに背からグシャンっと倒れる!!

 ツイテール女も爆風で封筒とか置いてる棚にグシャっと体を持っていかれた!


 その時!!


《 にくまん10個!!! 温まりました!!! レンジ使いました!!! 》


 ジュースコーナーに両手を伸ばし埋もれたアタシと、散乱した菓子パンやあれこれの上で中腰姿勢のツインテールチンピラは、ガンを飛ばし合う……


「はぁはぁ……肉まんができたんなら中止だ。 バツキン…オマエ名前は?」


「ハァ…ハァ…京極茜…オマエは?」


「オマエが聖クリの番長美鈴を殺した京極か? 自分は伊崎イサキカナエ」


「マジか? オマエが? あの有名な埼玉のフハイカイドウかよ?」


「ムハイカイドウだ…… まあどっちでもいいけど」


 アタシはガシャガシャとジュースコーナーから体を出した後に、

 落ちていたミックスジュースの紙パックを手に取り、


「先に出っぞ、腹減ってるし急いでるし」


「次は必ず肉まんは譲れよ? 自分は学校の先輩なんだからな?」


 こいつ聖クリの先輩かよ?


 なんか? まだ焦げ臭え? あ? アタシの髪の毛か?


 レジで会計する。

「にくまん2個と、セッタ1個とコレな?」


「3点で900円です……」


「はい、1000円」


「100円のお返しです……お腹と頭のキズは大丈夫ですか? 左手も……?」


「ああ、問題ねえ」


 コンビニを出た。


 パクり… やっぱ肉まん……うんめえ……

 


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