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162話 最後のタイマン


 7月3日0時25分。

 タクシーが新宿中央ビルの近くを走る。

 シャーロットは一万札を財布から取り出し、


≪運転手さん、ここでいいです≫


「はい」


≪おつりはいりません≫


「こんなに? ありがとうございます」


――――――――――――――――――――――――――――



 京極はクリスチーヌを見た時に、鬼頭妹が消えている事に気付く。

 エレベータの上にある現在の階が表示された電光掲示を見ると54Fになっている。


「鬼頭は屋上から逃げやがったか……」


 その時、横山直美は目を覚ました。


『はっ? 私は……? 返って来た?』


 寝ていた姿勢から両ヒザをアスファルトに付けると、慌てて黒いワンピースの腰のポケットから眼鏡ケースを取り出して開き眼鏡を付けて、京極を見つめる。

『茜が……私を助けてくれたんだね……』

 立ち上がり、

『パンダが、茜が私に用事があるって言ってた……』

 京極を見つめた。


 その時……


 京極には横山直美の向こうのビルの屋上に赤い髪が見えた……


「赤銅!!!」


 ハッ!とボウガンを構えた赤銅が、京極を見る。

 京極は優しい顔で首を横に二度振った……

 眼鏡姿の横山直美も後ろを振り返って赤銅を見る。

『赤銅さん? 私を撃とうとしてた……?』


≪分かったよ!! 横山先輩とはケンカはしなえんだな!! 良かったよ!! 今からソッチに行くわ!!≫


 赤銅の姿が隣のビルの屋上から消えた。

 

 うつむいた横山直美は、


『赤銅さんは私を撃って、茜を守ろうとしていた……』


 うつむく横山直美に京極茜は、


「おい? アネキ? もう時間がねえんだよ……用事を済ませるぞ……」


 顔を上げた直美、


『用事ってなに?』


 京極茜はガンを飛ばし、


「タイマンだ ≪●≫≪●≫ 」

 

『ひっ!』


 後退りした横山直美、


『なんで私が茜とタイマンを!! 絶対に勝てるわけないじゃない!!』


「オメエ、赤銅の単車の後ろの席、アタシから奪い取るんだろ? どっちが座るかタイマンで決めるんだよ…… もちろんコッチは殺す気でやる……≪●≫≪◯≫」


 ドーグの鉄警棒を、転生リンファとの戦いで失った京極茜は素手で横山直美に近づきながら、


「アネキ? 足元にドーグが落ちてるぞ? 力の差がありすぎるからよ? アネキはそれを使っていいぞ……ハンデだ…… ≪◯≫≪◯≫」


『足元?』


 横山直美は足元の7G警棒の存在に気付き両手で拾おうとするが、


『おっ…重い……うおおおおお!!』


 力の限り両手でなんとか持ち上げて、


『ブラックチェリーなんか大きらいだ!!!』


 パコン☆


 7G警棒は京極茜の脳天に当たった。


 京極茜は立ったまま、少し背の低い横山直美にガンを飛ばし、


「もうアタシにはよ……アネキに…… パンチを喰らわすチカラも残ってねえ…… このタイマンはアネキの勝ちだ…… 赤銅の後ろの席はアタシからアネキが奪い取ったんだ……大事にしてくれ……<◌><◌>」


 京極茜は崩れ落ちた。


『茜、バカ言ってんじゃないよ…… 赤銅さんの後ろの席は茜しかいないんだよ…… 私はやっぱり……』


 横山直美は歩き…… 屋上の柵をウンショと越えた時……


 やっとクリスチーヌは目を覚ます。


【う~ん(>_<) え?('_') 横山直美が?('_') まさか('Д')】


『茜と違って…… 私は生まれつきウスノロ…… そして何人も殺してきた生きる価値の無い人間なんだ』


 横山直美、ダイブするために屈伸した時、


【まだ死ぬな!!起きろ!! 横山直美が自殺する!! キョウゴク――!!(;゜Д゜)】



 ドックン


 ≪●≫≪●≫



 横山直美は新宿中央ビルの屋上から飛んだ。





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